「イエロードッグプロジェクト」とは
イエロードッグプロジェクトとは、黄色いリボンを目印としてつけて「近づかないで」「そっとしておいてね」というメッセージを周りに示す取り組みです。
2016年にスウェーデンではじまったイエロードッグプロジェクトは、アメリカやカナダ、オーストラリアなど徐々に世界中に広まっていきました。
日本ではまだあまり黄色いリボンをつけた犬を見かけることは少ないかもしれませんが、少しずつ認知度が上がってきている取り組みです。
黄色いリボンをつける4つの理由
散歩中に犬を見かけると「可愛い!」と近づいたり撫でることもあるかと思います。
しかし中には、さまざまな事情から近づかないで欲しいと思っている犬もいるのです。
言葉で伝えられない代わりに、黄色いリボンをつけて「そっとしておいて」とメッセージを伝えています。
犬が黄色いリボンをつける主な理由を4つご紹介します。
1.健康上の問題
健康上の問題から黄色いリボンをつけるというのが理由の一つです。
ケガをしていたり手術後の回復期は無理に動くと悪化してしまう可能性があります。
近づいて無理に動かさないで欲しいという思いから、黄色いリボンをつけるのです。
2.トレーニング中
トレーニング中だからそっとしておいて欲しい場合にも、黄色いリボンをつけます。
盲導犬や聴導犬がトレーニングで街を歩いていることがあります。
トレーニング中に近づかれたり話しかけられると犬の集中力が切れてしまい、訓練の妨げになってしまうのです。
3.社会復帰の訓練中
社会復帰の訓練をしている目印として黄色いリボンをつけている場合もあります。
子犬の頃に社会化がきちんと身についていなかったり、虐待などのトラウマで人に慣れないといった理由から、人間社会に馴染むためのトレーニングを行うことがあるのです。
社会復帰の訓練をしている最中の犬にいきなり近づいたり触ってしまうと、強いストレスを感じてパニックを起こしたり襲いかかってくる可能性もあります。
4.他の犬や人間が怖い
他の犬や人間が怖いという理由で黄色いリボンをつける犬もいます。
恐怖だけでなく、好奇心が強い犬も他人や犬に対して過剰に反応してしまう場合もあります。
不用意に近づくことで吠えられたり噛みつかれて大きなトラブルになってしまう危険もあるでしょう。
そういったトラブルを防ぐためにも「近づかないで」という意思表示として黄色いリボンをつけるのです。
リボン以外の黄色いものをつけている場合もある
イエロードッグプロジェクトでは基本的に黄色いリボンをつけますが、黄色いバンダナや缶バッチをつけている犬もいます。
黄色いアイテムがすぐに目につきやすいようリードや首輪につけていることが多いです。
街中や散歩中に他の犬に出会ったときには、黄色いアイテムを身につけていないかチェックする習慣をつけてみてください。
黄色いリボンやバンダナをつけている犬と出会ったときには、「近寄らない」「道をあける」などの行動を心がけましょう。
イエロードッグプロジェクトが広まることで、さまざまな個性や事情をもつ犬がより生きやすい社会をつくっていくことができますよ。
まとめ
イエロードッグプロジェクトの概要や黄色いリボンをつける理由をご理解いただけたかと思います。
海外で生まれた取り組みですが、日本でも少しずつ広がりを見せています。
街中で黄色いリボンをつけた犬を見かけたらそっとしておいてあげてくださいね。