犬は「人」をそれぞれ認識できる!
一般的に犬は視力が悪いと言われているため、人を顔で認識することができていないのでは?と考えられることがあります。
しかし、犬と一緒に暮らしていると、家族をそれぞれ区別していることがわかりますし、家族以外にもよく会う知人が来ると喜ぶ姿を見せるなど、「人」をそれそれ認識していると感じることも多いですよね。
実際、犬は様々な基準で人を判断し認識しているため、1人1人を区別しているとわかっています。親しい間柄であればあるほどその人を認識する判断要素が増えるため、より正確に認識することができます。
どこを見ているの?犬が人を認識する5つの判断基準
では、犬が「人」を認識するとき、どのような基準で判断しているのでしょうか。主に犬が見ている判断基準を5つご紹介します。
1.体臭
犬の嗅覚はとても優れているため、犬は感知した匂いで判断していることが多いと言われています。それは人に対しても同様です。
犬が「人」を判断する基準として、その人が持つ独特の体臭が1つの要素となっています。私たちが感知できない体臭も優れた嗅覚で感知するため、匂いで「〇〇が来た!」と瞬時に判断することができるのです。
2.身につけている人工的な匂い
犬が嗅覚を使って判断する要素は体臭だけではありません。実は、私たちが普段身につけている人工的な匂いも判断基準になっていると考えられています。
例えば、柔軟剤です。洗濯するときにご家庭で使っている柔軟剤の匂いを感知し、その人の体臭と合わせて総合的に判断することで、より正確にその人を認識することができています。
香水などの匂いも判断基準に入りますが、あまりに強い香水の匂いは犬にとって苦手意識を生んでしまうため、その人を避けてしまう傾向があるようです。
3.声のトーンやボリューム
犬が優れているのは嗅覚だけではありません。人間とは比較にならないほど優れた聴覚も「人」を判断する上で非常に重要な役割を担っています。
「人」を判断する際、その人の声音、声のトーン、喋る時のボリューム、話し方などが判断基準となっていると考えられています。犬は音に敏感なので、ちょっとした違いも感じ取ることができるからです。
ある実験でも、飼い主の姿が見えない状態で飼い主の声を流したところ、即座に反応し嬉しそうな様子を見せたという結果が出ています。このように、犬は声でその人を判断することができるのです。
4.足音やその人に関係する音
その人の声だけでなく、その人に関係する音ならば判断基準として認識されていることも多いです。よく判断基準となっている音に「足音」が含まれます。
遠くまで聞こえる聴覚を使い、足音の速度や靴の音、リズム感などを感じ取り、その人が近づいてきていることを認識する犬は意外にも多いです。よく飼い主の帰宅を事前に察知して玄関で待っているという行動は、これが関係しています。
他にも、その人が使っている車のエンジン音や走行音なども犬が判断する基準として含まれることが多いです。
5.顔もある程度判断基準に入る
犬の視力が悪いと言われていますが、顔もある程度判断基準に入っています。犬の視力は人間の視力に換算すると、0.2〜0.3と言われています。そのため、基本的にはぼやけた状態で、なおかつあまり色素のない色味として見えています。
しかし、それでも全く見えていないわけではないため、見慣れた飼い主の顔を他の人と区別することはできますし、その人の表情を見て感情を読み取る能力にも長けているのです。
まとめ
いかがでしたか。「こんなところまで見ているの!?」と思うような要素も判断基準に含まれていて、驚いた方も多いのではないでしょうか。
今回紹介したように、犬は聴覚、嗅覚、そして視覚などの様々な判断基準からその人を認識しています。ぜひ愛犬と接するときに、この知識を思い出してみてくださいね。