犬は寒さに強い?
♪雪やこんこ~犬は喜び庭かけ周り、猫はこたつで丸くなる♪この歌が作られたのは1911年(明治44年)のこと。犬が雪の感触を喜ぶのは現代においても変わりませんが、犬もこたつで丸くなるようになりました。
ファンヒーターを出せばその前に陣取り、ホットカーペットから動かず、散歩時にはダウンジャケットを着る時代に。もちろん寒さに強くそれを好む犬もいますが、たいていの犬は寒さに強くありません。
冬の防寒対策のNG4つ≪お留守番編≫
特に犬だけがお留守番をするときは、夜間はもちろんのこと、日中であったとしても気温がどう変化するかわかりません。そんなときに活躍するのが犬の防寒グッズや暖房家電です。
数ある対策の中でも、実は危険な可能性をはらむNG対策を4つご紹介します。
1.電気ストーブ
電気ストーブは一見すると安全に見えますが、東京消防庁の調べによると平成28年中に起こったストーブ由来の火災の76パーセントが、電気ストーブ周囲に布類や紙類など燃えやすいものを置いておいたことによって発生しています。
じんわりと温かく便利な電気ストーブですが、地震も多いこの頃。どんな要因が重なって火災がおきるかわかりませんから、犬だけの留守番では使用しない方がいいでしょう。
2.ファンヒーター
実際に火が見えるわけでもないし、いいんじゃないの?と思う方もいるでしょう。しかし、怖いのは犬の火傷です。
特に大型犬は自身の体の大きさをよく分かっていないようなところがあり、気が付くとファンヒーターの吹き出し口にべったりお尻をくっつけてしまっている、なんていうことも。それにより、毛を焦がしたり、皮膚の一部を火傷するといった事故が実際にありますのでご注意ください。
3.こたつ
暖かくて、ついウトウト…。「こたつこそ、安心安全な最強暖房器具だ。」と思っている方も多いですが、実はこれが危険です。練炭こたつは豆炭こたつでは一酸化炭素中毒が怖いのですが、一般的な赤外線こたつでも危険性があります。
こたつの中の温度は30度以上になっているので、真夏の閉め切った部屋でクーラーを付けずに寝ているのと同じです。人はそうした環境で寝ると、当然汗を大量にかくことになりますが、犬の場合は汗を放出しにくい体の構造をしているため、尚のこと脱水症状になりやすいです。
また、こたつの中で長時間寝ると鼻粘膜が乾燥しますので、ウイルスへの抵抗力が低下することも。また、皮膚も乾燥してしまい痒みの原因になったりフケがたくさん出る場合もあります。さらに、血液中の水分が失われ、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こす可能性が高まるので、特に子犬、老犬では気を付けてあげたいですね。
4.ペットヒーター
ホットカーペットのような電気コードのついたタイプの暖房器具は、幼犬、噛み癖のある犬には不向きです。なぜなら、コードを嚙むことにより、感電してしまうことがあるからです。
しかし、これについてては感電対策用にコードカバーが予め二層になった製品を購入することや、コード部に苦み成分のあるスプレー(安全無害なもの)を塗布することにより、回避できることがありますのでお試しください。
では、どんなものがおすすめ?
あれダメ、これもNG!ばかりではうんざりしてしまいますね。ではここからは気分を変えて、おすすめの防寒対策をご紹介します。
≪例≫
- 基本はエアコン(人が快適ないつもの温度で)
- 犬の届かない場所に加湿器もお忘れなく
- かまくら型のボアベッドなど温かさに特化したベッドの利用
- ケージは窓際ではない場所に移動(冷気が差し込むため)
- パネルヒーター、オイルヒーター等の活用
予期せぬこと
留守番時の暖房対策で「失敗したかも、心配!」とよく耳にするのが、冬にも関わらず思った以上に気温が上がってしまった場合です。
予期せぬ気温のアップダウンに備え、室内に暖かい場所と、すこしクールダウンできる場所の両方をつくり犬が行き来できるようにするとより良いですね。
まとめ
お住まいの地域によって、寒さ対策には違いが見られることと思います。でも、基本は人と同じような快適さを目安に考えれば良いです。もちろんシベリアンハスキーなど、寒さにめっぽう強くそれを好む犬種は除いてください。
最後に一つだけ。小型犬は、床に近い低い位置にいます。冷気は下に溜まるので、人が感じる気温よりも犬は冷えやすいため考慮する必要があります。お留守番時にはしっかりと防寒対策を行って愛犬を寒さから守りましょう。