オフィスで働く人のコロナ検査の新しい手法
コロナ禍のせいで多くの企業がオフィスを閉鎖して在宅勤務を取り入れたのは記憶に新しいところです。世界各地でそろそろ元の勤務体系に戻そうという流れになりつつあります。
しかし、オフィス内でのクラスター発生を防止するため、従業員に対して何らかのチェックを行う必要があり、それが企業にとって悩みの種になっています。
そのような状況の中、アメリカのペットグッズの会社であるBARK社が精度が高くて手順が簡単な検査として、2匹のビーグルを「雇用」して話題になっています。
ビーグルが探知犬に選ばれた理由とは?
BARK社に雇われたビーグルたちは、医療用の匂い探知犬を訓練する非営利団体バイオ・セントが、フロリダ国際大学の探知犬プログラムと協力しあって育成訓練されました。
完全に訓練を終えた犬は98%の精度で、コロナ陽性を嗅ぎ分けることができるそうで、これはほとんどのPCR検査よりも高い数字です。
さらに、探知犬たちは感染がPCRテストに現れる前とPCRテストに出なくなった後でさえ、探知することもできる頼もしさです。
嗅覚の優れた犬種と言えばブラッドハウンドやバセットハウンドがいますが、この2犬種は身体が大きく威圧感があります。
対してビーグルは優れた嗅覚に加えて小型で人々を怖がらせる可能性が低いという点で採用されました。
コロナ探知犬による検査の手順とは?
ビーグルたちによる検査はとても簡単です。犬が検査対象の人に近づいて陽性だと判断すれば、その場で座り、陰性であればそのまま歩き去ります。鼻や喉を綿棒で拭うよりもずっと快適で簡単です。
ただし残念ながら、犬によるCOVID-19の検査は国家認定されていません。ですから正式な処置は犬が陽性と判断した人を他の人から迅速に引き離してPCR検査することで確認する必要があります。
フロリダ国際大学とバイオ・セントの研究チームは、COVID-19以外にも犬が様々な病気を検出する研究を実施しています。
中でもガンの研究には力を入れて取り組んでいますが、これは犬をガンの検出装置にするのではなく、犬がどのようなメカニズムで病気の匂いを把握しているのかを明らかにして、ガン早期発見のためのより良いテストを作成することが狙いなのだそうです。
まとめ
アメリカのBARK社が従業員のコロナ検査のために、2匹のビーグルを探知犬として採用したという話題をご紹介しました。
犬を訓練した研究者は「会社に行くと犬が出迎えてくれて、陽性だった時にはその場ですぐに判明してしまうというのは、人の多いコンサートなどに行くのを控えたりする抑止力になる可能性がある」と述べています。
何はともあれ、毎日ビーグルが出迎えてくれるとなれば会社に行くモチベーションはグッと高くなりそうで、その点はうらやましい気がしますね。
《参考URL》
https://fortune.com/2021/10/16/covid-sniffing-dogs-canine-detection-barkbox-bioscent/
https://www.bioscentdetectiondogs.com
https://gfjc.fiu.edu/research/detector-dogs/index.html