愛犬と一緒に食べられる野菜はたくさん!
犬は適量のドッグフード(総合栄養食)と新鮮な水が与えられていれば、必要な栄養素をバランスよく摂取することができます。でも時には、健康によい野菜を愛犬と一緒に食べたいですよね。
肉食寄りの雑食動物である犬は、中毒を起こすネギ類などの一部を除き、野菜を食べても大丈夫です。犬と一緒に食べられる野菜はたくさんありますが、今回はその中から5つご紹介します。
それぞれおすすめの食べ方も解説しますので、ぜひ参考になさってくださいね。
犬と一緒に食べられる『野菜』は?
1.さつまいも
さつまいもの主成分は炭水化物で、大切なエネルギー源となります。炭水化物以外にも利尿作用のあるカリウム、抗酸化作用のあるビタミンCやE、便秘対策になる食物繊維など栄養豊富。
しかしさつまいもはカロリーや糖質が高いため、日常的に与え過ぎると肥満に繋がります。また、さつまいもにはシュウ酸が含まれています。
シュウ酸を多く摂取すると、シュウ酸カルシウム結晶による尿路結石を引き起こすことがあります。特に、シュウ酸カルシウムを原因とする尿路結石になったことがある犬は要注意です。
さつまいもにはカリウムも豊富に含まれているため、腎臓病を患っている犬はさつまいもを控えたほうがいいでしょう。カリウムが正常に排出されずに血中カリウム濃度が上がり、心臓に影響を及ぼす恐れがあります。
食物繊維も多く含み便秘がちの犬におすすめなさつまいもですが、食べ過ぎると胃腸に負担がかかってしまうので注意しましょう。
犬には茹でる、蒸すなどしっかりと加熱し、大きいサイズのままだと喉に詰まらせる危険があるため、一口大のサイズに切ってあげましょう。
さつまいもの皮にも栄養がたくさん含まれています。よく加熱してあれば、皮ごと食べさせても大丈夫です。ただしあまり消化によくないので、お腹が弱い犬には皮を剥いて与えたほうがいいでしょう。
2.キャベツ
キャベツは92.7%が水分ですが、ビタミンやミネラルが豊富に含まれた栄養価の高い野菜です。
キャベツに含まれる『キャベジン』とも呼ばれるビタミンUは、荒れた胃を正常に整えたり、胃の粘膜を保護したりする作用があると言われています。食物繊維も含まれているので、便秘対策にもなります。
キャベツはアブラナ科の野菜です。アブラナ科の野菜には『ゴイトロゲン』という甲状腺腫誘発物質が含まれています。ゴイトロゲンはヨウ素の吸収を阻害し、甲状腺ホルモンの生成を抑制してしまうため、甲状腺疾患の犬にキャベツを与えるのは避けたほうがいいでしょう。
尿路結石になりやすい犬にもキャベツはおすすめできません。その理由は、シュウ酸が含まれているからです。またカリウムも含まれているので、腎臓が悪い犬は摂取量に注意しましょう。
基本的には、生でも加熱しても犬に食べさせることができますが、どちらの場合も細かく刻んで与えましょう。栄養面で考えれば生のほうがおすすめですが、消化があまりよくありません。お腹が弱い犬には、加熱したものを与えたほうがいいでしょう。
茹でる場合は、水溶性ビタミンが水に溶け出ないように短時間にするのがおすすめです。電子レンジで加熱するとビタミンが溶け出ません。
3.にんじん
βカロテンや食物繊維が豊富なにんじんは、抗酸化作用や便通改善が期待できます。ただし与え過ぎると、βカロテンの過剰摂取により、肝臓に負担がかかる可能性があります。また、食物繊維の摂り過ぎで下痢や嘔吐を起こす場合もあります。
にんじんは加熱すると消化しやすくなります。茹でてからすり潰したり、細かく刻んだりしてあげるとよりよいです。皮も与えても大丈夫ですが、農薬が心配なのでよく洗いましょう。
すりおろして与えるのもおすすめです。消化吸収がよく、加熱するよりも効率的に栄養を摂取できます。
4.大根
94.6%が水分の大根は食物繊維やカリウムが豊富。根の部分に『イソチオシアネート』や『アミラーゼ』を多く含んでいます。
イソチオシアネートは抗酸化作用や抗菌作用がありますが、辛味成分でもあります。与え過ぎると胃腸を刺激し、下痢や嘔吐に繋がることがあるので注意を。アミラーゼはでんぷんを糖に分解する消化酵素で、消化をサポートしてくれます。
大根もキャベツと同じくアブラナ科の野菜。甲状腺疾患の犬には与えないほうが安心です。
根の部分は皮を剥いて細かく刻んだり、すりおろしたりして犬に与えましょう。生でも加熱してもOK。葉に近い部分のほうが辛味が強くないので、犬にはその部分を与えるのがおすすめです。
ビタミンやミネラルが豊富な葉の部分も犬に与えられますが、加熱して細かく刻んだものを与えましょう。
5.かぼちゃ
ビタミンCやE、βカロテンのほか、食物繊維、鉄分なども含む栄養豊富なかぼちゃ。犬にとって有益な野菜と言えますが、与え過ぎはには要注意です。肥満に繋がるだけでなく、ビタミン過剰症や消化不良を引き起こすこともあります。
犬には、加熱してやわらかくなったものを与えましょう。茹でたり蒸したりして加熱することで、消化がよくなり甘みも増します。
皮の部分も与えても大丈夫ですが、硬いので十分加熱する必要があります。種は有毒ではないものの消化が大変悪く、胃腸の中に引っかかってしまい腸閉塞を引き起こすことがあります。与えないようにしましょう。
まとめ
今回は、犬と一緒に食べられる『野菜』を5つご紹介しました。体によいからといって、ご紹介した野菜を愛犬にたくさん与えてしまうと逆効果になります。愛犬の適量を確認して、与え過ぎないようにしましょう。
また愛犬に持病がある場合は、与えないほうがいい野菜もあるので、獣医師に確認してから与えるようにしてください。
初めて与える野菜は少量からスタートしましょう。そして様子を見て異常がなければ、次回から少しずつ量を増やしていきます。もし下痢や嘔吐、体のかゆみなどがの症状が出た場合は、動物病院を受診しましょう。
愛犬と一緒に食べられる野菜は、ご紹介したほかにもたくさんあります。ぜひ調べて、いろいろな野菜を愛犬と味わってくださいね!