犬の寒さ対策が『熱中症』を招く…!危険な4つのポイントと正しい防寒対策

犬の寒さ対策が『熱中症』を招く…!危険な4つのポイントと正しい防寒対策

寒さが厳しい季節には、愛犬が寒がらないよう暖をとる工夫をしているという飼い主さんも多いですよね。ですが方法によってはかえって熱中症のリスクを招いてしまうこともあるのをご存じでしょうか。

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記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子
  • (AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター )

獣医師・AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター
山口大学農学部獣医学科(現:共同獣医学部)卒業。2006年3月~2023年3月 有限会社ふくふく動物病院 取締役・院長。ジェネラリストですが、得意分野は皮膚疾患です。
獣医師歴26年(2023年4月現在)の経験を活かし、ペットの病気やペットと楽しむアロマに関する情報をお届けします。

️1.暖房器具の設定温度が高すぎる

エアコンの温度設定をする手

わんこの寒さ対策にはエアコンやヒーターを利用しているケースが多いですよね。ところが飼い主さんは良かれと思って暖めているつもりが、わんこにとっては熱中症発症のリスクを高めてしまっている場合があります。

人間が「暖かい」と感じる設定温度だと、わんこにとっては「暑い」と感じる温度のことがあるからです。

適温は18度から22度程度

わんこにとっての適温はおよそ18度から22度といわれています。暖房器具の温度を設定する場合には、これを目安に20度前後で設定すると良いでしょう。

ただし温度の感じ方には犬種差や個体差がありますから、自分の愛犬にとっての適温がどのくらいなのかは経験値から見極める必要があります。暖房の効いている部屋から頻繁に出ていく、口を開けてハッハッと息をしているなどのようすが見られたら、暑いと感じている可能性が高いです。

️2.暖房からの逃げ道がない

暖房に当たる犬

暑いと感じる温度の中に長時間いることで熱中症のリスクが高まるということは、暑いと感じたときに暑くない場所へ逃げることができれば上手に体温調節することができ、熱中症のリスクは回避できるということです。

ところが暖房の部屋を閉め切ってしまい自由に出入りすることができない、ケージやハウスにストーブなどの暖気が直撃しているなどの環境だと、わんこは暑さから逃げることができません。

クールダウンできる場所への逃げ道の確保を

室内フリーにしている場合であれば、ペットドアなどで暖房の効いていない部屋に出入りできるようにする、ケージ内フリーにしている場合であれば、暖気の当たらない場所や角度にハウスを設置するなど、自由にクールダウンできるよう逃げ道を確保しておくことが重要です。

️3.床暖房を使用している

床で気持ちよさそうに寝ている犬

近年では床暖房も広く普及していることから、冬期は床暖房に頼っているという家庭も増えているかと思います。床暖房は暖房効率も良くとても便利ですが、すでにご紹介したように暖房からの逃げ道がないという懸念点があります。

わんこは猫と違って上下移動をほとんどしないうえ、床から近い位置で生活しているため、人間よりも床暖房の影響を受けやすくなっています。

そのため部屋の床全面が床暖房になってしまっていると暑いと思ったときに逃げ場がなく、熱中症を発症してしまったり、低温やけどをしてしまうリスクがあります。

逃げ場の確保やホットカーペットの活用を

とはいえ床暖房は気持ちが良いので大好きというわんこも少なくないかと思います。床暖房の範囲を設定できるのであれば全面ではなく一部にする、床暖房の影響を受けない居場所を作ってあげるなど、逃げ場を確保してあげることが必要です。

また床暖房ではなく、スポットで使えるペット用の小さなホットカーペットなども市販されていますから、それらを活用するのも良いでしょう。

️4.飲み水の準備が少ない

水を飲んでいる犬

冬場のわんこの飲水量は夏に比べて減少します。ですが暖房を利用していると思っている以上にわんこの体は乾燥しています。

また、暖房の効いた室内に飲み水を放置していると、水がどんどん蒸発してしまっていつのまにか量が足りなくなっているという危険性もあります。「冬だからいいだろう」と飲み水の準備を怠っていると、水分不足による熱中症のリスクを高めてしまいます。

十分な飲み水を用意しておく

冬だからといって油断せず、十分な量の飲み水を準備しておきましょう。お留守番中にわんこがひっくり返してしまったり、飲みすぎて足りなくなってしまったりしたときのためにお皿や給水器を2つ以上用意しておけるとなお良いです。

️まとめ

暖まる犬

いかがでしたでしょうか?一般的にわんこは暑さよりも寒さに対しての方が耐性を持っています。暖房を使用しなくても丸くなったり、毛布にくるまったりするだけでも耐えられてしまう子もおり、それほど厳重な対策をしなくても意外と寒さを乗り切れてしまうものなので、過剰な気遣いは不要かもしれません。

ただし熱帯地方原産の犬種や被毛が薄い犬種、シングルコートの犬種、シニア期のわんこや闘病中のわんこは寒さが命とりになることもあるので注意が必要です。自分の愛犬の寒さへの耐性を見極め、適切な寒さ対策をとることが重要です。

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