️人間の数百万倍！鋭い嗅覚
わんこの鼻の能力を語るうえで、その鋭い嗅覚を避けて通ることはできないでしょう。わんこの嗅覚については諸説ありますが、人間の数百万倍とも言われています。
動物は嗅細胞という細胞で匂いを感知しており、これは鼻腔すなわち鼻の穴の表面にあります。わんこの鼻の穴の表面積は人間に比べるとおよそ50倍以上広くなっているため、それだけ嗅細胞の数も多くなります。
また人間にはないヤコブソン器官という副嗅覚器官を持っていることも、わんこの嗅覚を鋭くしている理由の1つと考えられています。
1.人間の捜索・追尾で活躍する
わんこの嗅覚の鋭さについては諸説あるとご紹介しましたが、匂いの種類によっても鋭さに違いがあります。
その中でも特にわんこが得意とするのが汗などの酸臭を嗅ぎ分けることで、酸臭についてだけいえばその嗅ぎ分け能力は人間の1億倍とまでいわれます。警察犬が犯人や行方不明者の捜索でしばしば大きな成果を上げるのは、この能力のためでしょう。
2.人間の緊張状態を読み取る
よく「わんこは犬を苦手な人と好きな人がわかる」と言われますが、実はこれも嗅覚によるものです。
わんこは人間の汗の匂いでその人の心理状態や緊張状態を判別できることがわかっています。わんこを目の前にして緊張の汗を掻いていれば、その人はわんこが苦手というわけです。
3.病気を嗅ぎ分ける
嗅覚で活躍する使役犬といえば警察犬や麻薬探知犬などが有名ですが、人間の病気を嗅ぎ分ける使役犬がいることをご存じでしょうか。それがガン探知犬や低血糖探知犬です。
前者はガン細胞が放つ特殊な匂いを嗅ぎ取りガンを発見する能力が、後者は糖尿病患者の汗の匂い等から低血糖状態を感知するとされています。いずれもまだ研究段階の側面もありますが、すでに患者に寄り添って活躍しているわんこもいます。
️まさに赤外線センサー！熱感知能力
そして近年の研究で新たに明らかとなり、注目を集めているのが、わんこの鼻の熱感知能力です。この能力を証明した研究の出発点は「わんこの鼻はなぜ湿っているのか」という誰もが一度は考えたことのある問いでした。
わんこの鼻の湿り具合については昔から「鼻が湿っていれば健康」と言われているような健康状態を判別する役割や、「鼻を湿らせることで空気の流れを感じやすくし、匂いの発生位置をとらえやすくしている」という役割が昔から考えられていました。
今回の研究が明らかにしたのは、更に「鼻を冷たくすることで対象との温度差を大きくし、熱をより感知しやすくする」という役割だったのです。
1.離れた位置からも温度の違いを判別できる
この研究では、わんこから1.6メートル離れた位置に温度の異なる2つの物体を置き、温かいほうを選ばせるという実験が行われました。
匂いで判別できないよう、物体は無臭かつ磁気テープで巻かれていましたが、被験体であるわんこたちは常に温かいほうの物体を選びました。これはすなわちわんこの鼻が赤外線センサーのように機能し、離れた位置からでも物体の温度を判別することができたということです。
2.獲物の体温で位置を把握する
この能力は野生の捕食者として狩りをするときに大いに役に立ちました。獲物の匂いだけでなく獲物の体温を感知することにより、遠くからでも獲物を発見しその位置を把握することができたのです。またこの能力は食べものの鮮度を確かめる際にも役に立ったと考えられます。
️まとめ
いかがでしたでしょうか？わんこの熱感知能力を発見した研究者は今回の研究成果を発表するに当たり、人間と犬の長い歴史について触れ、今回の発見が歴史上初めての発見であると述べました。もしかしたらこれからもわんこの知られざる能力がどんどん発見されていくかもしれません。
