ペット葬とは
犬や猫、兎などのペットたちの葬儀を行い、火葬し、お骨上げをし、霊園や納骨堂に埋葬・納骨することを、ペット葬といいます。
「自宅の庭に埋めればいいんじゃないの?」と思われるかもしれません。
ご自身の所有地であればそれも可能ですが、そうでない場合は勝手に埋葬することはできません。
また犬は番犬として家の外で飼っていたという時代から、住宅環境さえ適していれば、大型犬も室内飼育をするのが普通になってきており、もはやペットではなく伴侶動物、番犬ではなく家族の一員だという考え方が浸透してきています。
そのため、愛犬を亡くした飼い主さんがペットロスでひどく苦しむことが多くなってきました。
愛犬を家族と同様に弔いたいという気持ちと共に、飼い主さんのペットロスを和らげる効果としても、ペット葬が急速に普及してきているのです。
お墓や葬儀の事前準備をしておくべき理由
1.その時がきたら冷静な判断は難しい
犬の平均寿命は人間よりもずっと短く、大抵の飼い主さんは、ご自身の愛犬を看取ることになるでしょう。
目の前にいる元気で可愛く愛おしい愛犬との別れの日など、考えたくないとは思います。
が、よく考えてください。パートナーと一緒に過ごす時間と別れた後の時間は、どちらが長いでしょうか。
人間の平均寿命を考えると、パートナーと別れた後の方が長くなるという飼い主さんが多いのではないでしょうか。
大切なパートナーと別れた後も、継続してきちんと供養したい、飼い主さんが亡くなられた後もパートナーを無縁仏になどしたくないと考えた場合、パートナーを亡くしてショックを受けている最中に、ベストな決定を下すのは難しいことです。
まだパートナーが元気なうちから、少しずつ準備をしておいた方が良いといえるのではないでしょうか。
2.供養方法が決まっていないと火葬もできない
愛犬を亡くした直後は、火葬のことしか頭にないかもしれません。
実は火葬の方法は、どのように供養したいのかによって変える必要があるのです。
例えば、個別のお墓にも合同墓にも入れないし、遺骨を手元に残す必要もないと考えておられるのであれば、お住いの自治体に火葬を依頼する方法でも問題がないでしょう。
しかし、なるべくお住まいに近い納骨堂や個別墓などに納骨・埋葬し、供養したいのであれば、ペット霊園に依頼するのが良いかもしれません。
また飼い主さんが亡くなった後に一緒のお墓に入りたいとお望みであれば、個別に火葬し、返骨してもらってしばらくはご自宅で供養され、その間に一緒に入れるお墓を見つけるといった準備が必要になるでしょう。
愛犬の供養の仕方は、時代とともに変化してきています。そういった動向も見据えながら、愛犬をどのように供養してあげるのかを決めておくことで、いざという時に、後悔しない、適切な火葬方法や業者を選べるのです。
少なくとも供養方法については、事前に検討しておくことをおすすめします。
3.望まれている供養を実現できる業者を選ぶ
実際の葬儀社や霊園に関しては、事前に選んでおいても良いし、候補をいくつか選んでおくのでも良いでしょう。
ただ、供養をお願いした霊園が途中で廃業してしまうということのないように、経営状況も含めていくつか候補を見つけておくことをおすすめします。
また、ペットの供養方法についても時代とともに変化していますので、常に情報をキャッチしておくと良いでしょう。
かかりつけの動物病院が業者を紹介してくれる場合もあります。ずっとお世話になっていた病院の紹介なので、信用できる業者ではあると思いますが、その場合もご希望されているサービスを提供しているかどうかはきちんと調べておきましょう。
4.必要な費用の幅が大きい
業者や火葬方法、お墓や納骨堂の種類・形態などにより、必要となる費用の幅がとても大きいということも意識しておく必要があります。
ご自身が亡くなった時にパートナーのお骨も一緒のお墓に入りたいという場合も同様で、個別のお墓にするのか、樹木葬にするのかなどで、必要な経費が全く違ってきます。
極端な言い方かもしれませんが、その場になって必要な費用が足りずに、思い通りの供養ができなくなってしまわないようにするためにも、事前にどういう供養方法にして、そのためにはどういう方法で火葬してもらうのかといったことを決めておくと安心です。
5.葬儀や供養に失敗するとペットロスから抜けられないことも
供養は、亡くなったパートナーのためにするものです。それはもちろんなのですが、実はパートナーを亡くした飼い主さんのためのものでもあるのです。
亡くなったパートナーを火葬し、葬儀を行い、ご自身の望まれた形で供養するということで、ペットロスを軽減することができるからです。
こういった一連の行為とその後に供養を続けることで、少しずつ時間をかけて、飼い主さんが悲しみを乗り越えていけるのです。
そのためにも、事前にいくつかの業者とコンタクトを取り、親身になって相談に乗ってくれるスタッフの居る業者を選ぶのも良いでしょう。
まとめ
家族の一員であるパートナーが亡くなった後のことは考えたくないという飼い主さんもいらっしゃると思います。
しかし、いざその日を迎えたら、どんなに覚悟を決めていたとしても、冷静に判断できる状態にはなれないかもしれません。
悔いなくパートナーを供養しながら暮らしていくためには、事前にパートナーのお墓や葬儀について検討し、準備をしておくことが最も確実な方法でしょう。