『マテ』は犬の代表的な基本動作の1つ
犬にトレーニングをする際、「おて」や「おすわり」「ふせ」と並んで「マテ」という基本動作を教える飼い主さんは多いです。
犬に「マテ」をトレーニングしておくことで、散歩中や遊んでいる最中など、興奮状態になってしまった際に一旦落ち着かせることができます。散歩中の飛び出しを事前に防ぐことにもつながるため、「マテ」は教えておくべきと言えるでしょう。
また散歩中、歩幅を合わせるために先に進もうとする犬に「マテ」を使ったり、室内でいたずらをした犬に対して「マテ」することでいたずらを止めたりと、至るシーンでしつけとして活躍してくれます。
犬を『マテ』しすぎていない?考えられる3つのデメリット
一般的に多くの飼い主さんが犬の基本動作の1つとして教えている「マテ」ですが、無意味に「マテ」をさせ過ぎていると、ある3つの大きなデメリットが生じる恐れがあります。
1.待たされている対象への執着が強くなる
「マテ」をする際、必要以上に長い時間「マテ」を行っていませんか。あまり長々と「マテ」をし続けていると、待たされていることへの執着心が強くなる傾向があります。
例えば、ごはんを与えた時に食べる前「マテ」をさせるとします。この時、必要以上に長く「マテ」をさせ続けていると、「ごはんを食べたい」という欲求が高まり、許可を得た時に強い執着心から早食いしてしまうケースが多いです。
このように、「マテ」の後に許可されたことで、待たされていた対象への執着心や独占欲が強くなり、しつけの上で違う面で悪い影響を及ぼす可能性があるのです。
2.飼い主に対する反抗心が強くなる
「マテ」を何度もさせたり、必要以上に長く「マテ」をさせてしまったりすると、その理不尽さやストレスから「なんでまだマテしないといけないの?」と、飼い主に対して反抗心が強くなる犬もいます。
正しくトレーニングをしていれば、「マテ」をされること自体にストレスを感じる犬は少ないです。しかし、それが長くなればなるほど、また頻繁に「マテ」を指示されると、「なんで?」と理不尽さを感じる犬は多いです。
飼い主に対する不信感にもつながり、信頼関係が少しずつ崩れてしまう原因にもなるので、愛犬の「マテ」を見たいからと執拗に「マテ」させるのはやめましょう。
3.ストレスから『マテ』に負のイメージがついてしまう
あまり「マテ」をさせ過ぎてしまうと、「またやらなくちゃいけないの?」「まだダメなの?」といった負の感情を抱きやすくなります。すると「マテ」という指示語に対してネガティブなイメージがついてしまう原因となります。
犬をトレーニングさせる際は、なるべく犬が楽しんでできるように工夫することが推奨されています。一度ネガティブなイメージがついてしまうと、気分が乗らなくなり、なかなか学習できなかったり、指示されるたびにストレスになってしまう恐れがあるのです。
日常の中で「マテ」という基本動作は比較的使用頻度が多いです。基本動作に対してネガティブなイメージがついてしまうと、愛犬のストレスも大きくなってしまいます。
『マテ』は必要な時に必要な時間だけ行うべき
上記で紹介したように、犬に「マテ」をさせ過ぎてしまうと、ストレス原因となったり、かえってしつけの面で悪影響を及ぼしたりする恐れがあります。
「マテ」は必要な時に必要な時間だけ行うことを意識してください。基本的に悪いことをしている時や散歩中の興奮による衝動的な行動を、事前に防ぐ目的で使用することが多いです。
ごはん前に行う人も多いですが、早食いに繋がったり本能的に強いストレス原因となったりする可能性が高いため、現在はごはん時の「マテ」はあまり推奨されていません。
また「マテ」をさせる時間の目安ですが、きちんと待つことができ、さらに飼い主とアイコンタクトを取ることができたら解除してあげましょう。必要以上に長く待たせる必要はありません。
まとめ
いかがでしたか。犬の「マテ」は基本動作の中でも代表的な指示語です。しかし、使い方を間違えるとしつけに悪影響を及ぼしたり、信頼関係を崩してしまったりと様々なデメリットが生じます。正しい使い道と使い方を意識してください。