見逃さないで!犬が『横座り』する原因3つ
普段とは違い、愛犬が足を左右どちらか一方にずらして座る『横座り』をしていることはありませんか。お姉さん座りやセクシーポーズとしてSNSにアップされていることもありますが、実はこの座り方には病気が隠されていることもあるのです。
1.楽な姿勢としてクセになっている
犬が『横座り』をする理由として、その座り方が癖になっているというケースがあります。
今日だけその座り方をしているのではなく、頻繁にこのような座り方を見せている場合、また特に足を気にする様子や歩き方に違和感がない場合、犬自身が「この座り方がリラックスできる」と感じている可能性があります。
ただし、頻繁に横座りをして見せているという例は、他に足腰に病気を抱えている犬も同じ行動を見せます。足腰の動きに違和感がなくても、一度動物病院でレントゲン撮影をしてもらうなど診察してもらうと安心です。
2.股関節形成不全
犬が横座りをしている原因として、股関節形成不全が考えられます。犬の中でも特に大型犬に見られることの多い疾患で、股関節にある寛骨臼というくぼみが浅かったり、寛骨臼と大腿骨頭のはまりがうまくいっていないことが原因で炎症が起こる病気です。
股関節の骨が変形することによりかみ合わなくなってしまい、痛みを感じるようになってしまいます。その結果、起き上がる時に起き上がりにくそうな様子を見せたり、遊びや散歩を嫌がるといった様子を見せたりします。
また動きにくそうにする以外にも、お尻を左右にフリフリと振るような仕草も股関節形成不全の特徴です。「可愛い」と見逃さず、動物病院で診察してもらいましょう。
3.膝蓋骨脱臼
犬が横座りをするときの原因として、膝蓋骨脱臼という症状も考えられます。名前の通り膝蓋骨が本来あるべき場所から外れてしまい脱臼してしまう症状を指します。この疾患は犬に比較的よく見られる症状で、特に小型犬に見られることが多いです。
膝蓋骨脱臼は4つのグレードに分かれており、グレード1では一度「キャン!」と甲高い痛そうな鳴き声を上げた後は、特に異変を見せないため気付かれないこともあります。
しかし、そのまま放置していると徐々に脱臼の症状が進行してしまい、最終的に歩くことが困難な症状を引き起こす危険性もあります。少しでも症状が疑われる場合や、よく「キャン!」と甲高い鳴き声を上げるという場合は、かかりつけの動物病院で診察、相談しましょう。
愛犬の『横座り』は病院で相談を!日常生活にも配慮して
愛犬が普段とは違い横座りをしている様子を見せたとき、もしかすると足腰に痛みや何らかの違和感を感じているかもしれません。
そのまま放置していると症状が悪化してしまう可能性もあるため、なるべく早めにかかりつけの動物病院に相談し、レントゲン撮影などをしてもらいましょう。
初期症状の場合は鎮痛剤や運動制限、生活改善などの方法を実践することで進行を遅らせる処置が取られますが、重症の場合は手術が必要になるケースもあります。
日常生活の中で飼い主はこんな対処を!
犬が横座りする股関節形成不全や膝蓋骨脱臼を起こした場合、飼い主は日常生活の中で以下のような点に気をつける必要があります。
- ごはんやおやつは適切な量を与える
- 激しい運動は控える
- 家の中を足腰に負担がかからないように工夫する
前述した疾患は、足腰に負担がかかる行為を禁止しています。ごはんやおやつを与えすぎると肥満につながり足腰への負担も増加するため、ごはんやおやつの量は適正量に設定しましょう。
また、足腰に負担がかからないよう、愛犬の体格に適していない激しい運動は控えてください。フローリングや高い位置からの飛び降りなども足腰に負担がかかったり、転倒したりするリスクがあるため、マットを敷くなどの対処を施しましょう。
まとめ
いかがでしたか。犬が横座りしていると「いつもとは違う座り方をしている!」とちょっぴり可愛らしく感じる人もいるでしょう。しかし、今回紹介したように股関節形成不全や膝蓋骨脱臼が疑われるので、一度動物病院で診てもらってください。