犬の毛をカットしすぎてはいけない理由
犬の毛をカットしたいと考える飼い主には次のような理由があります。
- うんちやおしっこで毛が汚れるのを防ぎたい
- 短くカットした方が可愛い
- ブラッシングが楽になる
- シャンプーが楽になる
- ドライヤーで乾かす時間が短くなる
- 暑そうだから涼しくしてあげたい
- 〇〇カットが流行っている
犬の体や健康のことを気遣っているようにも感じられますが、実際にはお手入れを楽にしたいことや美容目的であることがほとんどです。
本当に犬の毛をカットする必要があるのかどうか、カットしすぎてはいけない理由を一緒に考えてみましょう。
1.日光や紫外線をダイレクトに浴びてしまう
犬の毛をカットしすぎてはいけない理由は、皮膚が日光や紫外線をダイレクトに浴びてしまうためです。
ポメラニアンのような長毛でダブルコートの犬種であると、毛を短くすることで「涼しくしてあげたい」という考えから、カットしすぎてしまうことがあります。
短くカットしたスタイルを「サマーカット」と呼んでいます。
毛は犬の皮膚の健康を守り、維持するための役割があります。
カットしすぎてしまうと、その役割を十分に果たすことができません。
日光や紫外線をダイレクトに浴びてしまうと、犬の皮膚も日焼けをしますし、日光皮膚炎を引き起こすことがあります。
ダブルコートである犬種は、アンダーコートが密集して生えていることによって、紫外線の影響を防いでいます。
カットしすぎてしまった時は、日差しや紫外線が弱い時間にお散歩に行く、皮膚を守るための服を着用させるなど対応するとよいでしょう。
2.毛が正常に生えてこなくなることがある
犬の毛をカットしすぎてはいけない理由は、毛が正常に生えてこなくなることがあるためです。
ハサミでカットした場合には起こりにくいのですが、バリカンで短く刈り上げた後に起こりやすいです。
全ての犬種に起こる可能性がありますが、ポメラニアンに多い症状であるとされています。
ポメラニアンのような長毛種である場合、毛が正常に生えてこなくなることによって、毛がまばらに生えてくることがあります。
ふわふわの毛が魅力ですが、毛が正常に生えてこなくなることによって、スカスカの薄毛になることがあります。
毛量の多い犬種にとって毛が正常に生えてこなくなるということは、見た目にも貧相に見えてしまい、後悔する飼い主がほとんどです。二度と元に戻らないケースが多いようです。
3.毛質が変わることがある
犬の毛をカットしすぎてはいけない理由は、毛質が変わることがあるためです。良い変化ではなく、悪い変化と捉えて構いません。
- 毛が硬くなった
- 毛がゴワゴワする
- 毛が乾燥したようにパサパサになる
主にこのような毛質の変化があります。毛質の見た目の良さは、健康的にも見えますし、若々しくも見えます。
パサパサでゴワゴワな硬い毛は、年齢よりも老けて見える原因になることがあります。
カットすることで起こるこのような変化はすべての犬に起こるわけではありませんが、カットを繰り返すと徐々に起こることが多いです。また、ハサミよりもバリカンの方が症状が出ることが多いです。
犬の被毛の変化を起こさないようにするには、毛をカットしすぎないことです。
4.熱中症になりやすくなる
犬の毛をカットしすぎてはいけない理由は、熱中症になりやすくなるためです。皮膚が日光や紫外線をダイレクトに浴びてしまうことが主な原因です。
紫外線をダイレクトに浴びた皮膚の表面温度はグッと上昇します。汗をかきにくい犬ですから、あっという間に体内に熱をこもらせてしまいます。
ダブルコートの犬種には換毛期がありますね。夏には自身で毛量を減らすことによって、暑さに対応できるよう調整しています。
それ以上に短く少なく毛をカットしすぎてしまうのは、避けた方が良いかもしれません。
まとめ
犬の毛をカットしすぎてはいけない理由を4つ解説しました。
- 日光や紫外線をダイレクトに浴びてしまう
- 毛が正常に生えてこなくなることがある
- 毛質が変わることがある
- 熱中症になりやすくなる
このように、毛をカットしすぎると健康被害が及びやすくなります。
犬種・年齢・生活環境・健康状態などによって、愛犬に適したカットの仕方を見極める必要があります。