不安とは
不安は、人間だけでなく犬も抱く感情であり、「対象のない恐怖」と定義されています。気がかりな出来事がぬぐえない心の状態、安心できない状況を指すものとも言えますね。
何か危険を感じたとき警告の兆候として感じるため、危険から身を守るために必要な感情です。
不安が不安を呼ぶ
通常、安全が確認・認識されることで、不安という感覚は次第に消えていくものです。しかし、不安の要素があまりにも多すぎる場合、心がそれを支えきれずに溢れ出してしまいます。
ささいな事柄に対しても不安や心配が持続し払拭できない悪循環に陥ると、愛犬は次第に心のバランスを崩していきます。
犬に強い不安感を与えてしまう『NG行為』3選
ここからは、犬が不安を感じてしまうNG例を一緒に見ていきます。
1.災害
地震、台風、豪雨、竜巻。災害の衝撃はすさまじいものです。私たち人の生活に大きなダメージを与えるばかりでなく、犬のメンタルにまで及ぶ場合も数多くありますので、災害に備えた普段からの対策とケアが必要です。
特に犬に強烈な不安感を植え付けてしまうのは、やはり飼い主不在の留守番のとき。落雷や防風などの大きな音は犬を不安にさせます。しかし、お仕事の都合などで、どうしても犬だけで留守番させることもあるでしょう。
犬にお留守番をさせる場合は天気予報を確認して台風や豪雨などの情報を把握し、できるだけ不安のないようにテレビをつけたまま外出するなどの対策を取ってください。飼い主の声が聞ければ少しは安心するという犬もいるので、ペット用家電を活用して遠隔でも声が届くような環境を整えておくのも対策のひとつです。
2.攻撃、不仲
犬は本能的に群れの平和を守ろうとする生きものです。外部からの攻撃や内部統制が乱れるような出来事があると不安を感じます。
例えば夫婦げんかや兄弟げんか、親子げんかなどの家族間の争いが挙げられます。犬は勘が鋭いため、怒りが激しさを増してくると不穏な空気になり強い不安を感じて動揺します。けんかが起きそうになったら一度、犬の顔を見てみてください。その時の犬はどんな表情をしているでしょうか。
3.事故
ドライブが大好き!という犬もたくさんいますね。しかしながら、運転中の小さな事故や車の故障によるレッカーなど、予期せぬちょっとしたトラブルに見舞われてしまうこともあるでしょう。そんな時に「慌てないで」「冷静に」と言うのは無理のある話かもしれませんが、人はトラブルを解決する力があります。
しかし、犬はどうでしょう。トラブルの解決イメージすらわかないもの。ちょっとしたトラブルとは言え、衝撃の音や振動、聞き慣れないサイレン、他者とのやり取りなどいつもと違う状況が犬に強い不安を与えます。
あなただけが頼りになるので、「もしどんなことがあっても守るよ」「動揺させないように落ち着いて行動するよ」といった姿勢を見せるだけで犬は安心するものです。どうぞ愛犬を強い不安感に陥れないためにも、安全にドライブを楽しんでください。
日常に潜む危険
最後に、わたくしが日常で目にする「これは犬が不安だろう」と思う場面をご紹介しますので、ご参考までにご覧ください。いずれも不安な状況です。合わせて何か大きな音や衝撃、攻撃があれば、犬に強すぎる不安感を与えてしまうのは明らかですのでご注意を。
- コンビニの前に犬をつないで買い物
- 慣れていない状態での、体格差のある犬との遊び
- 車内に犬だけが取り残されたまま駐車
まとめ
犬の不安感は、アクシデントと飼い主に頼れないシーンでは強くなります。こうした不安から犬を守るためには、危険な状況を作らないこと。それから、対策と心構えだと言えるのではないでしょうか。
今回は分離不安については触れませんでしたが、またの機会にぜひたっぷりと。それではまた。