働く飼い主を対象にしたアンケート調査
コロナ禍は世界的なパンデミックだったため、世界の至る所で似たような現象を生み出しました。在宅勤務や学校閉鎖が増えたために人々が家庭で過ごす時間が増え、その結果ペットを迎える人が増えたというペットブームもその1つでした。
アメリカも例外ではなく2020年は犬を家族に迎えた人が急増しました。アメリカの犬用品定期サービスを提供しているBARKカンパニーが、アメリカ国内で少なくとも1匹の犬を飼っている18歳以上の社会人1,074人に「パンデミックと犬と仕事」についてのアンケート調査を行い、その結果が発表されました。
パンデミック下、家庭の中の犬と飼い主の関係
アンケートではパンデミックが家族や友人との関係に及ぼした影響についての質問項目がありました。パンデミックによって関係性が強くなった相手は、愛犬70%、配偶者49%、子供39%、友人31%、両親28%と、愛犬をあげた人がダントツの1位でした。
女性の回答者は配偶者との関係が強くなったと答えた人は52%で、男性の45%よりも多かったのですが、犬との関係性は男女ともに約7割の人が強くなったと答えています。
この割合は、在宅勤務が終わって毎日出かけるようになった人も、まだ在宅勤務の人も、パンデミックの最中も仕事に出かけていた人もほとんど同じでした。犬の飼い主は約3割の人が前年よりも犬と向き合う時間が増え、感情的なサポートを犬に頼っていたと報告しています。
まだ在宅勤務をしている犬の飼い主の71%が、職場に勤務するようになると犬が側にいなくて寂しいだろうと答えています。これは側にいなくて寂しい対象が配偶者42%や子供39%よりもはるかに多い数字でした。
犬の飼い主の32%は職場に犬を連れて来ることができればストレスが減ってハッピーだと答えました。通常の勤務に戻った飼い主の24%が勤務時間中に犬のためのモニターカメラをチェックしています。
どれも身につまされたり、わかるな〜とうなづいてしまう回答ですね。
犬を含めた働き方改革
BARKカンパニーはこのアンケート調査を通じて、犬の飼い主が通常勤務に戻ることについての主なストレス要因を特定し、雇用主がどのように支援できるかを探っています。
犬を飼っている人の78%が、犬を職場に連れて行けるような調整はされていないと答えています。3人に2人は、職場が過去に1度も犬の同行を許可したことがないと答えています。コロナ禍をきっかけに犬の同行が許されるようになったと答えた人は10%のみでした。
犬の飼い主の42%は、雇用主が福利厚生の一部として犬を受け入れる必要があると考えています。これは例えば会社が保育所や託児所を併設するように、犬のデイケアを作って欲しいというようなものです。
また犬を職場に連れて行けるようになったとしたら、犬が入ってはいけない場所を明確にすることが安心につながると、約3割の犬の飼い主が答えています。犬と人の住み分けを明確にすることは、犬好きな人々にとっても重要であるようです。
まとめ
犬のおもちゃやトリーツの定期便サービスの会社が実施した、犬を飼っている社会人を対象にしたアンケートの結果をご紹介しました。
ヨーロッパなどでは犬を職場に連れて行く話を耳にすることが多いですが、アメリカでは日本同様にまだまだ少数派です。
犬を職場に連れて行くというアイデアは確かに魅力的に聞こえるのですが、環境や人々の意識が準備されていなければ人にも犬にも不幸な結果になり得ます。
そのためにもこのような調査をコツコツと積み重ねて、人々の声を吸い上げて行くことが大切だと実感します。
《参考URL》
https://www.businesswire.com/news/home/20210928005697/en/