犬の息が荒い時に考えられる病気6選
犬が「ハアハア」と息をすることをパンティングと呼びますが、もし異常に息が荒い場合は次のような病気の疑いが出てきます。
少しでも「いつもと違う」と感じる点があれば早急に獣医師へご相談を。
1.熱中症
夏場に多いのが犬の熱中症です。気温の高い日は荒い呼吸をするほど熱い空気を吸ってしまい、ますます体温を上昇させてしまいます。
もともと犬は暑さに弱い動物であるため、少しでも次のような異変を感じたら熱中症を疑ってください。
- 息が荒い
- よだれをだらだら垂らしている
- 舌がいつもより赤い
- 体が熱い
- 動かない
- 意識がない
もっとも「犬の意識がない」という症状であれば早急に動物病院を受診しなければなりません。そうではない場合でも、暑い日は愛犬の様子をしっかり見守ってください。
家の中にいても熱中症になることは十分考えられます。涼しい場所に移動をさせて水分補給をさせてください。
もし愛犬がぐったりしていたり、息が荒い状態が続いている時は早急に動物病院で応急処置を受けましょう。
2.呼吸器疾患
犬の息が荒い症状が続く場合は、次のような呼吸器疾患の病気も考えられます。
- 気管支炎
犬が気管支炎になると息が荒くなったり、咳き込みによる吐き戻しなどの症状が見られます。症状が悪くなると舌が紫色になるチアノーゼを引き起こす病気です。
気管支炎の原因として考えられるのは、ウィルスや細菌、真菌などの感染、その他にもタバコやガス、ハウスダストなどもあげられます。
「ヒューヒュー」という苦しそうな呼吸音が聞こえることもあり、早期の段階で対応処置を行いたい病気です。
- 肺炎
気管支炎の症状が悪化すると、肺炎を引き起こすことがあります。さらに犬の肺炎が重症化すると呼吸困難に陥ってしまい、命を落とす危険性も出てきます。
老犬は誤嚥性肺炎という異物が肺に入ってしまい呼吸が苦しくなる病気を発症することが多いので、こちらも注意です。
- 気管虚脱、気管支虚脱
犬の気管虚脱とは、呼吸をするたびに気管がつぶれたように変形してしまい、うまく空気を取り込んだり、排出したりできなくなる病気です。
トイプードルやヨークシャーテリアなどいわゆる「トイ犬」と、パグやブルドッグなどの「短頭種」の犬種も発症するケースが多いです。
初期の段階では「少し息が荒い」と感じる程度ですが、病気が進行すると「ガーガー」という苦しそうな呼吸音が聞こえるようになります。
運動をした訳でもないのに犬の息が荒い時は、早めに獣医師へ相談してください。
3.心臓病
犬の息が荒いのは呼吸器疾患の病気だけでなく、次のような心臓病が原因である可能性もあります。
- 肺水腫
犬の「肺水腫」とは、肺の中に血液の液体成分が溜まってしまう病気です。呼吸が苦しくなり、症状が悪化してしまうと命に関わります。様々な原因から肺水腫が起こりますが、最も多いのは心疾患が原因になる場合です。
初期段階は運動後に咳をする程度ですが、徐々に荒い息が続いたり、舌が白または紫色になる症状が見られるようになります。
- 心筋症
心筋症は、心臓の筋肉である心筋に異常が起こる病気です。犬の場合拡張型心筋症が多いといわれています。
犬が心筋症を患うと、心臓機能の低下により呼吸が困難な状態に陥ってしまいます。
- 僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべんへいさふぜんしょう)
僧帽弁閉鎖不全症は、心臓の左心房と左心室の間にある僧帽弁に異常が起こってしまい血液が逆流を起こし血液の循環不全がおこるため様々な症状が起こります。小型犬に多く見られる病気でもあります。
- 心室中隔欠損症(しんしつちゅうかくけっそんしょう)
心室中隔欠損症は、心臓の左心室と右心室の壁に穴が開いている先天性の病気です。
正常な時とは逆に左心室から右心室に血液が流れ込んでしまうため、肺に負担がかかるようになってしまいます。その結果、呼吸にも異常が見られるようになります。
4.低血糖
もし犬の息が荒いだけでなく、舌が白く見える場合は低血糖に注意しなければなりません。
犬の舌が白い時は貧血の疑いがあり、息が荒い以外に震えや痙攣発作という症状が見られます。
5.異物誤飲
病気ではありませんが、犬の息が荒い時は異物誤飲も疑ってください。
落ちている物を飲み込んでしまったことで下痢やおう吐を引き起こしたり、薬物中毒で命を落とす危険性もあります。
6.ストレス
病気ではないと思うかもしれませんが、犬は強いストレスを感じた時にも息が荒くなります。注意したいのが、緊張や恐怖を感じている場合です。
もし「愛犬の様子がおかしい」と感じた場合は、環境の変化によるストレスや、大きな音など苦手なものはないか?と原因を探してみてあげてください。
まとめ
犬はパンティングを行う生き物であるため、呼吸の変化に気づきにくいのが難点です。
もし「いつもより息が荒いな」と感じたり、苦しそうに呼吸をしている場合は早急に獣医師にご相談ください。