犬の肉球の構造
犬の肉球の正式名称は「蹠球(しょきゅう)」と言います。そしてパーツごとにも実は正しい名称があります。
まずはパーツごとの名称や肉球の構造についてご紹介します。
1.肉球の名称
肉球のパーツごとの名称は以下のとおりです。
- 真ん中の大きな肉球→掌球(しょうきゅう)/足底球(そくていきゅう)
- 指のようについている4つの肉球→指球/趾球(しきゅう)
- 手首の位置にある肉球→手根球(しゅこんきゅう)
2.肉球の色・硬さ
子犬の頃の肉球はピンクでやわらかい場合がほとんどですが、成長するにつれ黒く硬くなっていくことが多いです。
色は遺伝も関係しているので、子犬でも黒い場合や大人でもピンクの肉球をもつ犬もいます。
硬さは年齢だけでなく環境も関係があります。散歩で外を歩くことが増えるため、肉球もそれに伴って硬くなっていくのです。
3.肉球を構成している組織
肉球は他の部位と同じく「表皮・真皮・皮下組織」の3つの組織でできています。肉球の外側は角質化した厚い皮膚です。
しかし内側の真皮や皮下組織は、脂肪やエラスチンという弾性組織などで構成されています。
ぷにぷにとした独特の感触は、肉球が上記のような組織で構成されているからです。
犬の肉球の仕組み4つ
さて、肉球の構造がわかったところで具体的な仕組みを見ていきましょう。
1.体温を調節する
まず犬の肉球には「体温を調節する」という役割があります。基本的に犬はハアハアと口をあけて呼吸するパンティングによって、体温を調節しています。これは人間と違って全身に汗を出す汗腺がないからです。
しかし、犬の肉球には汗腺があります。パンティングだけでは体温を調節できない場合に肉球から汗を出し体温を調節するという仕組みです。犬の汗腺は肉球と鼻の頭にしか存在しないといわれています。
2.衝撃を和らげる
肉球には「衝撃を和らげる」という役割もあります。犬が走ったりジャンプするときの衝撃を吸収してくれるのです。
犬の肉球は、正六角形または正六角柱を並べた「ハニカム構造」になっています。このハニカム構造により体重を分散させ、負担を和らげる仕組みになっているのです。
3.地面の熱や冷気から守る
地面から伝わる熱や冷気から足を守る役割もあります。肉球を構成している組織は3つとお伝えしましたが、その中でも一番外側の表皮は分厚い角質で覆われています。そのため地面の温度を感じにくいのです。
また、肉球の中は動脈と静脈が通っています。冬のつめたい地面で静脈が冷えてしまってもすぐに動脈で温められるようになっているのです。
しかし、真夏のアスファルトは高温すぎて火傷してしまう可能性もあるので注意が必要です。日が昇りきっていない早朝や夕方に散歩するようにしましょう。
4.滑るのを防ぐ
肉球は滑るのを防ぐためのグリップ・ブレーキのような役割もあります。犬の表面は突起が集まってできているのでざらざらしています。
表面に突起があることで、犬が走るときや方向転換するときに地面と摩擦して滑りづらくなっているのです。
雪が積もった道を歩けるのも、この肉球の表面の突起があるからというわけですね。
肉球のケア方法
犬が健康に生きていくためにも重要な役割を果たしているのが肉球です。
しかし、地面に直接触れつづけている部位でもあるので、ケガや病気になってしまうこともあります。
愛犬の肉球を守るためにも以下のケアをきちんと行っておきましょう。
- 散歩が終わったら肉球を拭く
- 乾燥している場合は専用のクリームで保湿する
- 肉球の間の毛を定期的にカットする
まとめ
犬の肉球の仕組みについてご紹介しました。
見た目も可愛く触り心地も良い肉球ですが、犬にとって重要な役割を果たしていることがお分かりいただけたかと思います。
しかし、毎日じかに地面と触れているので傷ついてしまうこともあります。
大切な愛犬の肉球を守るためにも、普段からきちんとケアしてあげてくださいね。