️知ってますか?わんこのオシッコの成分
わんこのオシッコすなわち尿は、95パーセント以上が水分でできています。他に尿素、アンモニアなど代謝によって生まれた老廃物が含まれます。尿pHは4.5から7が一般的とされ、酸性を示しています。成分構成やpHは人間のものとほとんど変わりません。
️気をつけて!オシッコが与える悪影響
ここで確認しておきたいのは、オシッコの成分から考えてもわかるように「健康な1頭のわんこがした1回のオシッコが即効性をもって環境に何らかの悪影響を与えることはほぼない」ということです。
問題となるのは、不特定多数の(もしくはある1頭の)わんこが同一箇所に度重なる回数のオシッコをかけた場合です。この問題が発生しやすくなる背景には、わんこの特性が大きく影響しています。
まず1つは、わんこは同じ場所で排泄をしたがるという点です。トイレトレーニングの場合にはこの特性を有効活用できますが、オシッコによる害を考える場合にはかえって問題の根源となります。
もう1つがマーキングです。わんこは自分の優位性を示したり、存在をアピールするために、他のわんこがオシッコをした箇所に自分のオシッコをかけて情報を上書きしようとします。
これらを繰り返した結果、特定の箇所にオシッコが集中してかけられ、さまざまな悪影響を招いてしまうのです。
1.建築物への影響
一時、わんこのオシッコが原因で信号機が倒壊したというニュースが世間を騒がせました。実はこういった事象は全国で時おり発生しています。
とはいえ木造やコンクリート造などさまざまな材質の建築物全てに悪影響というわけではもちろんなく、こういった被害のほとんどは鉄製の建築物に限られます。
オシッコがたびたびかけられることにより、オシッコに含まれる塩分と水、酸素が鉄を錆びさせ、早ければ3か月から半年で倒壊するほどまで腐食が進んでしまうのです。
2.植物への影響
わんこの中には草むらでないとオシッコをしないという子も多いもの。ですがわんこのオシッコには植物を枯らしてしまう危険性もあります。
公共道路に面した植え込みや花壇でガーデニングをしている方々にとっては特に大問題ですから、マナー啓発を呼びかける貼り紙や看板を見たことがある人も多いでしょう。
他人様の庭でオシッコをさせないのは、オシッコが植物を枯らすどうこう以前の最低限のマナーですが、中には「オシッコって肥料になるんだからいいんじゃないの?」と思っている人もいるかもしれません。
これは大きな間違いです。確かに動物の糞尿を利用したたい肥は存在しますが、これは糞尿を発酵させて作っているものであり、発酵前の排泄物にはそのような効果はありません。むしろオシッコに含まれる塩分によって植物を枯らしてしまうので注意が必要です。
3.他のわんこへの影響
すでにご紹介したように、健康なわんこのオシッコには有害な成分は含まれていないため、もし他のわんこのオシッコに触れたり舐めてしまったりしたとしても、直接的な影響はほぼありません。
ただ、飼い主さんとしては見ていて気持ちが良いものではありませんし、衛生的にも不安な気持ちになってしまうでしょう。
また、オシッコの主が何らかの感染症や病気を抱えていた場合には、オシッコの中に細菌が含まれてしまっている可能性もあります。万が一の影響も考え、他の子のオシッコには触れさせないよう注意するべきでしょう。
️正しいオシッコの処理方法とは
愛犬家のみなさんの多くが「オシッコをしたら水をかける」というマナーを実践していると思いますが、実は計算上、水をかけるだけではしっかり処理ができているとは言い難いのです。
水をかけることによってオシッコが薄まるのは事実なので、悪臭を防ぐという観点では全く無駄な行為ではありません。
ですが、オシッコの成分そのものを無害な状態まで薄められるかといえば、ペットボトルの水を少しかけたくらいでは無意味です。むしろオシッコを広範囲に広げてしまうというデメリットすら叫ばれています。では一体、どうしたらよいのでしょうか?
お散歩の本来の目的とは?
オシッコの害を防ぐための答えはただ1つ、「外でオシッコをさせない(オシッコをかけさせない)」ということです。「そのためのお散歩なのに!」と反論したくなる気持ちはわかりますが、そもそもお散歩の本来の目的は排泄なのでしょうか。
外でしか排泄ができないという子も少なくないですし、そういった子たちにとっては目的の大きなところを排泄が占めるのは間違いではありません。ですが本来のお散歩の目的はわんこの必要運動量の確保であり、匂いを嗅ぐことによる情報収集にあります。
そもそも室内トイレで排泄をするようにしつける、また、どうしても外で排泄する場合にはペットシーツを広げてその上にさせる、マナーベルトやマナーパンツをはかせるといった配慮が本来は必要なのです。
️まとめ
いかがでしたでしょうか?わんこのオシッコによる被害が相次ぐと、自由にお散歩させることもままならなくなり、愛犬家の私たちにとっては息苦しい社会になってしまうかもしれません。
わんこのオシッコが与える影響を正しく認識し、排泄のあるべき形を再確認することが求められています。