️悪いことをしても叱らない
少し前から人間の教育業界では「叱らない子育て」が取り沙汰されていますが、実はわんこのトレーニング業界でも「指示に従えなかった場合でも過剰な罰は与えない」というトレーニング方法が主流になってきています。
この「叱らない」育て方については悪い面もあれば良い面もあるのですが、わんこに関していえばやはり「叱る」ことはとても大切です。
トレーニング前のわんこは良いことと悪いことの区別がつきません。それはこの「良いこと・悪いこと」が、あくまで人間社会で生きていくうえでの分別だからです。人間社会で飼い犬として生きていくうえで「悪い」とされることをしたら、「それはイケナイ」としっかり叱って教えてあげなければなりません。
この指導が不足していたり、人や時によって態度が曖昧だったりすると、わんこはいつまで経っても良いことと悪いことの区別ができず、人間社会では「ダメ」と見なされてしまいます。
「叱る」と「怒る」は違う
ただし注意したいのは、「叱る」と「怒る」は別物であるということです。「叱る」というのは正当な理由があったうえでの理性的な指導ですが、「怒る」は相手の正否にかかわらず感情に任せて相手を非難することです。
わんこを「叱る」ことは必要不可欠ですが、理不尽に「怒る」ことはあってはなりません。わんこは萎縮してしまい、警戒心が強くなりすぎたり心を開いてくれなくなったりする恐れがあります。
️要求にすぐ応えてしまう
かわいい愛犬のおねだり、あなたはどう反応していますか?うるうるの瞳で期待のまなざしを向けられると、どうしても断ることができずについ…というのはNG行為。
いつでも何でもわんこの要求を通しているとわんこは「おねだりすればいつでもおやつを貰える!」「いつでも遊んでもらえる!」と勘違いしてしまい、最終的には「自分が最優先される存在なんだ!」と思い込んでワガママ放題になってしまいます。挙句の果てには、無駄吠えなどの要求行動もエスカレートしていってしまうのです。
要求は無視か一呼吸置いてから
わんこが要求行動をしてきた場合、そしてそれが要求に応えられないタイミングやシチュエーションである場合には、とにかく無視を心がけましょう。
無視するのは心が痛みますし、特に無駄吠えを放置するのは忍耐も必要ですが、愛犬をワガママわんこにしないために心を鬼にしましょう。
また要求行動に対して「だめ!」「こら!」などと声をかけるのも厳禁です。わんこは「叱られた」と認識するのではなく「反応してくれた!」と認識し、成功体験として受け取ってしまうからです。
要求に応えられる状況になったら、すぐにおやつをあげたり遊んであげたりするのではなく、まずは「オスワリ」「フセ」などの指示を与え、一呼吸おいてクールダウンさせてから、指示に従えたごほうびとしてかまってあげるようにしましょう。
️社会化を十分に行わない
他のわんこや家族以外の人間と交流させ、相手との距離の取り方や上手なかかわり方を学ぶことを「社会化」といいます。社会化は一般的にパピー期が適齢期といわれ、本来であれば親犬やきょうだい犬との交流の中で自然と身に着けていくものです。
ですが、低月齢のうちに親きょうだいと引き離されてしまった場合には、飼い主さんが意識して社会化を行ってあげる必要があります。社会化が十分でないと、相手との距離感がわからずにケンカになってしまったり、逆に警戒心が強くなりすぎて家族以外の相手を受け入れられなくなったりしてしまいます。
家族の中では懐っこくて可愛い存在でも、他の人やわんこから見たら「危険なダメ犬」と認定されてしまうかもしれません。
周囲の協力を得ながら社会化を
社会化には周囲の協力が不可欠です。家族以外の人におやつをあげてもらう、家を訪問してもらって遊んでもらうなど、他者への恐怖心を取り除くことから始めましょう。
どうしても難しい場合にはひとりで悩まずに、ドッグトレーナーなどプロの手を借りるのも1つの方法です。家族からだけでなく周囲からも愛されるわんこにしたいものですね。
️まとめ
いかがでしたでしょうか?わんこの物覚えの良さや警戒心の強さは犬種や個性に依存するのはもちろんですが、だからといって「生まれながらにダメダメでどうしようもない」わんこはほぼいません。
わんこをどんな成犬に育てるかは飼い主さんの手腕にかかっているといっても過言ではないのです。愛犬を「ダメダメ」にしないためには、一緒に暮らす人間側がしっかり学ぶ必要があります。