深い関係だからこそ
犬と人。この異なる種が寄り添って暮らすようになり、もう何百年が経つのでしょうか。諸説ありますが、ずっと古くからこの異種は、何千回の朝、幾千という夜を繰り返しながら共に暮らしてきました。
家族のように、親子のように。そしてまた兄弟、姉妹、親友、ときには恋人のようにも。そうした深い愛に包まれた関係だからこそ生まれる、特別な感情もあります。嫉妬心もその一つかもしれません。
犬がヤキモチを焼くとき
かわいい犬のこと。人で言うところの憎悪、愛憎、嫉妬というよりは「ヤキモチ」というフレーズの方が、しっくりきますね。
犬のヤキモチ焼きさん。それぞれに嫉妬を感じる度合いの大きさはちがうでしょうが、それぞれの理由により対処してまいりましょう。
ヤキモチの行動3選
さて、ここからは犬がヤキモチを焼いているときの行動についてご紹介します。
1.吠える
注目を引く、目線を向けさせたいような行動ですね。例えばあなたがSNSに夢中なり愛犬には目もくれないとき。あなたを見つめながら「ワン!」となにか言いたげに吠えることはありませんか。
その行動は、プチ・ヤキモチと言ってもいいでしょう。犬はあなたのことが大好きですから、気持ちが今どこにあるのかを全集中でサーチしています。よくあるかわいいプチ・ヤキモチのひとつですが、ここでご注意いただきたいことがあります。
それは、犬が吠えたからといって、そのつど反応をすること。これを繰り返すと、犬は吠えれば飼い主の注目を自分に向けさせる技を身に着けてしまいますからいけません。回避する方法は、犬がヤキモチを焼き始める「前に」、手元に呼んで抱くとか、撫でながら愛情欲を満たすこと。欲求吠えに応じないような工夫が必要です。
2.いたずら
二頭目の犬や、他の動物。そして飼い主の出産などで新しい家族が増えたときによく見られます。それまではしなかったいたずらや、覚えていたはずのトイレができなくなったり、と、いわゆる「赤ちゃん返り」という状態になってしまうのです。
この理由はお分かりですね。飼い主の関心が新しい家族へと注がれてしまうことで、自身への愛情が薄れたのかと感じるためです。まるで幼い子供のようでかわいいヤキモチですが、ときに深刻な事態を招くことも。
軽くで済むか、重症化するか。その分かれ目早期フォローにあります。忙しくてとても犬にまで手が回らないときもあるでしょうが、それでも、ヤキモチの大きさが小さいうちに手当をしてあげることが大事です。
犬はヤキモチ屋さんかもしれませんが、わからず屋さんではありません。気持ちをつなげて、自己肯定感を高めるようにケアすることで、状況を理解してくれます。
3.攻撃
「ねえねえ飼い主さん、ぼくを見て、ぼくもできるよ」。といったような、小さなライバル心に向けたヤキモチの合図を無視し続けると、どうなるでしょうか。そうです。犬はある瞬間から直接、嫉妬の対象を敵とみなし、攻撃することがあります。
これは、犬のヤキモチをからかうように「もてあそんだ結果」起きてしまったというパターンが多いものです。これは大きなヤキモチ行動です。ヤキモチ、嫉妬心とは、決まって飼い主の関心が他に高まり、自身がないがしろにされてしまう状況で起こります。
最近、ぬいぐるみをワザと犬の前で大げさにかわいがり。犬のヤキモチを試すような動画を時々目にします。これはヤキモチを焼いている様子を愛くるしいと感じるからでしょうが、わたくしはあまり良い遊びとは思えません。
なぜなら、こうしたからかいは、犬の攻撃心をあおるための練習をしているようなものだからです。少し厳しい意見かもしれませんが、こうした興奮、高ぶり、駆け引きは恋人とするのみとし、あなたを信頼して決して裏切らない犬にはしなくても良いのはないでしょうか。
まとめ
いかがでしたか。「最愛」の犬のヤキモチ。嫉妬心。小さな餅から大きな餅までをご紹介してきました。嫉妬は愛情のバロメーターではありません。
もし、犬がヤキモチを焼き始めたら、することはただ一つ。ヤキモチの原因を見つけ、ふたりで早めに消化してしまうことです。そうすれば、のどに詰まったり、胃もたれになることはありませんからね。