『ペットロス』は悪いことなの?立ち直るためにするべき5つのこと

『ペットロス』は悪いことなの?立ち直るためにするべき5つのこと

家族や親しい友人などの大切な人を亡くすと、人は深い悲しみに襲われます。それは愛犬の場合も同じです。しかし、飼い主さんと愛犬との関係の深さや、周囲の人々との意識の違いなどから、深い悲しみからなかなか抜け出せなくなってしまう飼い主さんも少なくありません。最近深刻化しているペットロス問題について、立ち直るために何をするべきかを整理しました。

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ペットロスって悪いこと?

ペットロス

最近メディアでも取り上げられることが多くなってきた「ペットロス」は、動物看護師を目指す学生向けの授業にも「ペットロス論」などとして取り扱われるようになるほど、深刻な問題となっています。

犬や猫などの伴侶動物を失うことで生じる、飼い主さんの悲しみの感情がペットロスです。

人間の家族や親しい友人などを亡くした時にも深い悲しみの感情に襲われますが、基本的にはそれと同じことです。

相手が人間であれ愛犬であれ、共に長い時間を過ごしてきた相手の死に直面したら、深い悲しみの感情に襲われるのは当然のことです。

つまり、ペットロスに襲われたからといって、悪いとか恥ずかしいなどと思う必要はありません。

ところが相手が犬の場合、周囲の人々から「変わった人」「たかがペット」などと思われたり、愛犬との関係が濃密すぎたりした場合に、ペットロスが重症化・長期化する傾向があるようです。

ペットロスが重症化しやすい飼い主さんの特徴

愛犬の死を悲しむ飼い主

ペットロスが重症化しやすい飼い主さんには、どのような特徴があるのでしょうか。

1つ目は、周囲の環境です。

飼い主さんと愛犬との関係は千差万別で、誰にでも理解できることではありません。

深い悲しみを分かち合える人がいないことで孤立化し、重症化することがあります。

2つ目は、愛犬の亡くなり方です。

ある程度看病や介護をする時間を持てれば、その間に心の準備ができます。

しかし思いもよらないタイミングや理由で亡くした場合は、より大きな喪失感や自責の念が生じて重症化することがあります。

3つ目は、ご本人の問題です。

飼い主さんと愛犬が1対1で暮らし、愛犬の存在自体が生き甲斐になっていた場合、愛犬の死は生きる目的の喪失となり、重症化することがあります。

それでは、ペットロスから立ち直るまでの心の過程を追いながら、それぞれの段階で立ち直るために何をするべきなのかについて見ていきましょう。

ペットロス『悲しみの5段階』の乗り越え方

1.拒否

ペット用骨壷

まず、愛犬の死に際して最初に生じる感情が「拒否」だといわれています。

つまり、愛犬の死を「信じたくない」という感情です。愛犬がまだ若く健康であった場合は特に、強い拒否の感情が生じるでしょう。

愛犬の寿命は人よりも遥かに短いため、大抵の飼い主さんは愛犬の死に対面することになります。

初めて愛犬を迎え入れるときから、愛犬の死に対する心構えは必要です。

この段階から抜け出すためには、愛犬の葬儀・供養を行うことです。

きちんと葬儀や供養をすることで、気持ちにけじめをつけ、積極的に愛犬の死を受け入れられるように努力しましょう。

2.怒り

怒り

愛犬の死を受け入れると、次に襲ってくるのが「怒り」の感情です。

怒りの対象はかかりつけの獣医師だったり身近な第三者だったり自分自身であったりと、さまざまです。

特に多いのは、飼い主さん自身への怒りです。

「あの時こうしていれば」「なぜもっと早く」などの自責の念を感じない飼い主さんはいないはずです。

しかし、愛犬との暮らしの中でできることは精一杯やってきたはずです。

この期間は、他人に対してもご自身に対しても、意識して性善説で考えましょう。

責めることからは何も生まれません。ましてや、愛犬が戻ってくることはないのです。

3.取引

霊能者

自分自身も含めて、誰かに怒りをぶつけても愛犬が戻ってくるわけではないことを認められるようになると、次に芽生えるのが、「取引」の感情だといわれています。

一時期ペットのクローンがニュースで取り上げられていたことがありますが、高額を支払って愛犬のクローンを作りたいという感情も、この取引に当たるかもしれません。

中には霊能者に依頼して、愛犬の霊を呼び出してもらう方もおられます。

取引によって得られた結果に満足できてもできなくても、冷静になることで、この段階からなるべく早く抜け出しましょう。

高額を支払って作った愛犬のクローンも、遺伝子構造が同じだというだけで、決して愛犬自身ではないのです。

4.悲しみ

悲しむ女性

科学の力を使おうが霊能力者に頼ろうが、何をしても愛犬は戻ってこないと認められると「悲しみ」の段階に入ります。

何をしても楽しくない、突然涙が溢れてくる、食欲がなくなる、夜眠れなくなるといった具体的な症状が現れます。

この段階が最もつらい時期です。この時期に大切なのが、「きちんと悲しむこと」です。

周囲に悲しい気持ちを共有してくれる人がいない場合はさらにつらい状況になりますが、泣きたいときには泣いていいのです。

逆に、この段階で無理矢理悲しい気持ちを抑え込んでしまうと、抑うつ症状が現れてペットロスを重症化し、長期化させてしまいます。

5.受容・回復

愛犬のアルバム

前述の悲しみの段階できちんと悲しむことができると、自然に愛犬の喪失をきちんと受け入れることができ、「楽しい」「嬉しい」といった感情が戻ってきます。

徐々に、愛犬の写真や遺品に触れても落ち着いていられるようになってきます。

愛犬の写真を整理してアルバムを作ったり、遺品を残しておくものと処分するものに整理しましょう。

まとめ

愛犬との思い出

ずっと一緒に暮らしてきた愛犬を亡くしたら、ペットロスという深い悲しみの感情が襲ってくることはごく自然なことです。

愛犬のことを忘れる必要はありませんし、忘れることもないでしょう。

時間はかかりますが、必ず愛犬との思い出と共に、楽しい気持ちで暮らしていけるようになるはずです。

できるだけ愛犬との関係を理解してくれる友人を愛犬の生前から作り、ご自身も愛犬との関係が深くなり過ぎないようにしながら愛犬との生活を楽しむことで、必要以上にペットロスが重症化しないように心掛けてみてください。

どうしてもつらくて苦しい場合は、心療内科に相談しましょう。

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