犬を見た目で選んで飼った時に考えられるリスク
1.毛の色が変わる
犬の毛の色は変化するため、子犬の頃の毛の色を気に入って飼うと後悔することがあります。
毛の色の大きな変化は成長期に起こりやすいです。例えば、生後3カ月頃に家族に迎えた時は顔の毛が真っ黒だったのに、1歳になる頃には真っ白に変化したという実例があります。
血統証明書に表記されている毛の色は、その犬が生まれた時の毛の色です。成犬になった時の毛の色を保証するものではありません。
子犬の成長過程での毛の色の変化はメラニン色素の影響によって起こりますが、色が濃くなるタイプ・色が薄くなるタイプ・色が全く別の色に変わるタイプなどあります。
「黒っぽい犬が良かったのに白っぽい犬になったから手放す」なんてことがあってはなりません。
犬を毛の色の見た目で選んで飼うのはやめましょう。毛の色が変化しても変わりなく愛情を注げる飼い主でなければなりません。
2.毛が伸び続ける
見た目で選んで飼うと大きなリスクを負いやすく、誤解されやすいのがトイプードルやマルチーズです。
みなさんがよくご存知のあの見た目は毛をカットされた状態です。カットしなければどこまでも伸び続けます。
ほとんどの場合、月1回のトリミングへ行き、適度な長さにカットされています。
長毛種には2つのタイプがあります。トイプードルやマルチーズのような毛が伸び続けるタイプ、ポメラニアンやパピヨンなどの一定の長さにしか毛が伸びないタイプです。
飼育放棄されて伸び続けた毛が毛玉の塊となってしまったとあるトイプードルは体重が9kgありました。そのうちトリミングによって取り除かれた毛玉の重さは3kgだったそうです。
毛が伸び続ける犬種であることを知らずに飼っては大変です。
見た目で選んで飼うにしても毎月のトリミングに連れて行く時間や費用があるかどうかも考えなければなりません。
3.好みが変わる
犬を見た目で選んで飼うと好みが変わるというリスクがあります。人の見た目の好みは必ず変わります。
今はポメラニアンや柴犬のようなふわふわで可愛らしい犬を好んでいても、数年後にはドーベルマンやピットブルのような勇ましく強面な犬を好むかもしれません。
犬の寿命は10年~18年くらいでしょうか。飼い主も同じように歳を取ります。
若い頃は一緒にスポーツや運動を楽しむことができる中型犬~大型犬を好んでいても、高齢になると膝の上に抱っこしていられるような小さな犬を好むようになることがあります。
自分のライフスタイルや好みに合わせて犬も飼い替えるなんてことは絶対にしてはなりません。
結婚や出産をするかもしれない、引っ越しをするかもしれないなど、10年20年先のことも考えながら犬を迎える準備をする必要があるのです。
4.問題行動に悩む
犬を見た目で選んで飼ってしまった人の中には、愛犬の問題行動に悩む飼い主が多いです。
ある程度の問題行動はしつけで解決できます。飼い主や家族で解決できない場合には、ドッグトレーナーや犬の訓練士などプロに任せても構いません。
しかし、犬の本能や習性による問題行動は100%完全に解決できるとは限りません。
例えば、番犬や警護をする使役犬というグループに属する犬は警戒心が強く、吠えやすいです。
巣穴に住む小動物を狩るなどのテリア種というグループに属する犬は小動物を追いかけやすいです。うさぎやハムスターとの同居は難しいでしょう。
嗅覚ハウンドというグループに属する獣猟犬は吠える声がかなり大きく、近所迷惑になりやすいです。
視覚ハウンドというグループに属する追跡捕獲型の猟犬は走力に優れており、お散歩中にリードを手放してしまうと飼い主では追いかけられません。迷子になりやすく、交通事故の原因にもなりかねません。
見た目で「この犬がいい!」と感じた場合には、飼う前にその犬の原産地・歴史・特性など、十分な情報を得た上で飼うようにしましょう。
実際にその犬種と暮らす先輩飼い主の話を聞くのもおすすめです。
まとめ
犬を見た目で選んで飼った時に考えられるリスクを4つ解説しました。
- 毛の色が変わる
- 毛が伸び続ける
- 好みが変わる
- 問題行動に悩む
犬はアクサセリーではありません。ぬいぐるみでもありません。命です。
自分自身を大切にすることと同じくらい犬のことも大切にできなければなりません。絶対に見た目だけで選んで飼わないでください。
見た目で選んで飼ったとしても愛犬が生涯を終える時まで、愛情を持ってお世話してあげてください。
歩けなくなる、寝たきりの介護生活になるなどの覚悟も必要です。