犬の雪眼炎の症状
「雪眼炎(せつがんえん)」とは、雪が反射する紫外線によって目に影響をもたらす症状のことを言います。
雪の中を長時間お散歩していると、目に何等かの不快や異常を感じるようになります。短時間ではあまり影響を受けないとされています。
夏はアスファルトが反射する日差しや紫外線を気にされると思います。しかし、冬になると少し安心してしまいませんか?
実は真っ白な雪は、アスファルトよりも紫外線を反射する力が非常に強いです。そのため裸眼に炎症を起こすのです。それが雪眼炎です。
1.まぶしい
雪眼炎になると周りが急に眩しく見えるようになります。雪が反射する強い日差しと紫外線の影響を受けているためです。
目をシパシパとしきりに瞬きしたり、目を細めた状態のままで歩こうとしたりします。
雪の中を長時間お散歩する時の雪眼炎予防・対策はゴーグルやサングラスを着用することです。どちらも犬用があります。
ゴーグルの方がズレたり外れたりしにくく、犬も快適に着用することができると思います。
2.痒み
雪眼炎になると目の痒みを訴えます。目をシパシパとしきりに瞬きしたり、手で目の周りをゴシゴシ擦ったりします。
お散歩中は手に付着した汚れが目の中に入ってしまったり、爪で眼球を傷つけたりしやすいです。すぐにお散歩を終えて帰宅しましょう。
3.痛み
雪眼炎になると目の痛みを訴えます。
頭をブルブルとしきりに振ったり、手で目の周りをゴシゴシ擦ったり、痛みの原因を振り落とそうとすることでさらに症状が悪化する恐れがあります。
愛犬にそのような症状がみられたら、すでに眼球が傷ついている恐れがあります。すぐに動物病院へ行きましょう。
4.充血
雪眼炎になると目が充血します。痒みと痛みの両方を感じていると思われます。すぐに点眼薬や投薬によって炎症を抑えなければなりません。
結膜や角膜も確実に傷つけられているでしょう。すぐに動物病院へ行き、適切な処置を受けましょう。
5.角膜炎
雪眼炎になると「角膜炎」を併発する可能性が非常に高いです。
目の表面を覆っている膜を角膜と言いますが、日差しや紫外線の影響で炎症を起こすと、目をシパシパとしきりに瞬きしたり、涙や目ヤニの量が増えたりします。
放っておくと角膜が負った傷が深くなり、角膜腫瘍という病気にまで悪化してしまう恐れがあります。当然、痒みや痛みも強くなりますし、完治まで長い時間がかかります。
すぐに動物病院へ行き、適切な処置を受けましょう。
6.白内障
雪眼炎になると「白内障」を併発する可能性が非常に高いです。
6歳よりも若い年齢で発症すると若年性白内障、6歳よりも後に発症すると老年性白内障と呼ばれます。紫外線は老年性白内障を誘発しやすいとされています。
シニア犬になると自然と目が白く見えるようになりますが、水晶体が白くなるとすべてが白内障ではなく、老齢性変化の核硬化症の可能性があります。白内障も核硬化症も水晶体が白くなり見分けが難しいので、動物病院で診てもらいましょう。
白内障の場合は視力障害が起こるといわれていますが、核硬化症だけの場合は視力障害が起こることはほぼありません。白内障との違いをよく見極めなければなりません。
- 初発白内障
- 未熟白内障
- 成熟白内障
- 過熟白内障
このように進行しますが、ゆっくりと進行するため飼い主では気づきにくく、悪化すると手術をしなければ完治しません。
雪眼炎による白内障は点眼薬や投薬で予防できます。雪の中をお散歩する機会が多い愛犬には必ず予防・対策を行ってあげてください。
まとめ
犬の雪眼炎の症状を6つ解説しました。
- まぶしい
- 痒み
- 痛み
- 充血
- 角膜炎
- 白内障
雪が反射する紫外線は、アスファルトが反射する紫外線の16倍とされています。夏と同じくらい、もしくはそれ以上の紫外線対策が不可欠です。
雪の中をお散歩する時は愛犬にもゴーグルやサングラスを着用させましょう。
日差しや紫外線によって受けたダメージや炎症を抑えるための点眼薬を処方してもらうなどし、普段から予防・対策を行うようにしましょう。