子犬期に「吠える必要はない」と認識させることが大切
犬を飼う上で、多くの飼い主が「なるべく無駄吠えしないように育てたい」と考えていると思います。特に日本は住宅が密集している地域が多いため、近所迷惑にならないようしつけをきちんと行う必要があります。
犬が吠える理由としては、大きく分けて2つあります。1つは「要求吠え」です。何かして欲しいことがあるときに、気持ちを伝える手段として吠えてしまいます。
2つ目は不安や恐怖心からくる「警戒吠え」です。何か自分に危機が迫っていると感じたときに、その対象を威嚇するために吠えてしまうことがあります。
どちらも犬としては自然な本能的行動と言えますが、人間と一緒に暮らしていく上で直していかなければいけません。なるべく吠えないように育てるためには、まずこの理由を突き止め、それらに対応、あるいは改善してあげるような育て方を心がける必要があります。
少しずつ愛犬の気持ちを汲み取り、適切な対応を取ることで、犬は「吠えなくても飼い主さんは理解してくれる」「吠える必要はない」と学習し、吠えにくい犬へと育ちやすくなります。
性格や理由に合わせて!『吠えすぎない犬』に育てるための方法
『吠えすぎない犬』に育てるためには、「吠える必要はない」「吠えても意味がない」と学習させることが重要です。犬の性格や吠えてしまう理由を理解した上で、それぞれに合った方法を実践しましょう。
1.多くのことを子犬期から経験させる
警戒心を弱めることで、不安や恐怖を感じにくくなり、吠えすぎない犬へと育てることにもつながります。そのため、子犬期から多くのことを経験させることが有効です。
散歩をいろいろなルートで試してみたり、いろんな犬や人と触れ合ってみたり、いろいろな音や匂いに触れてみたり…。犬には様々な性格の子がいるので、その子のペースに寄り添いながら、できるだけ多くの経験を積ませてあげましょう。
2.不安や恐怖の対象を早めに取り除いてあげる
もしも愛犬が不安や恐怖を感じることで吠えてしまうのであれば、不安や恐怖の対象を早めに取り除いてあげることも必要です。不安や恐怖を察知し、飼い主がすぐに対処してあげることで、「吠えなくてもどうにかしてくれる」と認識できるからです。
「吠える必要はない」「不安そうに見つめるだけで理解してくれる」と学習すれば、その後、吠える頻度は徐々に減り、吠える以外の方法で不安や恐怖を伝えてくれるようになります。
3.要求吠えは無視する
「これがしたい」「こうしてほしい」という気持ちを伝えるために吠える犬も多いです。特に子犬期は可愛らしい声で「キャンキャン!」「クゥ〜ン」と泣いて訴える犬が多いですが、これはかまわず無視するようにしてください。
少々かわいそうに感じるかもしれませんが、要求吠えに応えてしまうと「吠えたら対応してくれた!」「かまってくれた!」と学習してしまいます。次からも吠えて気持ちを伝えようとするため、無駄吠えがなくならない原因となってしまうのです。
要求吠えをした時はかまわず無視するようにし、吠える行為をやめてから「どうしたの?」と声をかけたり対応したりしてあげましょう。
4.運動不足にならないよう十分な運動をさせる
犬の無駄吠えの原因の1つに運動不足も挙げられます。きちんと毎日適切に散歩へ連れて行っている場合は問題ありませんが、仕事が忙しくてなかなか行けていないという場合は、運動不足によるストレス吠えかもしれません。
特に小型犬は散歩に行かなくても問題ないという記事や情報を見かけます。しかし、小型犬であっても散歩することで得られるメリットは多いです。そのため、1日1〜2回、1回15分〜30分程度は散歩が必要だと考えておきましょう。
5.適度な距離感と信頼感で安心感を持たせる
吠えすぎない犬に育てるためには、飼い主と愛犬との正しい距離感も意識したいところです。
常に一緒にいるような共依存状態では、飼い主の姿が見えなくなった時に寂しさから吠えてしまう恐れがあります。反対にスキンシップが足りないと不安や寂しさ、また自分の身を自分で守らなければいけないという警戒心から、吠えグセがついてしまうこともあります。
このような間違った関係性を生まないよう、日頃から適度な距離感と正しいコミュニケーション方法で常に安心感を持てるように育てることも大切です。
まとめ
いかがでしたか。吠えすぎない犬に育てるためには、犬に「吠えなくても大丈夫」と認識させることが何より大切です。日頃から愛犬が安心して過ごせるような接し方やスキンシップを心がけ、少しずつ吠えグセを改善していきましょう。