犬の『睡眠時間』が短いときの問題点5選!原因や解決法とは

犬の『睡眠時間』が短いときの問題点5選!原因や解決法とは

睡眠は、動物が生きていくためにとても大切なものです。もちろん犬にとっても大切なものです。犬にとって、十分な睡眠がとれなくなると、どのような問題が発生するのでしょうか。一過性ではなく、継続的に睡眠不足の状態が続いた場合に犬にとってどのような問題が発生するのか、またその原因や解決法についても説明します。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

睡眠中に体の中で起こっていること

飼い主に抱かれて眠る犬

動物にとって、生きていくために睡眠はとても大切です。体を休め、さまざまな部位のメンテナンスをするからです。

具体的には、睡眠中に体の中で下記のことが行われていることが分かっています。

  • 各種ホルモンが分泌されて疲労を回復し、細胞の再生を促す
  • 食欲を調節する
  • 免疫力を向上させる
  • 自律神経のバランスを整える
  • 日中の体験を記憶として整理し、脳内の老廃物を取り除く

上記は主に人の睡眠の研究で明確になりましたが、犬の睡眠も人の場合と概ね同じ役割を果たすと考えられています。

犬の睡眠時間の目安

熟睡する犬

個人差はありますが、人の睡眠時間は概ね6〜8時間が目安です。人の睡眠時間と比較すると、犬の睡眠時間はかなりの長時間に及びます。

<犬の睡眠時間の目安>
 子犬=18〜20時間
 成犬=12〜15時間
 老犬=18〜19時間

人間は1回の睡眠の中で、ノンレム睡眠(深い眠り)とレム睡眠(浅い眠り)のセットを90分程度の間隔で繰り返します。犬の睡眠サイクルは、16分程度の睡眠時間と5分程度の覚醒による21分程度のサイクルを繰り返します。

犬の睡眠もノンレム睡眠とレム睡眠のセットですが、人間と異なり8割程がレム睡眠であることも特徴の一つです。

犬の睡眠時間が短い場合の問題点

1.元気がなくなる

あくびをする犬

睡眠中には成長ホルモンが分泌されて、筋肉や骨、内臓、皮膚などのダメージを修復し、疲労回復します。

またメラトニンを分泌して抗酸化作用やがん、老化などを抑制し、コルチゾールの分泌で翌日の活動に備えます。

これらのホルモン分泌が抑制されてしまうと、疲労回復できずに元気がなくなり、体調の不良に繋がります。

2.肥満になりやすくなる

睡眠中は、脂肪細胞から食欲を抑制するレプチンが分泌されます。

睡眠不足でレプチンが減少すると、胃から分泌される食欲を増すグレリンが多くなり肥満になりやすくなります。

3.感染症に罹りやすくなる

牙をむく犬

睡眠中に分泌されるメラトニンには、胸腺に働きかけてTリンパ球の製造を促進する効果もあります。

Tリンパ球は免疫システムで重要な働きを担っているため、睡眠不足は免疫力の低下にも繋がります。

4.精神状態が不安定になる

きちんと睡眠を取ることで、自律神経のバランスが整えられます。自律神経は、活動時に優位となる交感神経と、回復時に優位になる副交感神経とからなります。

睡眠中は副交感神経が優位になることで血圧、心拍数、呼吸数、体温や代謝が低下して、疲労回復の促進や翌日のための体調整備を助けます。

この時間が短くなると自律神経のバランスが崩れ、思考力や気分を低下させ、精神状態を不安定にさせることもあります。

5.認知症を発症しやすくなる

老犬

睡眠中には、日中活動していた時に学習した記憶を整理し、必要な情報を脳に定着させ強化します。

また、脳の老廃物を脳脊髄液に排泄します。睡眠不足は、日中の体験が正しく記憶として定着されず、脳の老廃物を残してしまいます。

人の場合、脳の老廃物アミロイドβが脳に蓄積すると、アルツハイマー病の原因になることが分かっています。

犬もアルツハイマーのような病態を示すことがありますので、睡眠不足は認知症を発症させるリスクも高めると考えられます。

犬が睡眠不足になる原因と解決法

子犬の場合

子供と遊ぶ子犬

子犬は好奇心の塊です。目に映るもの全てに好奇心が湧き、いつまでも遊びに夢中になります。

またご家族も、子犬が可愛くてつい夜遅くまで一緒に遊んでしまうかもしれません。ご家族が、子犬に規則正しい生活をさせるようにしましょう。

なお、環境を整えたのに子犬がどうしても寝ない場合は、ケガをしてその部位が痛い、皮膚や耳にかゆみがある、お腹が痛い、吐き気がするなどの理由が考えられます。

これらが疑われる場合は、翌朝まで様子を見ず、すぐに動物病院に相談しましょう。

成犬および老犬の場合

犬の寝顔

あまり寝なくても、食欲や元気がある場合は一過性のことが多いので、あまり心配しなくても大丈夫です。

眠れない原因となっている不安やストレスを取り除き、安心して眠れる環境を整えてあげましょう。

睡眠時無呼吸症候群の場合は、慢性的な睡眠不足になる可能性が高いです。単頭種に多い病気ですが、肥満が原因でも発症することもあります。

寝ている時の呼吸が不自然である、大きないびきをかくなどの場合は、一度病院に相談してください。

また寝ないだけではなく元気も食欲もない場合は、心臓、腎臓、肝臓などの病気の可能性があります。この場合も、できるだけ早く動物病院で診てもらいましょう。

まとめ

目覚まし時計とアイマスクで寝るフレブル

夜なかなか寝られないのは一過性の場合が多いようです。飼い主さんが撫でて落ち着かせるようにしてみてください。

それでも寝ない場合は、少量の水や餌を与えて食欲を確認し、他の症状がないかを確認して病気の可能性を確認しましょう。

病気の可能性がある場合は、速やかに動物病院に連絡し、相談しましょう。

なお、日中ずっとひとりで留守番をさせている場合は、その間に寝すぎて眠れないという可能性もあります。

その場合は、留守番時に知育玩具などの夢中になれるおもちゃを与え、なるべく寝かせないようにする等の工夫が有効です。

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