犬が顔や頭を掻く理由
犬にとって身体を掻くという行動はどんな理由があるのでしょうか。
その理由は、大きく分けると身体的な理由と心理的な理由に分けられます。
1.「かゆーい!」という理由
人間は身体がかゆいと手を使ってあちこち掻きますね。犬も同様に、身体がかゆければ前脚や後脚でかゆい部分を掻きます。
顔や頭も同じで、何らかの理由で一時的に「かゆみを感じた」ために掻いていることがほとんどでしょう。
何らかの理由としましたが、顔回りを掻く理由として挙げられるのが皮膚の乾燥や皮膚炎、目に異物が入ったりした刺激です。こ
れらの刺激は強ければ痛みとしてあらわれますが、弱い場合は「かゆみ」になるため「掻く」行動として観察されます。
また春や秋の換毛期などは、毛が抜けかわるわずかな刺激で肌がちくちくしてかゆくなったり、あるいは抜けた毛が毛玉になりかけて不快だったりすることで、ひっきりなしに顔回りを掻くこともあります。
身体的な理由の場合は一次的なかゆみであればそれほど気にすることもありませんが、繰り返し掻くことで怪我をしたり皮膚炎などが悪化することもあります。
ちょっと頻繁に掻いているなと思ったら、掻いている部分をよく観察してあげてください。
2.「ちょっと困ったー」という理由
人の場合も精神的に落ち着かないことがあると顔を触る癖が出る人も多いのではないでしょうか。
犬の場合も同様で、何らかのストレスを感じている場合やちょっと人にかまってもらいたい時などんい顔回りを掻くことがあるようです。
特に後ろ足で頭や顔回りを掻いた後、ぶるぶるっと身体を震わせる仕草を見せる子はいませんか?
その場合、犬は相当なストレスを受けていて気分を変えるため、ちょっとリラックスしたいと身体を震わせているのです。
ストレスから気をそらせるための、犬のカーミングシグナルですね。
また前脚で顔を掻いている場合、ちょっと退屈でつまらなかったり、飼い主さんの気を引こうとしていたりすることがあるようです。
顔を掻いているときに「どうしたの」と声をかけることが多い飼い主さんの場合は、犬はそれを覚えていて、構ってほしいときに顔を掻くようになるともいわれています。
病気の可能性について
犬が頻繁に顔回りを掻いている場合、一次的なかゆみだけでなく何らかの病気の可能性もあります。
特に多いのが皮膚炎や結膜炎、あるいは外耳炎です。
皮膚炎を起こす理由はいくつかあります。食物などのアレルギーやノミ、ダニといった寄生虫の影響、あるいは細菌の感染などもあるでしょう。
かゆがっている部分を観察して、皮膚が赤くなっていたり毛が抜けていたりする場合は獣医さんの診察を受けてください。
顔の横の辺りや目の部分を繰り返し掻いていて涙が出ているときは結膜炎の可能性もあります。
充血していたり目ヤニなどの症状が出ていることもあるので、これも早めに獣医さんの診察を受けましょう。
どちらかというと側頭部や後頭部を気にするように掻いている場合、外耳炎の可能性もあるでしょう。
特に垂れ耳の犬種に多い病気で、耳の内側に炎症が起こってしまいます。強いかゆみや黒っぽく臭い耳垢が出るのが特徴です。
頭を掻いたり振ったりすることが頻繁なようでしたら、これも獣医さんへ相談してください。
まとめ
犬が顔や頭を掻く場合、そのほとんどはかゆみやストレスといった一時的な理由からと考えられます。
しかし何らかの理由がありますので、飼い主さんが気が付いてあげられると、かゆみの原因を取り除いてあげたり環境を整えてあげるきっかけになりますね。
ひっきりなしに掻く場合は病気の可能性もあるので、放っておかずに早めに動物病院を受診しましょう。