犬にとって家族とはどんな存在なの?
一緒に暮らしていると家族に対する愛情は感じられるものの、犬に「家族」という概念はあるのだろうかと疑問に思うことはありませんか。そこで今回は犬にとっての、飼い主や家族の存在について考えていきます。
1.犬に「家族」という概念はあるのか
そもそも犬にとって「家族」という概念はあるのかという疑問についてですが、実はこの問いに関して答えが未だはっきりと解明されていません。
しかしある実験によると、多くの子犬は母犬と違うメス犬から母犬を好んで選んだという研究結果が発表されています。また、成長してから母犬の匂いが染み付いた一切れの布を渡してみると、やはりこちらも他のメス犬ではなく、母犬の匂いがついた布切れを選んだと言います。
このように「家族」という概念があるかどうかははっきりとわかりませんが、母犬に対して特別な感情や愛情を抱いていることは確かです。
2.犬は「家族」を他の人と区別できているの?
続いて、犬が私たち家族のことを他の人と何らかの基準で区別できているのかどうかという疑問が湧いてきます。実際、私たちが帰宅したり声をかけたりすると嬉しそうな反応を見せてくれるため、特別な存在として認めてくれているような気はするのですが…。
この疑問の答えとしては、家族を家族以外の人と区別できていると言えるでしょう。単純に「同じ家に一緒に暮らしている人」とそうでない人という基準も大きいですが、自分に対して「毎日良いことをしてくれる人」という基準も大きく影響しているものと思われます。
また、犬は家族をどのように他の人と見分けているのかという点に関しては、様々な感覚で区別していると考えられています。
例えば、優れている感覚器官として知られている嗅覚や聴覚を使って、家族とその他の人の声や匂い、さらには足音などから区別していると考えられています。
また、最近では家族を顔だけで判断できているという事実も判明しているため、私たち人間と同じように、パッと見ただけで「いつも一緒にいる人だ!」と見分けることができていると考えられます。
3.犬にとって家族はどのような存在なのか
では、犬にとって「家族」はどのような存在なのでしょうか。ここまでの知識を踏まえて考えると、「家族」という概念は持っていないものの、家族に対して特別な認識を持っていることは確かです。
犬はもともと群れで行動していた動物です。群れの仲間たちに対する思いはとても強く、忠誠心が強い点も野生時代の群れでの生活が影響していると考えられています。
現在は人間と共存している犬が大半であるため、群れで行動していた当時の「仲間」が現在の「家族」にあたる認識ではないかという説が濃厚です。
そのため私たちの家、犬にとってのテリトリーに他の人が入ってくると、吠えたり唸ったりして威嚇するような行動を見せる犬も多いですし、仲間である家族に対して愛情深い面を見せてくれるのだと考えられます。
家族は群れの仲間のような存在…「飼い主」は?
犬にとって、家族は群れの仲間のような大切な存在です。守るべき相手であり、守られるほど信頼できる相手とも言えるでしょう。
では、「飼い主」は犬にとってどのような存在なのでしょうか。大きく考えると、家族と同じような存在だと考えられますが、より深掘りしていくと、自身を守ってくれる頼れるお母さん的な存在なのではないかと考えられています。
また、群れで暮らしていた時代、群れには群れ全体を率いるリーダー的存在がいたとも考えられています。そのため、現在は犬にとって「飼い主」がそのリーダー的存在を担っているという説もあります。
つまり、犬にとって「飼い主」は、母親的存在でもあり、リーダー的存在でもあると考えられるのです。だからこそ、飼い主に甘えたり頼ったりするような行動を見せますし、飼い主の指示に従う姿を見せてくれるのでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は犬にとっての家族とは、そして飼い主はどのような存在であるかについて考えてきました。しかし、犬は言葉を話せないため、これはあくまで人間側から見た推測です。皆さんは、犬たちにとって家族とはどのような存在だと思いますか。