犬に最適な『温度』
目安はどれくらい?
犬に最適な温度の目安は21℃~25℃であるとされています。正確には犬の年齢や体格や被毛タイプによって最適な温度は異なります。
子犬はまだ体温調節が上手くできず、老犬は加齢によって体温調節が上手くできなくなるため、さらに少し高く設定するとよいでしょう。
小型犬と大型犬
小型犬の平熱は39℃くらい、大型犬の平熱は38℃くらい、ということから、大型犬の方が平熱が低い傾向にあることがわかります。
平熱を知ることで、愛犬に適切な温度を見極めやすくなります。防寒服は体格の小さな犬にも大きな犬にも必要な場合があります。
シングルコートとダブルコート
被毛タイプに関しては短毛か長毛かということよりも、「シングルコート」か「ダブルコート」かということに注目してみてください。
ダブルコートの犬はアンダーコートを減らしたり増やしたりすることで体温を調節しています。いわゆる「換毛期」と呼ばれるものです。
寒い季節にはアンダーコートが急激に増えます。冷えから体を守るためです。
この機能がシングルコートの犬には備わっていません。目安の温度よりも少し高く設定する、もしくは防寒服で対応するとよいでしょう。
犬に最適な『湿度』
目安はどれくらい?
犬に最適な湿度の目安は40%~60%であるとされています。より明確にしたい場合には愛犬の健康状態を把握しなければなりません。
皮膚病
犬は湿度が高いと皮膚病にかかりやすくなります。
犬の皮膚には「ブドウ球菌」という常在菌が暮らしていますが、湿度が高くなると過剰に繁殖し、感染率が高くなります。
被毛に覆われていることで皮膚が蒸れやすいことも理由のひとつです。
ブドウ球菌の過剰な繁殖によってかかりやすい皮膚病には「膿皮症」があります。
湿度が高くなると犬の皮膚に常在するマラセチアというカビの一種も過剰に繁殖します。「マラセチア皮膚炎」にも注意が必要です。反対に乾燥しすぎると乾燥肌になり痒みが起こったり、乾燥が原因でアレルギーやアトピーの症状がひどくなることがあります。偏り過ぎないように適切な湿度を心がけましょう。
呼吸器系疾患
犬は湿度が低いと呼吸器系の病気にかかりやすくなります。
乾燥した空気によって気道の粘膜が刺激され、「咽頭気管支炎」や「副鼻腔炎」を起こすことがあります。
子犬や老犬などの免疫力が低い犬の場合、肺炎によって亡くなる可能性も考えられます。
ドライアイ
犬は湿度が低いと目の病気にかかりやすくなります。とくに警戒したいのが「ドライアイ」です。
目が大きい犬種は保湿用の点眼薬を動物病院で処方してもらい、乾燥しやすい季節には常備しておくとよいと思います。
目の乾燥は「角膜炎」や「結膜炎」を引き起こしやすくなります。
- 目をシパシパさせる
- 涙の量が増える
- 目の周りが目ヤニで汚れる
- 目を痒がる
- 目を痛がる
- 目が充血している
- 目の周りが腫れている
このような症状が見られる時はすぐに病院で診てもらいましょう。
温度と湿度を調節しないとどうなる?
温度も湿度も高い室内で過ごすと、犬は「熱中症」にかかりやすくなります。
気温が高い夏場だけではなく、気温が低い冬場の暖房の効いた室内でも熱中症のリスクは高いです。
パンティングが激しくなるなどして熱中症を疑う状況になった場合には、犬の体温を測ってみてください。
40℃を超えると熱中症が疑われます。42℃を超えると命に危険が及ぶ状態です。
パンティング(呼吸が荒い・早い)が激しくなり、熱中症が悪化すると次のような情報が現れることがあります
- 舌の色が赤い
- 口の中が赤いまたは濃いピンク
- ソワソワと落ち着いていわれない
- 水が飲みたいけど自分では歩けない
- 横たわったまま自力は起き上がれない
温度も湿度も上がりやすい室内では必ず調節し、過ごせるようにしましょう。
また、夏場だけではなく、冬場の暖かい車内に犬を残して買い物をしないでください。高温になりやすく湿度もあり、あっという間に熱中症になっていまします。
まとめ
『犬に最適な温度・湿度は何度?』を3つのテーマで解説しました。
- 犬に最適な『温度』は21℃~25℃
- 犬に最適な『湿度』は40%~60%
- 皮膚、呼吸器、目の病気に注意
- 温度と湿度を調節しないと熱中症になる
愛犬が過ごす室内には温度計を置いていますか?無ければ最適な温度と湿度に調節してあげることはできません。
冷房だけで心配な時は冷感素材のベッドやマットを与える、暖房をつけずにお留守番させる時はペットウェア(防寒服)を着せるなど温度・湿度に合わせて適宜対応しましょう。