犬が脱水症状になる原因
1.室内の温度が高い
犬が過ごす室内の温度が高いことで脱水症状になることがあります。軽い熱中症である可能性が考えられます。
体温が高くなりすぎて体内の水分が過剰に失われた状態を「熱中症」と言います。
汗腺がなく、ほとんど汗をかかない犬はパンティング(荒い呼吸)をすることで体温を下げようとします。
冷房を使用していない夏場の室内だけではなく、暖房を使用している冬場の室内も犬にとっては温度が高くなりすぎてしまうことがあります。
室内の温度は22度、湿度は60%を目安に調整してあげると脱水症状になることなくすごしやすい環境づくりができます。
2.長時間のドライヤー
シャンプーをした後、被毛や皮膚を乾かすためのドライヤー中にも脱水症状になることがあります。
長時間のドライヤーは犬の体温を上げてしまい、体内の水分が過剰に奪われてしまうことがあるためです。
夏場であれば冷房を使用した室内でドライヤーをする、冬場の暖房を使用した室内であれば窓を少し開けて冷たい風を入れながらドライヤーをするなど対応するとよいです。
シャンプーの後は水分補給をさせてあげてください。ドライヤーの温風と冷風を使い分けて乾かしてあげるのも脱水症状を防ぐための工夫です。
3.水分補給が不十分
お水を十分に飲むことができないと脱水症状になることがあります。お留守番中にお水を飲み終えてしまっていることはありませんか?
不足している可能性がありますので、お皿を大きくする、給水器を使用するなどお水を多めに用意してあげるとよいです。
老犬になるとお水を飲むことを億劫にすることがあります。起き上がってお水が入っているお皿の場所まで歩いていくことがつらいのです。
ノズル付きのウォーターボトルを使用するなど飼い主の手で飲ませてあげると飲んでくれます。
お皿でお水を飲む時、頭を下げることがつらい場合もあります。手足でふんばる力が衰えてしまった時や首や腰に痛みがある時などです。
犬用のテーブルを使用するなどお皿の位置を高くしてあげることで飲みやすくなる場合があります。
4.糖尿病
犬が脱水症状になる原因には糖尿病があります。おしっこの中に多くの糖分が含まれており、その糖分が大量の水分を一緒に排出しようとします。
糖尿病になるとおしっこの回数や量が増え、体内の水分が過剰に失われてしまうため脱水症状になるのです。
糖尿病はインスリンの分泌に異常が起きる病気です。インスリンが不足すると血液中の糖分が増えてしまいます。
基本的にはインスリンを投与する治療が行われますが、脱水症状を防ぐためには水分を十分に補給しなければなりません。
あまりお水を飲むことが得意でないのであれば、犬用の経口補水液を飼い主の手で飲ませてあげるとよいです。
人間用と犬用とでは成分が異なるため、人間用の経口補水液は与えないでください。市販されているものもありますし、獣医師に相談してみてもよいと思います。
5.嘔吐・下痢を繰り返す
犬が何等かの原因によって嘔吐や下痢を繰り返した時、脱水症状になることがあります。体内の水分が過剰に失われてしまうためです。
水分補給ができればよいのですが、嘔吐や下痢をするほど体調が悪い時にお水をしっかり飲んでくれる犬はほとんどいないでしょう。また、嘔吐があると近似は水を飲んだことが原因になりさらに嘔吐がひどくなる場合もあります。
1日に何度も嘔吐や下痢を繰り返す場合にはすぐに動物病院へ行きましょう。
夜に症状が起きて朝の開院を待つ程度の時間であればよいですが、嘔吐や下痢を繰り返す犬を自宅で数日様子を見るというのはあまりおすすめしません。あっという間に悪化してしまう可能性が非常に高いです。
まとめ
犬が脱水症状になる原因を5つ解説しました。
- 室内の温度が高い
- 長時間のドライヤー
- 水分補給が不十分
- 糖尿病
- 嘔吐下痢を繰り返す
犬が脱水症状になった時の応急処置は「口からお水を飲ませること」です。
しかし、そのまま自宅療養させることはおすすめしません。すぐに動物病院で診察を受けてください。口からお水を飲むだけでは不十分であることがほとんどです。