放し飼いのメリット
1.愛犬との距離が縮まる
わんこは基本的にひとりが嫌いでかまってちゃんな動物です。そのため放し飼いにしていると、飼い主さんの後をくっついてきたり、遊びをせがんできたり、何かとそばに寄ってくるので愛犬との距離はぐっと縮まります。
実際に近年のわんこの愛玩志向の高まりは、室内飼いが増えたからとも言われています。放し飼いで自由に過ごしていると、まさに「わんこも家族」といった気持ちを体感できるでしょう。
2.運動不足のストレスが溜まりにくくなる
放し飼いでフリーエリアが広いと、わんこはそれだけ自由に遊び回ることができます。お留守番中であってもおもちゃを与えておけばひとり遊びすることもできるでしょう。そのため運動不足によるストレスは溜まりにくくなります。
3.お出迎えをしてもらえる
わんこを飼う醍醐味といえば、帰宅したときのお出迎え。ケージの中で大興奮でお出迎えしてくれるのももちろん嬉しいですが、玄関や廊下に駆けつけてきてくれる姿を見ると本当に心癒されます。
放し飼いのデメリット
1.粗相やイタズラのリスクがある
放し飼いのデメリットの第一は、わんこに家の中を荒らされてしまうリスクでしょう。
特にトイレトレーニングが終わってまもない子や、引っ越してきてすぐの場合などには、決まったトイレ以外の場所で排泄をしてしまう粗相のリスクが高まります。時間が経ってから発見した粗相の痕は掃除するのも大変ですし、がっかりしてしまいますよね。
また、トイレは完璧でも家具や小物をかじったり引っ掻いたりといったイタズラによって、家の中が悲惨な状態になってしまうことも。噛み癖を矯正するしつけはもちろんのこと、ものを出しっぱなしにしない、わんこの手の届くところに置かないといった工夫も欠かせません。
2.思わぬ事故が起きる可能性がある
破壊行動などのイタズラはのちのち笑い話にできるかもしれませんが、それがわんこの命に関わるような事故になってしまうこともあります。
壊したものを誤飲・誤食して窒息してしまったり、台所に忍び込んで有害な食べものを口にして中毒を起こしてしまったり、暖房器具を倒して火事になってしまった場合、取り返しがつきません。危険な場所や入ってほしくない場所にはしっかり防御策をとることが必要です。
3.なわばり意識が強くなりすぎる
わんこになわばり意識があることは有名ですが、わんこを放し飼いにしていると家の中全部を自分のなわばりと認識し、家の中にちょっとでも他人が踏み込もうとすると猛烈に威嚇してしまう場合があります。
ケージで過ごしていれば自分のなわばりはケージ内のみと認識するため、来客に対してこのような態度をとってしまう可能性は少なくなります。警戒意識の強さには社会化の有無や個体差も大きいですが、一般的にはこのような傾向が見られます。
4.広すぎてストレスになる子がいる
放し飼いでフリーエリアが広いと運動不足によるストレスがなくなるというのは上記でご紹介しましたし、想像も難くないと思います。ですが実はかえってフリーエリアが広すぎることにストレスを感じてしまう子もいるのです。
そもそもわんこは洞窟暮らしをしていた本能から、狭い場所や体がぴったりハマるような場所にいると安心する傾向があります。特に警戒心の強い子や臆病な性格の子の場合、フリーエリアの広さは警戒すべき範囲の広さにつながり、小さな物音やささいな気配に怯えて落ち着かなくなってしまうのです。
愛犬の個性を見極めて
ここまで放し飼いのメリットとデメリットをご紹介してきましたが、放し飼いが良いのかケージ飼いが良いのかについては、全ての犬に当てはまる正解はありません。わんこが安心して楽しく暮らすためには、愛犬の個性を見極めることが必要不可欠なのです。
1.放し飼いがオススメの犬
ある程度のしつけができていて、良い子でお留守番ができる子。警戒心が強すぎない子。大型犬や必要運動量が多い犬種もケージよりは放し飼いでノビノビ過ごせた方が良いでしょう。
2.ケージがオススメの犬
しつけが終わったばかりの子や、問題行動がある子。警戒心が強い子や臆病な子はケージの方が安心して暮らせるかもしれません。また、パピー期の子犬は好奇心旺盛で予想外の行動をすることもあるため、ケージで過ごす方が適しています。
3.放し飼いとケージのハイブリッドという選択肢も
完全な放し飼い、完全なケージ飼い方がではなく、放し飼いとケージ飼いを使い分けるハイブリッド方式の飼い方もありえます。
家族が家にいるときは放し飼いにしてお留守番のときはケージにする、日中は放し飼いで寝るときはケージでくつろぐなど、愛犬に合った方式を探してみましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?放し飼いとケージ飼いとで愛犬との関わり方は大きく変わってきます。愛犬の性格や家族の生活スタイルに合わせ、無理なく過ごせる方法を見つけることが大切です。