犬の鼻が乾燥している時の理由
犬の鼻が濡れているのは、鼻の奥にある外側鼻腺からの分泌物があるためです。分泌物が少なくなると犬が鼻を舐めて湿らせようとすることがあります。鼻が濡れていることでニオイを感知しやすくなると言われています。
また、鼻の分泌物を気化させることで熱を奪い、体温調整の助けになることがあるとも言われています。人間のように汗をかくことで体温を調節することができない犬ならではの体の機能です。
1.寝起きだから
眠っている間は鼻の分泌物が減ります。犬が鼻を舐めることもありません。そのため、寝起きの犬の鼻は乾燥していることがあります。眠る前は濡れていた、起きてからしばらくしていつもと同じように濡れている、ということであればとくに気にする必要はありません。
2.老化現象
高齢になると鼻の分泌物が減ります。はっきりと「何歳から」とは言えませんが、シニアと呼ばれるようになる7歳を過ぎた頃に鼻の乾燥を感じることがあります。15歳くらいになってやっと鼻の乾燥が感じられるようになる犬もいます。
老化よって体の機能が低下することには個体差があります。持病の有無や投薬の有無、これまで予防医療をしっかり受けていたかなど、その犬の健康状態が関係するためです。
3.空気が乾燥している
空気が乾燥すると犬の鼻も乾燥しやすくなります。とくに空気が乾燥する冬場はひび割れたように見えることもあります。あまりにも乾燥しすぎると本当にひび割れて出血を伴うことがあるため注意して見てあげてください。
空気に乾燥によって犬の鼻が乾燥するということは、加湿が必要な状態であると言えます。鼻だけではなく、皮膚や呼吸器にも影響を及ぼす可能性が高いためです。犬が快適に過ごせる室内の温度は50%~60%とされています。
4.脱水症状を起こしている
犬が脱水症状を起こすと鼻が乾燥することがあります。常に鼻が乾燥している状態なのであれば可能性が高いでしょう。
- 食欲がない
- 元気がない
- 嘔吐する
- 下痢をする
- 呼吸が荒い
- 皮膚に弾力(ハリ)がない
- おしっこが少ない
このような症状が見られる時は脱水を疑ってもよいと思います。
5.アレルギー症状を起こしている
ハウスダストや花粉によるアレルギー症状を起こすと鼻が乾燥することがあります。アレルギーを持つ犬はアレルゲン物質に触れさせてはなりません。常に空気清浄機を稼働させるなど対応してあげるとよいです。
6.皮膚病
鼻に皮膚の疾患があると乾燥することがあります。鼻も皮膚の一部ですから何等かの皮膚病を発症します。鼻の周辺に起こりやすい皮膚炎は皮膚糸状菌症です。まれにですが免疫異常が原因になる天疱瘡や皮膚の癌も可能性として知っておく必要があるでしょう。また、皮膚病ではなく感染症ですがジステンパーも鼻が非常に乾きひび割れが入ってしまう疾患です。どれも要注意の病気ですのでしっかり確認しましょう。
犬の鼻が乾燥していたら病院に行くべきか
- ごはんを食べない
- お水を飲まない
- 嘔吐する
- 下痢をする
- ぐったりしたまま起き上がれない
軽度でも重度でも鼻が乾燥すること以外に症状がある時は病院へ行った方がよいです。鼻が乾燥しているけれど食欲も元気もあっていつも通り過ごしている時は、しばらく様子を見てもよいです。
鼻が乾燥していることが気になってしまうのは、いつもと違う愛犬の様子に不安を感じているということです。なるべく早く病院で診察を受ければ、病気であっても早期発見と早期治療に繋げることができます。
小さくても気になることは飼い主や家族だけで解決しようとせず、どうしても理由や原因がわからない時はかかりつけの獣医師に相談しましょう。
まとめ
犬の鼻が乾燥している時の理由を6つ解説しました。
- 寝起きだから
- 老化現象
- 空気が乾燥している
- 脱水症状を起こしている
- アレルギー症状を起こしている
- 皮膚病
分泌物の低下によって鼻が乾燥してしまう時は、犬の鼻用の保湿剤を使用するとよいです。愛犬(老犬)の鼻が乾燥でひび割れてしまった時に獣医さんが処方してくださったことがあります。
鼻は舐めてしまいますし、市販の物では心配されるかと思います。必ず獣医師に相談してからお使いください。