いつまで経っても愛犬との距離が縮まらない
家で過ごす時間が増え、念願の犬との暮らしを始めたものの、いつまで経っても愛犬との距離を縮められない。
ともすると、愛犬が怯えているように見えることもある、などと悩んでおられる飼い主さんはいらっしゃいませんでしょうか。
飼い主さんにその気はなくても、飼い主さんの行為に対して愛犬が怖がってしまうことがあるのです。
どんなに愛犬の立場で考えようとしても、人は犬ではありません。ましてや新米の飼い主さんであれば、ある程度仕方がないかもしれません。
今回は、知らず識らずの内にしてしまっているかもしれない、愛犬を怖がらせる飼い主さんのNG行為をご紹介します。ご自身の今までの行動を振り返ってみる参考にしてみてください。
1.怖い場所に連れて行く
犬は大きな音、特に空気を振動させるようなお腹に響く大きな低めの音を怖がります。有名なのが、雷や打ち上げ花火の音です。
飼い主さんには全く悪気がなくても、犬がこれらの音を怖がることを知らない場合は、知らず知らずのうちに愛犬を怖い場所に連れて行っているかもしれません。
例えば、工事現場です。
いつもの散歩コースで工事が始まったことを気にせずに、いつも通りに工事現場のすぐ近くを散歩していないでしょうか。
また、犬は側溝のような場所を怖がる場合もあります。吸い込まれるような気がするのかもしれません。
そういった事に気付かずに一緒に散歩をしていると、本来は楽しいはずのお散歩も、愛犬にとっては怖い外出になってしまう場合があります。
いつもの散歩コースにこだわらずに、状況に応じて臨機応援にコースを変えるなどの配慮をしてあげましょう。
2.突然大きな音や振動を発する
少し感情の起伏が激しい飼い主さんの場合、気分を害した時に大きな声で怒鳴ったり、机や床を拳や足などでドンッと叩きつけたりするかもしれません。
これらの行為も、前項と同じ理由で愛犬を怖がらせている可能性があります。
この場合は、飼い主さんご自身が犬にとって怖い存在になってしまいますので最悪な状況です。
どんなに感情が昂ぶっても、こういう行為はしないように気を付けましょう。
特に、愛犬がイタズラをした場合などに愛犬に向かって大声で怒鳴ったり、愛犬の目の前の床をドンと踏みつけたりしてしまうと、その恐怖感を愛犬から消し去るのは難しいかもしれません。
3.上から覆いかぶさるような仕草
犬の視線からすると、人間はとてつもなく巨大な怪物のような存在に見えるかもしれません。
そんな巨人が自分に覆いかぶさるように近寄ってくるのは、犬にとって恐怖以外の何物でもないでしょう。
愛犬を撫でようとして、愛犬の様子を確認するためなどであっても、その意図は愛犬には伝わりません。
決して、愛犬の上から覆いかぶさるような体勢で近づかないように気を付けましょう。
なお、まだ迎えたばかりで慣れていない犬の場合は、正面からまっすぐに近付くのは避けましょう。
緩くカーブを描くように近づき、飼い主さんの身体を外側に開くように斜めにしゃがむと安心してくれます。
4.驚かさない
徐々に慣れてきて、少し激しめの遊びができるようになってきた場合に気をつけていただきたいのが「遊び方」です。
わざと愛犬を驚かせて遊ぶようなことは絶対に避けた方が良いでしょう。
中にはそれを遊びだと理解して一緒に楽しめる犬もいます。
しかし大抵の犬は、急に予期していなかったことが起こると怖がってしまうことが多いようです。
たった1度驚かせてしまったことで、常時緊張して過ごしてしまう犬もいますので注意が必要です。
こういった遊びは、愛犬の性格を見極めてからにしましょう。
5.初めてのことや好きではない場所を触る
愛犬もそろそろ飼い主さんとの新しい生活に慣れてきたようだと感じ始めた時にこそ、気を付けたいことがあります。
それは、初めての体験や、触られたくない場所を触らなければならない時です。
初めてのことは、犬ではなくても怖いですよね。
ましてや犬にとっては、飼い主さんが何のためにそんな事をしようとしているのかを理解できません。
お手入れやマッサージなどのためにお腹を触ったり、仰向けに寝かせたりという場合は慎重に行いましょう。
歯磨きや爪切り、ブラッシング、シャンプーなど、迎えたばかりの愛犬にとってされたくないことがたくさんあります。
中には、「そこを触られるのは嫌だ!」と愛犬が嫌がる部位を触らなければならない場合もあります。
我慢強い犬はじっとしているかもしれません。しかし実際には、怖い思いをしている可能性もあります。
焦らずに少しずつ、時間をかけて慣らしていくようにしましょう。
まとめ
今回は、飼い主さんにその気がなくても、いつの間にか愛犬を怖がらせているかもしれないNG行為をご紹介しました。
こんなことをしたら怖がってしまうかもと臆病になってしまうと、飼い主さんとしてやるべきことを果たせなくなってしまいます。
自分勝手にあれこれと考えすぎるのではなく、愛犬の様子を見て判断しましょう。
愛犬が怖がっている時に見せるサインには、下記のようなものがあります。
- ハウスなどの安心できる場所に逃げ込む
- しっぽが下がる、しっぽを内股に挟む
- 耳を寝かせる
- 小刻みに震える
- 腰が引けたような姿勢になる
- 唸ったり吠えたりする
こういったサインに注目して、愛犬の気持ちを汲み取れるようになりましょう。