早めの準備を!犬を『看取った後にすべきこと』3つ

早めの準備を!犬を『看取った後にすべきこと』3つ

飼育環境の向上、獣医療の発展、良質なフードの普及などにより、犬の寿命は伸びてきています。それでも殆どの場合、飼い主さんが愛犬を看取ることになるでしょう。いずれは看取る日が訪れることを覚悟していても、いざその時が来るとショックで何もできないかもしれません。愛犬を看取った後にすべきことについて、事前に知っておきましょう。

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記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子
  • (AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター )

獣医師・AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター
山口大学農学部獣医学科(現:共同獣医学部)卒業。2006年3月~2023年3月 有限会社ふくふく動物病院 取締役・院長。ジェネラリストですが、得意分野は皮膚疾患です。
獣医師歴26年(2023年4月現在)の経験を活かし、ペットの病気やペットと楽しむアロマに関する情報をお届けします。

愛犬を看取った後にすべきこと

犬の遺影

どんなにしっかりと健康管理をしていても、飼い主さんはいずれは愛犬を看取ることになるのが普通です。 ご自宅や病院で、または事故で突然になど、看取り方はさまざまです。愛犬のご遺体がお家に戻ってきた時に、飼い主さんは既に冷静にこの先の対処について考えていられる状態ではないかもしれません。

愛犬を看取った後のことを事前に知っておくことで、いざという時に冷静に考える役に立つかもしれません。愛犬を看取った後のご遺体の安置、ご供養の種類、関係各所に対して必要な手続きについて、ご紹介します。

1.ご遺体の安置

ペット霊園

通常、小型犬は亡くなって直ぐ、大型犬は2〜3時間後から、死後硬直が始まります。亡くなった時の姿勢によっては棺に入らなくなるので、まずは死後硬直が始まる前に姿勢を整えます。

大判のペットシーツまたはビニールシートを敷いて、その上にご遺体を寝かせ、前足と後ろ足を胴体に近づけて無理をしない程度に折り曲げます。リラックスして横になっている時の寝姿に近づけるイメージです。目や口が開いていたら、閉じましょう。

ご遺体の下にペットシーツ等を敷くのは、筋肉が緩んで中に溜まっていた体液や排泄物が出てきてしまった時のための対策です。全身をきれいに拭きブラシで毛並みを整えたら、その体がすっぽりと入るサイズの箱を用意して、そこにタオルなどを敷いてご遺体を移し、ペットシーツ等の上に箱を置きます。

しばらく安置することになるので、直射日光が当たらない涼しい場所を選びます。真冬でもご遺体の腐敗は進行するので、保冷剤やビニール袋に入れた氷などをご遺体の周りに置き、腹部と頭部を中心に冷やします。

濡れるとご遺体の状態が悪くなるので、保冷剤等はタオルで包みます。また低温設定でエアコンをつける等、とにかく冷やしましょう。状況が整ったらご供養の方法を決め、必要な業者さんを手配します。民間業者の場合は、24時間受け付けている所も多いです。残りの時間は、ご家族でゆっくりとお別れしてください。

2.供養

自宅に埋葬する場合

ペットのお墓

ご供養の方法はいくつかあります。個人的にはあまりおすすめしませんが、法律的にはご自分の私有地内に埋葬することもできます。ご遺体をそのまま土葬することも、一旦火葬して遺骨を埋葬することも可能です。

土葬の場合は1m以上深い穴を掘り30cm以上の盛り土をする等、念入りに埋めて臭いによるトラブルや、他の動物に掘り返されるといったリスクを防いでください。基本的には、火葬して遺骨を埋葬する方が良いでしょう。

この方法を個人的におすすめしないのは、将来的にその土地を手放すこともあるからです。買い手が、その土地をどのように利用するか分かりませんので、信頼できる霊園や墓地などに供養する方が安心だといえるでしょう。

自治体での火葬

悲しむ人

自治体に火葬の依頼ができます。民間業者に依頼するよりもかなり安価に依頼できます。自治体によって内容が異なり、個別火葬に対応していれば返骨してもらえますが、合同火葬のみの場合は返骨してもらえません。

動物霊園に埋葬する自治体もあるようですが、法律的には動物のご遺体は一般廃棄物の扱いとなるため、遺骨のその後については明確にしていない自治体も多いようです。

ペット霊園

現在最も一般的なのが、ペット霊園等の民間業者で火葬してもらい、そのまま霊園や納骨堂で供養するという方法だと思います。

定期的に住職による法要が行われ、安心して任せられる業者も多いと思われます。埋葬や納骨はせずに、火葬のみで返骨に応じてくれる業者もありますので、依頼時に相談すると良いでしょう。

火葬後しばらくは自宅で供養し検討を続ける

自宅で供養

一旦火葬してもらい、遺骨をご自宅で供養することもできます。以前は非常に少なかったのですが、最近はペットと一緒に入れるお墓などが増えてきているため、ご自宅で供養しながら、いずれは一緒のお墓に入ろうと検討されている方も多いようです。

法律的には、人のお墓にペットの遺骨を納めることは禁じられていません。しかし仏教の考え方から、人と動物を一緒に埋葬するということはまだ一般的には受け入れられていません。

しかし、宗教不問の納骨堂や樹木葬、また一般墓でも住職の考え方等により、少しずつペットと一緒に埋葬、納骨できる施設が増えてきています。お墓を所有されている方は、お寺に相談してみるとペットとの供葬も認められるかもしれません。

3.各所への諸手続き

手続き

愛犬が亡くなったら、30日以内に自治体への届出が必要です。狂犬病予防法の決まりで死亡届を届出ることになっています。狂犬病の予防接種を拒否すると、20万円以下の罰金となることもありますので気をつけましょう。

血統書付きの場合は、登録団体への届け出が必要です。マイクロチップを装着している場合は、登録先団体へ届出て登録データの削除を行う必要があります。多くは日本獣医師会が運営しているAIPO(動物ID普及推進会議)が登録先だと思いますが、これもきちんと把握しておきましょう。

まとめ

虹の橋

日頃はあまり考えたくない愛犬の看取りですが、避け続けていると、いざその日が来た時に途方に暮れるかもしれません。一緒に埋葬されたかったのに、単に安価だからと自治体に火葬を依頼して、返骨されず埋葬先も分からないといったような後悔をしないよう、少しずつ将来に向けて考え、準備しておくことをおすすめします。

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