スキンシップとは
スキンシップとは、友好的な関係にある者同士が、互いに肌にふれあいながら、温もりや愛おしさを感じる行為です。
哺乳類が進化した過程には、スキンシップをはじめとする皮膚感覚の強化が関係しているという説があります。そう言われてみれば、人に限らず多くの哺乳類は、暇さえあれば仲間同士でスキンシップを盛んに行っている様子が見られますね。
肌に触れあうという感覚が個と個の連携行動を高め、種としての進化を遂げてきたというのも、「なるほど」と思わずうなずいてしまうような話です。
犬が怪我をしてしまうスキンシップ3選
人と犬の間でスキンシップは、コミュニケーション方法のひとつであることは間違いありません。
しかし、ちょっとしたスキンシップの加減が、思いもよらぬ怪我にまで発展してしまうようなケースもあるため注意してください。ここからは、犬の怪我につながってしまう可能性のあるスキンシップを、実際の例を元に3つお送りします。
1.抱っこからの〇〇
某ペット損害保険会社のデータによると、犬の骨折事故が最も多い時期は1歳未満。骨折の発生部位の56.1%は前足です(2018年調査)。
理由としては成長過程にある1歳未満の犬はカルシウムの吸着がまだ完全ではなく、骨がもろいものだということが挙げられます。また、犬の重心は半分以上が上半身にあり、習性として前足から着地をするなどに関係しています。
スキンシップが原因で骨折することも少なくありません。「抱っこをしているときに、誤って犬を床に落としてしてしまった」というケースは多いです。
スキンシップをするために犬を抱くのは大賛成ですが、こうした怪我を引き起こさないためには犬に慣れていない方やお子さんが子犬を抱く際には、低い位置に座るなどの対策を講じましょう。
2.お手入れのしすぎ
愛犬とのスキンシップにブラッシングを取り入れている方も多いのではないでしょうか。しかし、ブラッシング方法を間違えると、愛犬の皮膚トラブルにつながる可能性があります。
例えば、細い針金のような目が密集していて、毛のもつれやからみを梳くために便利なスリッカーブラシ。あまりに熱心に一か所だけを集中してブラッシングをしたり、力を入れすぎたりすると皮膚にダメージを与えることがあります。
皮膚の薄い箇所(脇の下、のど、耳、耳の付け根、内もも等)をブラッシングする際は、粗目のコームなどを使い、優しく、やりすぎない程度に行うのが良いでしょう。
また、柴犬、秋田犬、シベリアンハスキーなどの厚い毛を持つ犬たちは、換毛期にスクラッチャーブラシという熊手のようなブラシで下毛を処理するのが適しています。スクラッチャーブラシを使うと、ごっそりと下毛が抜ける快感があり、犬にとってかゆいところに手が届いたように喜ぶことが多いです。
しかし、気持ち良さそうだからと同じ個所を何度も刺激すると、皮膚が赤くなったり傷ついてしまったりする場合もあります。外から見た毛の状態だけではなく、毛をかき分けて皮膚の状態を見ながら行うことが大事です。
3.関節への配慮
ジャンプや全速力で走り回るのが好きなアクティブな犬もいます。これを上手に日々のスキンシップに取り入れると、ストレス発散とスキンシップの両立が可能に。
しかし、犬の関節への配慮が不足すると、ジャンプの着地で足を滑らせたり、走り回った際に足を滑らせてしまったりなどの怪我につながる恐れがあります。
具体的には、腰、ひざへのダメージが多く見られるので、特に関節があまり丈夫ではない犬種や幼犬、老犬にとっては怪我を起こしやすいので配慮が必要です。例えば床を滑らない素材のものに変えるとか、衝撃を吸収してくれる柔らかい敷物を敷くことでフォローしましょう。
まとめ
いかがでしたか。犬の怪我はほんの少しのタイミングのズレにより起こります。スキンシップをする際は、加減に気を付けてて怪我につながらないように注意してください。
人と犬が種を超えて寄り添い合えるのは、スキンシップによって育まれた賜物です。関係をキープするために、愛情のキャッチボールを続けていきましょう。