犬と暮らせば
犬は不思議な生き物ですよね。見ているだけでホッコリとした優しい気持ちになりますし、撫でるとさらにウットリとした気分になります。彼らはいつも私たち人を笑顔にさせてくれるスーパースペシャルな相棒といえますね。
そんな語りつくせないほどのパワーを秘めた犬とのスキンシップには、どんな効果があるのでしょうか。さっそく見てまいりましょう。
スキンシップで生まれる良い効果5つ
1.笑顔で免疫力アップ
犬を撫でていると、意識をしなくてもいつのまにか笑顔になっていませんか。笑いが免疫力をアップするというのはあまりに有名な話ですが、犬は、何気ないしぐさやちょっとした表情で、私たち飼主に計算のない笑いを生み出してくれます。
そうして笑顔の頻度が多くなることで、リラックス効果をもたらし、精神神経系、内分泌系、免疫系に安定と活力を与えてくれているというわけです。
2.血圧低下
「最近、血圧が高めで…」といったお悩みをお持ちの方は、ぜひお読みください。
犬と触れ合っていると交感神経がオフになり、代わりに心身をリラックスへと導いてくれる副交感神経がオンになるという研究結果があります。副交感神経が優位になると心拍数が落ちるために、血管が緩んで血圧も低下するというメカニズムだそうです。
実際にオーストラリアで行われた実験では、飼主と犬を一旦別々の部屋に入れておいてから再会させると飼い主の心拍数は20ポイントもダウンしたといいます。アメリカ心臓協会も心臓病予防の見地から犬などのペットを飼うことを推奨しているということですから、私たちは犬にふれることにより、知らず知らずのうちに犬に血圧コントロールまでしてもらっているのかもしれないですね。
3.恋愛ホルモン!?
犬とスキンシップをすることにより、いくつかの癒しホルモンの分泌が高まることはあまりにも有名ですね。例えばオキシトシンは幸せホルモンとも呼ばれ、多幸感を与えてくれる物質です。次にセロトニンという分泌物は、イライラやストレス、疲労感の軽減に作用するホルモンです。
最後にフェニルエチルアミンですが、これは天然の惚れ薬として有名な脳内物質です。フェニルエチルアミンには脳の働きを鈍らせる働きがあり、ストレスの軽減に効果があることが分かっています。主に恋をすると分泌されるものですが、犬と触れ合うことでも産生されるなんて驚きですね。
4. .認知症にアプローチ
日本では1995年あたりからでしょうか。老人ホーム、小児病棟、ホスピスなどに犬を連れて訪問する「アニマルセラピー」という活動が行われてきました。
わたくしも実際にこの活動に携わってきましたが、ある老人ホームを訪問した際のこと。それまでムスっとして感情の無いかのような表情を浮かべた入居者の方が犬を膝に抱いたとたん、みるみるうちに表情が生き生きと変わり、最後には涙を流しながらその方が昔飼っていた犬の名前を呼び続けていた、という出来事がありました。
職員さんの話では、犬に触れるという刺激によって過去の記憶が呼び戻されたのだろう、と。認知症を患うとうつ症状や無気力、暴言や暴力行動も見られることが多いそうです。しかし、犬に触れることでドーパミンやエンドルフィンなどの神経物質が分泌され、それらの症状に改善が見られるということでした。
5.犬にも効果
ここまではスキンシップによって犬が人へもたらす効果を挙げてまいりましたが、恩恵を受けるのは人ばかりではありません。犬にとってもまた良い効果があります。例えばこんなことです。
- 皮膚病の早期発見
- 関節痛など痛みのポイントの把握
- 身体のあちこちを触られるトレーニング
- 乳腺腫瘍など腫瘍の早期発見
- マッサージで新陳代謝
- 愛情確認
などなど
まとめ
さて、いかがでしたか。ここまでを外出先や勤務先でご覧になった方は、今日は残業せず急いで家に帰りたいような気持ちになったことと思います。温かく、優しいその身体をいち早くなでて抱きしめてあげてください。彼らも、あなたとスキンシップをする時間を待ちわびているはずですよ。犬との暮らしって、やはり最高ですね。