いまだに時々に見かける犬を店頭に繋いでおく行為
最近では一昔前より見かける頻度が少なくなりましたが、それでも依然として散歩中に犬を店先につなぎ、そのまま放置状態で買い物をする飼い主の姿を目にします。
こうした飼い主たちは、愛犬を店先に置き去りにする行為を当たり前のように行っていますが、実はこの行為は犬にとっても周囲の人にとっても大きなリスクをはらんでいます。
犬を店頭に繋いでおくことで起こるリスクとは
犬を店先に繋いで買い物をする飼い主が後を絶ちません。この行いにはさまざまなリスクがあることを理解しておく必要があります。ここでは犬を店頭に繋いでおくことで起こるリスクについてお話します。
1.他のお客さんに飛びかかり怪我をさせる
普段はおとなしい犬であっても、突然慣れない場所に繋がれ飼い主においていかれた不安、そして周りに知らない人が大勢いる警戒心からパニックを起こすことがあります。
すると、近くを通りかかったお客さんに対して飛びかかってしまったり、吠え掛かってびっくりさせてしまったりとさまざまなリスクを引き起こします。吠え掛かり驚かせてしまったことで、相手が転倒し怪我をしてしまえば、大きなトラブルにつながりかねません。
また、中には犬が好きで飼い主の許可なく触ってしまう人もいます。特に小さなお子様は興味を持ち、触ったり近寄ったりしようとするため、その行動に犬が怯えてしまい吠えたり飛びかかったり、最悪の場合、噛んで怪我をさせてしまうリスクもあります。
2.熱中症や脱水症状などの恐れ
夏場は店頭に繋いでおくことで熱中症や脱水症状に陥るリスクも考えられます。日本の夏は酷暑と言われるほどひどい暑さを記録するため、犬たちにとっても屋外は非常に酷な環境下です。
いくらお店のサンガードなどで日差しを遮っているからといって、外気の温度は30℃を軽く超える日も珍しくありません。
「水を置いているから大丈夫!」というわけではありません。単純に酷な暑さの中に放置すること自体が犬にとって虐待とも言える行為なのです。絶対にやめてください。
3.飼い主がいない恐怖から脱走してしまう
犬にとって家以外の場所は自分のテリトリーではないため、1匹で置いていかれると心細い気持ちになったり、飼い主が見えない恐怖からパニックを引き起こしたりする可能性が考えられます。
犬はお店に入った飼い主が必ず帰ってくるという確信を持てていないことも多いため、飼い主が自分の慣れていない場所で姿を消してしまった恐怖から、思わぬ力でリードを引きちぎり、脱走してしまうケースも過去には報告されています。
脱走してしまうと、飼い主と一生会えなくなる可能性もありますし、パニックにより脱走しているため、途中で事故に遭ってしまう恐れもあります。興奮状態から他人に怪我をさせてしまう可能性も考えられるため、これだけでも多くのリスクを抱えていることがわかります。
4.捨てられたと勘違いされセンターに連れていかれる
可能性の1つとして、周囲の人が置いてきぼりにされている犬を心配し、保健所などに連絡してしまうという可能性も考えられます。
捨てられたと勘違いされてしまったり、暑い中、あるいは寒い中放置されたことで、「かわいそう」と動物愛護センターに連絡してくれる人がいるのです。
すると、飼い主が買い物をしている間に連れていかれてしまい、飼い主が戻った時には愛犬がいなくなっていた…という事態に陥る可能性も0ではありません。
特に長時間買い物でその場を離れていると、こうしたケースが起こりやすくなるため、店頭に繋ぎっぱなしにする行為はやめるべきです。
5.他の人に連れ去られてしまう
最近は飼い主のしつけによって飼い主以外にも人懐っこい表情を見せる犬も多くいます。そのため、起こりやすい事件として誘拐が挙げられます。
少し目を離した隙に、一見優しそうな人が近づいてきて、おやつなどで犬を引き寄せそのまま連れ去ってしまうという卑劣な行為です。周囲の人は飼い主が誰か知らないため、「あの人が飼い主なのかな?」と少し気にとめるだけで見過ごしてしまうことが多いです。
連れ去られてしまった犬は、保健所などに届けられることもないため、ほぼ再会できる可能性はありません。最悪の場合、愛犬が残酷な目に遭わされる危険性もあるのです。
こうした恐ろしい事件から愛犬を守るためにも、少しの間とはいえ店先に放置する行為は厳禁です。
まとめ
いかがでしたか。「まさか、うちの子に限って」という思いを持つ飼い主も多いでしょう。しかし、実際に今回紹介したケースは過去に報告されています。
いつあなたの愛犬が同じ目に遭うか、またはトラブルを引き起こしてしまうかわかりません。店頭に繋いで目を離す行為は絶対にやめましょう。