犬の嗅覚はスゴイ!
犬の嗅覚は人の数千〜1億倍と言われており、犬の五感の中で最も優れてるのは嗅覚です。ニオイは、鼻腔(空気の通り道)の嗅上皮(鼻腔の上部にある嗅覚器官)にある嗅細胞によって感知されます。
人の嗅上皮の面積は3〜4c㎡ですが、犬の嗅上皮は18〜150c㎡です。そして嗅上皮にある嗅細胞の数は、人が500万個なのに対し、犬は2億5千万個〜30億個もあるといいます。
このような優れた嗅覚を持つ犬だからこそ、嫌いなニオイにも敏感に反応し、ストレスを感じてしまうことがあります。愛犬にストレスや不快感を与えないために、犬が大嫌いな『ニオイ』を知っておきましょう。
犬が大嫌いな『ニオイ』は?
1.酢
酢は、どの家庭にも常備してある調味料のひとつかと思います。酢のニオイを直接嗅ぐと、人でも鼻にツーンときますよね。嗅覚が鋭い犬には強烈な刺激臭であり、酢は犬が大嫌いなニオイの代表と言えるでしょう。
2.柑橘類
オレンジやグレープフルーツ、レモンなどの柑橘類も犬が大嫌いなニオイです。柑橘類の皮に含まれるリモネンのファイトケミカル(野菜や果物などに含まれる植物性化学物質)が犬の嗅覚に不快感や刺激を与えます。
芳香剤やアロマに、爽やかな柑橘系の香りを選ぶ人は多いのではないでしょうか。飼い主さんにはよい香りでも、愛犬には刺激臭かもしれないので注意が必要です。
ちなみに、柑橘類の実の部分にはリモネンは含まれていません。そのため、柑橘類の外皮を取り除いた実の部分なら喜んで食べる犬は多いです。
3.アルコール
犬はアルコール自体も、そのニオイも苦手です。飲酒後にアルコールのニオイをプンプンさせて愛犬にしつこくしたりすると、嫌われてしまうかもしれません。
犬はアルコールを分解できません。アルコールをペロッと一舐めしたり、ニオイを嗅いだりしただけでも、フラフラになってしまうこともあります。摂取量によってはアルコール中毒を起こし、命にも関わります。
興味本位や面白半分で、愛犬にアルコールを飲ませるのは絶対にやめましょう。また、愛犬が誤ってアルコールを飲んでしまうことがないように注意が必要です。
4.タバコ
タバコの煙は刺激臭であり、犬はそのニオイを嫌います。タバコの煙に鼻が刺激されるのか、わが家の愛犬は散歩中に歩きタバコをしている人とすれ違うと、くしゃみを連発します。
タバコの煙は犬にとって大嫌いなニオイなだけでなく有害です。副流煙が犬の発がんリスクを高めたり、心臓や呼吸器、皮膚などの病気の一因になったりします。
5.マニキュア
揮発性溶剤を含有するマニキュアは強い刺激臭を発し、このニオイを嫌う犬は多いです。あの独特なニオイが苦手という人も少なくないでしょう。
マニキュアを落とす除光液にも揮発性溶剤が含まれています。マニキュアを塗るときや落とすときは、愛犬のいない部屋で行うようにし、しっかり換気をしましょう。
6.香水
犬は化学物質の人工的なニオイを嫌います。自然界には存在しないニオイを警戒し、嫌うのです。
そのため人工的に作られた香水のニオイは、多くの犬が苦手とします。香水のニオイが強い人には犬が近寄らないこともあります。整髪料や制汗剤、柔軟剤なども同じです。
まとめ
今回は、犬が大嫌いな『ニオイ』を6つご紹介しました。嫌いなニオイには個体差があります。ですから愛犬がご紹介したニオイを嗅いでも全然平気だったり、ご紹介した以外のニオイを嫌ったりすることもあると思います。
取りあえずは、犬は基本的に刺激臭と人工的なニオイが苦手、と覚えておくといいでしょう。嫌いなニオイを嗅ぐことは、犬のストレスになります。愛犬の様子から嫌いなニオイを見極め、そのニオイはなるべく避けるようにしてあげましょう。