コロナ禍の中、愛犬が飼い主の社会的支援になったという調査結果

コロナ禍の中、愛犬が飼い主の社会的支援になったという調査結果

コロナ禍がもたらした悪影響はさまざまな範囲に及びますが、愛犬の存在が飼い主のサポートになった可能性はあるのでしょうか?アメリカでの調査結果をご紹介します。

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コロナ禍において重要な『社会的支援』

コーギーを抱くマスクの女性

犬が飼い主の身体と心の健康をサポートし、幸福感を高めるという研究結果は今までにも数多く報告されています。犬を迎えてから散歩で定期的に体を動かし、人に会う機会も増えて健康増進や幸福感を実感しているという人も多いでしょう。

この度、大手ペットフードメーカーの研究所であるネスレピュリナリサーチの行動福祉研究チームが、コロナ禍の中で愛犬の存在が社会的支援の認知や心理状態に影響したかどうかの調査結果を発表しました。

社会的支援とは、研究者が以下の1つ以上を含むものとして定義しています。

  • 誰かが自分のことを気にかけてくれていると知っていること
  • 愛されている、尊重されている、評価されていると知っていること
  • 協力的なネットワークに属していると感じること

以前の他の研究ではコロナ禍の際、アメリカではうつ状態の症状を訴える人が約3倍に増加したことが報告されています。社会的支援はパンデミックのような重大な出来事が、人間の心と身体に及ぼす悪影響のバランスを取るのに役立つと言われています。

犬を飼っている人、犬を飼いたい人へのアンケート調査

犬と一緒にラップトップを見ている女性

調査の対象となったのは18歳以上で犬を飼っている人768名と、研究期間中は犬を飼っていなかったが、将来犬を飼うことに興味を持っている人767名でした。これらの2つのグループへのオンラインアンケートという形で実施されました。

アンケート調査の質問項目は、回答者の基礎的な情報、飼っている犬についての情報の他に、コロナ禍が財政、健康、ライフスタイル、感情にどのような影響を及ぼしたかというものが含まれました。

さらに研究者は次の6種の心理的測定スケールを使って調査を行いました。これは「全く当てはまらない」~「大きく当てはまる」の間の7段階で回答するものです。

  • 1. 犬への積極性
  • 2. 犬に与えることをいとわない時間、エネルギー、リソースの度合い
  • 3. 社会的支援を受けているという認知の度合い
  • 4. うつ病の基準をどの程度満たしているかのスコア
  • 5. 不安障害スコア
  • 6. 幸福感スコア

このようにして実施された調査結果が2つのグループで比較分析されました。

2つのグループの大きな違いとは?

パグを抱いてポーズするマスクの男性

コロナ禍がもたらした悪影響については2つのグループを合わせて統計が出されました。結果は、健康に影響があったと答えた人は33%、財政に影響があったという人は45%、感情に影響があったと答えた人は67%、ライフスタイルに影響があったという回答は72%でした。

2つのグループの比較では犬への積極性や、犬にどれくらいの時間やリソースを与えるかの度合いは、将来犬を飼いたい人よりも犬を飼っている人の方が高いスコアを示しました。しかしこの点と、うつ病、不安障害、幸福感の間に相関関係は見られませんでした。

犬を飼っている人のグループでは、社会的支援を受けていると認知している人が飼っていない人のグループよりも有意に多くなっていました。

犬を飼っている人のグループのうつ病の平均スコアは、飼っていない人のグループに比べて有意に低くなっていました。不安障害と幸福感のスコアでは2つのグループに有意な違いは見られませんでした。

2つのグループを合わせて分析した場合にも、社会的支援を受けているという認知が低い人は、うつ病と不安障害のスコアが約2倍も高く、幸福感のスコアは著しく低かったということです。

これらのことを総合すると、愛犬の存在が「自分は社会的認知を受けている」という認知をより強く与えた可能性があり、それがコロナ禍によって引き起こされた、心理的な悪影響の一部を緩和するのに役立った可能性があると研究者は述べています。

まとめ

犬に寄り添うマスクの女性

犬を飼っている人と飼いたいと思っているが今は飼っていない人たちに、コロナ禍がもたらした影響についてのアンケート調査を実施したところ、犬を飼っている人は社会的支援を受けていると感じる人が多く、うつ病の平均スコアが低かったという結果が出たことをご紹介しました。

困難な状況にある時、愛犬の存在が飼い主の幸福に貢献する可能性があると研究者は述べていますが、実際にペットと社会的支援の関係を理解するにはさらに研究が必要であるとのことです。

確かに愛犬や他のペットがプラスの影響をもたらしてくれる場合は少なくありませんが、実際の問題としては困難な状況ではペットへの責任が負担になる場合もあります。

このような研究ではプラスの面だけが強調される傾向がありますが、今後さらにバランスの取れた研究が報告されるのとを待ちたいと思います。

《参考URL》
https://doi.org/10.1371/journal.pone.0260676

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