愛犬の何気ない行動が病気やケガを招くことがあります
邪気のない愛犬の行動は、どれ一つをとっても可愛らしく感じてしまうものです。しかし冷静になって考えると、その先にはとても危険な結末を呼び寄せる行動の場合があります。
何気ない行動が原因となって、ケガをしたり体調を崩してしまうかもしれません。最悪の場合は、命に関わる事態になる可能性もなくはないのです。
そういう、危険な事態を招く可能性のある犬の行動を知っておくことで、最悪の事態を事前に予防することができます。またそういった行動を目撃した際に、確実に制止することもできるでしょう。
見過ごしてしまうと、危険な事態を招く可能性のある犬の行動についてご紹介します。
愛犬がしていたらやめさせるべき『危険な行動』
1.垂直方向のジャンプ
犬がジャンプする行動は決して珍しいものではありませんし、それが危険な行動だと認識されている飼い主さんは、少ないかもしれません。狩猟犬などは、狩の際にジャンプをして獲物に飛びかかっていたはずです。
実際、特段足腰に問題を抱えていない健康体の犬が、アジリティ等で障害物を飛び越えたり、飼い主さんが投げたフリスビーをキャッチしたりするために、走りながら前進方向にジャンプをする場合は、特に問題にはなりません。
しかし、垂直方向へのジャンプの場合には注意が必要です。足腰に負荷がかかり、ケガや病気の原因になるからです。また垂直方向のジャンプの場合、着地の際に関節や靭帯を傷めたり骨折をしたりするリスクも高いということを知っておいてください。
ゲートの手前やサークルの中にいる時に飼い主さんが近づいて来た時や、散歩に行く際に飼い主さんがリードを持った時などに、愛犬が嬉しくて後肢で立ち上がったような姿勢になり、そのまま上下にピョンピョンと飛び跳ねることはないでしょうか。これが、下半身への負荷がとても大きくて危険な、垂直方向のジャンプです。
またソファなどから垂直に飛び降りる場合も、硬くて滑りやすい床の場合は、着地した前肢の関節を傷めたり骨折したりする可能性があります。
サークルやケージ内でジャンプをする場合は、天井部分を布等で覆って目隠しをすると、飼い主さんが近づいてもジャンプをしなくなることが多いです。
またリードやおもちゃに飛びつく場合は、「オスワリ」等の指示に従った場合だけご褒美として散歩や遊びに応じるようにすると、次第にジャンプをしなくなるでしょう。
2.拾い食い、つまみ食い
人が普段食べている食材の中には、犬にとって重篤な中毒症状を引き起こすものがあります。身近な場所にある植物や薬品も、犬にとっては危険なものがあります。食材ではなくても、誤飲により消化管に詰まってしまうなどの事故を引き起こす可能性もあります。
このように、人の食べ物や常備薬、洗剤や歯磨き粉、ベルト、電池、人形など、愛犬の口に入りそうなものは、すべて中毒や誤飲のもとであり、これらを食べようとしていたら、すぐに制止しなければなりません。
これらのものを、犬の手が届く範囲に置きっぱなしにしないことと同時に、犬が何かを咥えても、「ハナセ」「チョウダイ」などの指示ですぐに手放すようにトレーニングをしておくことが、愛犬の身を守ります。
3.おもちゃ以外での遊び
子犬時代はもちろん、成犬になってからも好奇心旺盛で遊び好きな犬が多いです。そのためおもちゃ以外のものもすぐにおもちゃにして遊び始めてしまいます。
ビニール袋で遊んでいて窒息してしまう、電気コードをかじって感電してしまう、洗濯機や乾燥機の中に閉じ込められてしまうなど、室内での遊びも安心してはいられません。
また、庭で蜂やムカデ、カエルなどの有毒生物と接触してしまうなどの可能性もあります。
危険な物を置きっぱなしにしない、電気コードやコンセントにはカバーをする、犬が潜り込みたがるような場所の扉は必ず閉めておく等の予防を徹底しておきましょう。
また拾い食いの時と同様に、おもちゃ以外のもので遊んでいる場合も、飼い主さんの指示ですぐに手放すようにトレーニングしておくことが大切です。
事前に予防できることもあります
今回ご紹介したこと以外にも、愛犬を不慮の事故から守るために予防できることがいくつもあります。
- 玄関や窓、ベランダなどに脱走防止用の柵や網を設置する
- ソファやベッドに犬用のステップを設置する
- 危険な植物は庭も含めて身近に置かない
- 電気製品のスイッチを入れたまま犬だけを残して部屋から出ていかない
- 真夏や真冬の外出時にエアコンの設定を間違えない
- リモコンなどを犬の手の届く範囲に置いておかない
いずれも、万が一の事故が起きてからでは取り返しが付きません。後悔することのないように、日頃からしっかりと対策を行うことを習慣付けましょう。
まとめ
微笑ましくて愛らしい愛犬の行動が、実は危険な事故等を引き起こす原因になることがあります。
飼い主さんは、常に愛犬が過ごしている環境やその行動に目を光らせ、危険な要素を排除するように気を配りましょう。
愛犬には、いくら危険性を説いても通じません。愛犬を身近な危険から遠ざけるためには、環境の整備としつけの両方が必要なのです。