寒さによる震えの対処法
犬が震える原因のひとつが「寒さ」によるものです。
犬は全身を毛皮に覆われているため、寒さに強いというイメージがあるかもしれませんが、必ずしもすべての犬が寒さに強いとは限らないのです。
特に、体温を保つために役立つ下毛(アンダーコート)を持たないシングルコートの犬種や、暑い国が原産の犬種の場合は、寒さへの耐性が低く日本の冬に体が耐えられないこともあります。
さらに、体温調整がうまくできない子犬や老犬も、極端な温度変化に体がついていかないことも考えられます。
そもそも一昔前に比べて「室内飼い」が増えているため、年間を通して快適な温度のなかで生活している犬も少なくありません。
そのため、気温に合わせた換毛や体温調整がうまくできなくなってしまっている犬も多く、快適な室内から散歩で外に出た時にとても寒がってしまうのです。
また、暑い季節にエアコンで部屋を涼しくしている時に冷たい空気は下に溜まるので、低い位置で寝ている犬は寒くなってしまうことがあるので注意しましょう。
寒さによって犬が震えている場合は、室温の管理をしたり、服を着せたりして快適に過ごせるように工夫してあげてください。
特に子犬や老犬にとって温度差は体に大きな負担となるので、あたたかい室内から散歩で外に出る時は防寒のために洋服を着させるようにしましょう。
不安や恐怖、緊張による震えの対処法
犬は不安や恐怖、緊張など精神的なストレスによって震えることも少なくありません。
特に雷や花火といった正体不明の大きな音がした時や、地震が起きた時、病院や人混みなど苦手だと感じている場所に行った時などに震える犬は多いでしょう。
体が震えるほど犬が恐怖や不安を感じている場合は、ストレスがかかりすぎないように体を優しくなでたり、寄り添ったりして安心させてあげてください。
怖がっているからといって必要以上に甘やかすことはわがままを助長することにもなりかねませんが、震えが起こるほどのストレスを感じている場合は、ストレスの原因を取り除いてあげたり安心感を与えたりしてあげていいでしょう。
しかし、あまりにも些細な刺激で何度も同じことが起こる場合には、少しずつ環境に慣らしてあげるトレーニングをすることも大切です。
色々な音に慣れる練習をしたり、苦手な場所も好きになれるようにおやつなどを使って経験を積んだりすることで、犬にとって怖いことが少しずつ減っていくと思います。
そうすることで、恐怖や不安によって震えることも減っていくはずなので、時間をかけて取り組んでみてください。
病気や怪我による震えの対処法
犬が震えている時に特に注意しなければならないのが、怪我や病気が原因になっている場合です。
高熱が出ている時や吐き気や腹痛を起こしている時、何らかの中毒症状が出ている時などに、体を丸めて震えることがあります。
さらに、てんかんのように脳や神経系の疾患が原因で、痙攣や震えが起こることもあるので十分に注意しましょう。
また、怪我によって痛みを感じている時にも体が震えることもあります。
体の震えが続く場合は、震えの様子をしっかり観察しながら、ほかに変わった様子はないか確認し、念のため動物病院で相談するようにしてください。
震えの様子については、動画などで撮影しておくと獣医師にも伝えやすいのでおすすめします。
老化による震えの対処法
老犬になると、何気なく過ごしている時間にも小刻みに震えることがあります。
ただ四つ足で立っているだけでも後ろ足が震えたり、寒いと感じるほどの気温でない時に丸まって震えたりすることがあります。
年齢を重ねると少しずつ運動量が落ちて、筋力が低下してしまいます。また、関節に痛みや負担を感じることも増えるでしょう。
そのような老化現象が原因で、体重を支えられずに足が震えてしまったり、体温調整がうまくできずに寒さに敏感になってしまったりするのです。
ただし、こうしたことを理由にかわいそうだからと散歩をやめてしまったり、過剰に寒さ対策をするとさらに体が衰えてしまうので注意が必要です。
足腰に負担がかからない程度にゆったりと歩いてお散歩をしたり、天気の良い日に外に出て風を感じたり日光浴をしたりすることは、年齢を重ねても健康でいるためにとても大切です。
まとめ
犬が震えている時は、寒さや恐怖、体の不調、老化現象とさまざまな原因が考えられます。
そのため、震えへの対処をするためにはその原因が何かを探ることが大切です。
震えが起きている時の周囲の状況やタイミング、犬の表情や体勢などをしっかりと観察して、原因を把握するようにしましょう。
震えが続く時や原因がわからない場合には、動物病院で相談すると安心です。