犬のしつけに重要なのは『選択肢と尊重』

犬のしつけに重要なのは『選択肢と尊重』

犬のしつけをするということは、人間社会で共に生活をするうえで大切なことであるに間違いはありません。しかし、多くの飼い主さんは「しつけにあたって犬に選択肢を与えてはいけない」と勘違いしてしまいがちです。・失敗は許されない・飼い主の言うことは絶対・犬の好きにさせてはいけないだいたいこのようなイメージでしつけについて考えがえてしまいがちだと思いますが、実際のところはこんなイメージは持たなくて大丈夫です。そして、犬のしつけで何より大事なのは犬自身に選択肢があり尊重されるべきだということ。今回は、犬のしつけに重要な選択肢と尊重について少しお話ししていきます。

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犬のしつけとは従わせることではなく優しく丁寧に教えること

コップを選ぶ犬

犬のしつけとはなんでしょう?飼い主の指示に従わせ有無を言わさないことでしょうか?

もし、主従関係・上下関係というものを築く必要があり、そのためにも犬が従うということには大きな意味がある…と思われているようでしたら今すぐその考えは捨ててください。

しつけをするにあたって犬と人間との間に主従関係・上下関係というものは必要ありませんし、そのために従わせるなんて犬を奴隷のように見下す必要もないのです。

しつけとは従わせることではなく、共に生活を送る上で覚えてほしいルールを『学ぶ側にとって分かりやすく教えること』です。

そして、学ぶ側にとって分かりやすく教える方法として力や上下関係・主従関係という概念は不要であり、むしろそれは学習を遅らせやる気を失わせる存在になります。

学ぶ側にとって分かりやすく伝えるためには、教える側が優しく丁寧にアプローチしていくだけでOK。

決して怒鳴ったり・叩いたり・叱ったり・大きな音を立てたり、といったことをする必要はありません。

犬のしつけに重要なのは犬に選択肢を与え尊重すること

手に顎を添える犬

犬のしつけは支配性ではなく協調性です。大事なのは犬に協力してもうらうことなので、そのためにも常に犬に対して選択肢を与えその選択を尊重する必要があります。

もし犬がやりたくないと伝えていたら、そのときは無理にしつけの練習を続行せず犬の気持ちを尊重して練習はやめてください。

もちろん、もっとやりたいという意欲的な姿勢を見せているのであれば、一緒に楽しんで目標とするしつけの練習をやっていきましょう。

実際のトレーニングの方法やステップはその犬の様子次第で異なってきますが、決してどんなときでも犬から選択肢を奪ってはいけません。

例えば、クレートトレーニングの場合だと最終的にはクレートの中で静かに待機する・過ごすことができるというのが目標になるでしょう。

そのために、クレートの中に長くいられるようにと出たがっているのに出ることを許さなかったり、扉を締めて閉じ込めたり、無理やり中に押し込めるなどしてはいけません。

その代わり、もし犬が自分からクレートに近づいたり中に頭を入れたり体を入れたりなど、少しでも目標とする行動に近づいた動きを見せたらそこを強化していってください。

強化する、つまり繰り返し定着させることでその行動を増やす・強くすることを意味します。

それを実現するために飼い主さんがすべきことは、犬が望ましい行動をとった直後に褒めてトリーツ(おやつやフード)を提供することです。

ある行動の結果良いことが起こった、という学習がその行動を増やしたり強くしていくので、血眼になって失敗を探し叱りつけるよりもずっと楽しく簡単で効率的であることは間違いありません。

犬のしつけとは飼い主自身のトレーニング

見つめ合う飼い主と犬

犬を迎えたら飼い主として責任をもってしつけをしなければいけない!という気持ちを持つことは悪いことではありませんし、むしろ素晴らしいことです。

しかし、人間同士であっても言葉の使い方や伝え方が違えば意図していることが伝わらなかったり、国や地域など住んでいる場所が違えばそもそも言葉の理解から異なってきます。

人間同士でもこうした伝わらないという自体が簡単に起こるわけですから、人間ではない動物を相手にする場合はより一層の勉強が必要です。

そして、実際にその人間ではない動物である犬に何かを教えるのは人間である飼い主なので、飼い主さん自身が学び手である犬にとってわかりやすい教え方を事前に学ぶ必要があります。

また、繰り返しになりますが、わかりやすい教え方としての方法は『優しく丁寧であること』であって、決して叱る・怒鳴る・大きな音をたてる・叩く…などといった強い方法は選択肢としてもつべきではありません。

ですから、犬のしつけとは犬に教える以前に飼い主さん自身が「どんなふうに伝えたら犬にとってわかりやすいかな?理解してくれるかな?」ということを学ぶ、つまり飼い主さん自身のトレーニングであるということです。

もし、飼い主さん自身がそこを一切無視して犬にばかり要求をするような考えや方法をとっているとしたら、当然そこには犬に選択肢はなく尊重もありません。

あるとしたら失敗は犬のせいであり、犬は飼い主に従うべきでときには拒否するといった権利も許さない…といった悲しい世界でしょう。

そんな中でのしつけは犬にとっても人間にとっても楽しくありませんし、イライラして辛い時間になってしまいます。

そんな悲しいことになってしまわないように、犬をしつけという名目で責任を犬に全て投げるのではなく、飼い主さん自身が教え手として優しく丁寧に分かりやすく伝える方法を学び楽しいしつけができるようになってください。

まとめ

人間の手と犬の手の握手

「犬のしつけ」というとまだまだ支配的な考えでの教え方が根強いですが、しつけにあたってそのような支配性理論は一切必要ありません。

必要なのは、犬も人間も楽しく穏やかに取り組みつつ犬にとって分かりやすく丁寧に教えていくこと。

そして、犬を従わせるのではなく犬にも選択肢を与えその選択肢を尊重し、あくまでも協力してもらいながら望ましい行動を強化していくことです。

自分だったらどんな人なら協力したいと思いますか?

どんな人になら信頼を寄せますか?

どんな人なら一緒にいても楽しい・心地いいと思えますか?

それは支配的な人でしょうか?それともあなたを理解してくれて決して恐怖を与えない人ですか?

難しく考えがえてしまいそうになったら、今いくつか提示した質問について考えがえてみてください。

選択肢と尊重とは相手を思いやることにあると私は考えます。犬のしつけにおいてもそれは違いはありません。

あなたと愛犬が素晴らしいパートナーになれるよう、テクニックの前に心に留めておいてもらえるとうれしいです。

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