老犬のお留守番中に起こるかもしれないケガや事故
1.家具の角にぶつかる
老犬が、家具の角にぶつかることがあります。
鼻先・前頭部・体の側面・お尻など、全身のあらゆる部分をぶつける可能性があります。
理由は色々ありますが、視力が低下していたり、神経の異常によって平衡感覚がおかしくなったり物との距離感を上手くつかめなかったり、筋力が衰えて体をぶるっと震わせた時によろけてしまったり、といったことがあります。
家具にぶつかって皮膚を傷つけることは少ないかもしれませんが、どこかに痛みを抱える原因になることもあります。また、目をぶつけてしまっては大ケガになる恐れがあります。家具の角にはクッション材を取り付けるなどの安全対策をするとよいです。ペット用ではなくても、赤ちゃん用や子供用で構いません。
2.隙間に入って出られなくなる
老犬によくあるのが隙間に入って出られなくなることです。
家具と家具の隙間に入り込んだり、カーテンの裏に入り込んだり、椅子の脚の隙間に入り込むなど、あらゆる隙間に入り込んでしまいます。
認知機能や運動能力が著しく低下した老犬や認知症を患う老犬に多いようです。後退すればいいんだ、と気付けなかったり、後退したいと思ってもできないため出られなくなってしまうのです。若い時には何の問題もなかった隙間や、「こんなに広いのに」と飼い主さんが思うような場所でも起こることのある問題です。
何時間でも立ったままでいることがあります。出たいのに出られなくて、鳴き続けたり吠え続けたりすることもあります。
立っていることにも鳴いたり吠えたりすることにも疲れきってしまい、その場に座り込んでしまうこともあります。老犬にとっては、かなり体力を消耗してしまうことになるでしょう。
ペットガードを設置するなどし、犬が隙間に入れない対策をするとよいです。徘徊するようになってしまった時は、ケージやサークルの中でお留守番させるとよいです。
体力のある、何時間でもそこから出ようと動き続ける老犬は、サークルを飛び越えたりサークルを動かして出てしまうことがあるため、ケージがよりおすすめです。
3.ソファーや階段からの転落
老犬のソファーや階段からの転落は、大きな事故にもなりかねません。どこかを痛くしてしまうだけではなく、脱臼や骨折などを起こす可能性もあります。
老犬になってもソファーに座りたがりますし、階段の上り下りもしたがることもあるでしょう。
飼い主の補助があれば安全に上り下りできるかもしれませんが、お留守番中はソファーにのったり階段の上り下りが出来ないようにした方が安全です。
老犬がお留守番する部屋にソファーを置かない、ローソファーに買い替える、階段にペットガードを設置するなどの対策をするとよいです。
4.熱中症
老犬は動くのがおっくうだったり、飼い主さんのサポートがないと移動できなかったりお水が飲めない場合があります。そのような状態で長時間お留守番をしていると、快適な場所に移動できなかったりお水が充分に飲めなかったりして、暑い時期には熱中症になりやすいかもしれません。
夏のお留守番中は冷房を使用し、老犬の状態を考慮したお留守番時間にしてあげましょう。
熱中症にまでならなくても、病気を持っていたり自分からお水を飲みに行くことが減ったりして、脱水になりやすい老犬、普段から脱水気味の老犬もたくさんいるそうです。水分を十分に摂れているかどうか、季節を問わず、若い時以上に気にしてあげるとよいです。
5.冷え
老犬になると様々な生理機能が衰えて体温の調節機能も低下するため、お留守番中に体が冷えてしまうことがあります。
冷房で体が冷えすぎたり、暖房を使用しない、または使用しても十分には暖められなかった室内で長時間過ごした時などに、体が冷えてしまうことがあります。室内にいて、冬場に多少でも暖房を使用していれば低体温症にまでなることはないでしょうが、体が冷えてしまうと、より体を動かしにくくなってしまいますし、免疫力の低下、体力の低下にもつながります。
室内の温度管理を徹底する、防寒服を着せる、ベッドやブランケットなど温かい寝床を用意するなど、体温が下がり過ぎてしまわないための対策をするとよいです。
まとめ
老犬のお留守番中に起こるかもしれないケガや事故を5つ解説しました。
- 家具の角にぶつかる
- 隙間に入って出られなくなる
- ソファーや階段からの転落
- 熱中症
- 冷え
老犬のお留守番に不安を感じたら、スマートフォンから遠隔操作が可能なペットカメラを活用してみてはいかがでしょうか。声をかけてあげられる機能が付いていると役立つことがあるかもしれません。
家具などにぶつかりそうになったら「ストップ!」「曲がって!」と指示してあげることもできるでしょう。
日常の生活でサポートの必要な老犬にお留守番をしてもらわないといけないこともあると思います。お留守番の時間はできるだけ短くすることも大事ですが、お留守番中もケガや事故を起こさずに、そしてできるだけ快適に過ごしてもらえるように、犬の状態や生活環境に合った工夫をしてあげましょう。