1.被毛の色・状態
犬の見た目で年齢を判断する場合に、最もわかりやすいのが「白髪」だと思います。
犬の被毛に変化があらわれるのは、シニア期に入るよりも前の中年期頃です。
小型犬では5~6歳、大型犬の場合はそれよりも早くから被毛が退色して色が薄くなってきたり、白髪が生えてきたりします。
特に、口元を中心に顔まわりから白髪が生える犬が多いようです。
さらに年齢を重ねてシニア期に入ると、被毛がパサついてツヤやハリがなくなってきます。
被毛以外にも、ひげやまつ毛が白くなることもあります。
また、皮膚も乾燥してフケが出るようになったり、たるんだり、イボができたりする様子も見られます。
2.瞳の色
被毛と同様に、犬の目も見た目で年齢を把握しやすい部位のひとつです。
犬の老化現象のひとつとして、瞳の核硬化症というものがあり、その症状があらわれると瞳が白っぽく見えるようになります。
すぐに真っ白になるわけではなく青みがかっていたり、グレーっぽく見えたりするため、パッと見ではわかりにくいかもしれません。
しかし、日頃からアイコンタクトを取る機会の多い飼い主さんであれば、ちょっとした変化や違和感に気が付くことができるでしょう。
瞳が白っぽくなると白内障を心配する飼い主さんもいると思います。
確かに、白内障は犬のシニア期に多く見られる疾患で、核硬化症と違い視力低下や視力障害の症状も見られます。
白内障と核硬化症は見た目では見分けがつかないほど似ています。原因も治療の方法や必要性も違います。
加齢とともに瞳に変化が見られたら、動物病院で定期検診の時などに相談してみるといいでしょう。
3.歯の本数や色
犬の歯の本数は、年齢によって変化します。
まず、子犬期には生後8週頃までに28本の乳歯が生え揃います。
そして、4~5か月頃に少しずつ永久歯への生え変わって、8か月頃を目安に42本の歯が揃うとされています。
そのため、子犬期に保護された犬などは、歯の本数や状態で月齢や年齢を推定することが多くあります。
生えたばかりの永久歯は、真っ白でつやがありピカピカと光って見えますが、年齢を重ねるごとに徐々に汚れが付着していき、歯自体が黄変したり摩耗したりします。
そのような歯の状態を見て、大まかな年齢を推察することができるのです。
4.歩き方・歩く速さ
これは見た目というよりも動きによる年齢の把握ですが、シニア期も中盤になってくると後ろ足に震えが見られるようになります。
また、歩くスピードが遅くなってくることもあります。
年齢を重ねると少しずつ筋力が低下してくる上、体力の低下に伴って運動量が落ちるため筋力がつきにくくなってしまいます。
太ももの筋肉が減少して、負荷がかかりやすい膝関節を支えられなくなることで、足の震えが見られるようになります。
しかし、足が弱くなっているからといって散歩を控えてしまうと、さらなる筋力低下を招いてしまうので注意しましょう。
シニアになっても適切な時間と量の散歩をして、犬の体に負担をかけずに体力や筋力を維持することを目指しましょう。
まとめ
子犬や超高齢犬であれば、体の大きさや活発さなどから見た目でもある程度年齢の予測が立つでしょう。
しかし、それ以外の時期の犬は、見た目だけではなかなか年齢の判断がつきにくいのが実情です。
ここで紹介したような目の色の変化や白髪の量などは、個体差が大きいため、大まかなライフステージの目安として考えるようにしてください。
獣医師であれば歯の状態などからある程度の年齢を推定できるとされていますので、保護犬の年齢などを知りたい場合は、動物病院で判断してもらうことをおすすめします。