犬に絶対NGな『マダニ』の危険性4つ!主な症状や今すぐやるべき予防策まで解説

犬に絶対NGな『マダニ』の危険性4つ!主な症状や今すぐやるべき予防策まで解説

犬を飼っている人であれば一度は耳にしたことのある「マダニ」。噛まれると病気を媒介する小さな節足動物です。その「マダニ」について、危険性と予防方法をちょっと詳しくまとめてみましょう。

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記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子
  • (AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター )

獣医師・AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター
山口大学農学部獣医学科(現:共同獣医学部)卒業。2006年3月~2023年3月 有限会社ふくふく動物病院 取締役・院長。ジェネラリストですが、得意分野は皮膚疾患です。
獣医師歴26年(2023年4月現在)の経験を活かし、ペットの病気やペットと楽しむアロマに関する情報をお届けします。

マダニとは

マダニ

マダニとはダニという小さな節足動物の一種です。昆虫かと思われがちですが、ダニは足が左右4本(計8本)あるのでクモやサソリなどに近い生き物となります。

ダニという生き物はとても多くの種類が確認されていて、日本においても2000種類以上のダニがいると言われています。

動物に寄生して生きるものがほとんどで、直接皮膚に食いついて吸血するマダニ類やイエダニ類のほか、毛穴や皮膚の内部に寄生して組織を食べるヒゼンダニ、ニキビダニなどの種類、家のホコリ中の成分を食べるダニがいます。

また、小麦粉や乾物を食べる「コナダニ」というタイプのダニもいます。

多くが人獣共通感染症(ヒトにも動物にも感染、発症する病気)を媒介するので、まずは寄生されないことが大切です。

中でも今回取り上げる「マダニ」はやっかいです。

日本全国に10種類以上が確認されており、気候や場所を問わず適応する強い生き物です。山や草むらに潜んでいて、散歩の途中などに犬の身体や場合によっては人の身体にくっつきます。

身体の大きさは吸血する前は3~4mm程度、吸血した場合は1㎝近くなるなど比較的大きく、固い外皮に覆われた丈夫な生き物です。

栄養源は動物の血液だけで、皮膚に食いつくとくちばし部分を突きさし数日間におよび吸血します。

満腹になると勝手に離れて落ちていきますが、吸血している最中に原虫や細菌、ウイルスなど様々な病原体を媒介するので注意が必要です。

マダニが媒介する感染症

犬とダニ

ダニに噛まれると直接的には皮膚炎を起こすなどの被害が起こります。また大量に寄生されると、小さな犬の場合は貧血状態に陥ることもあります。

さらに、マダニは感染症を媒介するため大変危険といわれています。

媒介される感染症はその多くが人獣共通感染症です。主なものを挙げていきましょう。

1.バベシア症

「バベシア原虫」という微生物が感染することで起こる病気です。

バベシア原虫は赤血球に寄生し内部から破壊するため、これに感染すると溶血性貧血、発熱を起こします。

急性症状の場合は黄疸などもおこり場合によっては致死する危険な病気です。ヒトの場合も同様で、発熱や貧血を起こします。

2.ライム病

「ボレリア菌」という細菌に感染することで起こる病気です。

発症率はそれほど高くありませんが、発症すると発熱や食欲不振から全身の痙攣、関節炎などが見られます。

こちらももちろんヒトへも感染し、発症を放置すると心筋炎や顔面神経の麻痺などが見られることがあります。

3.Q熱

「コクシエラ菌」の感染により起こる病気です。

犬の場合は不顕性感染(症状がでない感染)が多いのですが、ヒトに感染すると高熱、呼吸器症状、肺炎などが見られます。

慢性化すると肝炎や心筋炎なども起こる病気です。

4.重症熱性血小板減少症候群(SFTS)

ウイルス感染により引き起こされる病気で、2011年に中国で見つかり2013年以降日本でも見つかっている、比較的近年になって分かった感染症です。

発熱や下痢、嘔吐などから神経症状、リンパ節の腫脹などがあり、血小板や白血球が減少します。

致死率は10~30%ととても高く、また現在では効果的な治療法も確率されていないので感染をしないことが大切です。

予防策

散歩する犬

上記の病気や皮膚炎などはマダニに寄生されないことが大変重要です。

「草むらに入らない」、「犬と一緒に入るときは長袖長ズボン着用など肌を露出しないことを徹底」し、散歩から帰ったら犬の身体を十分に点検・ブラッシングしてマダニに吸血されることがないようにしましょう。

マダニが寄生しないことが一番の予防策です。動物病院でマダニの予防薬を処方してもらい、定期的に投与しましょう。

まとめ

獣医に耳を診察される犬

マダニは犬の皮膚の柔らかいところ(顔面や耳など)に寄生することが多いので、良く点検してあげてください。

またマダニが食いついているのを発見した場合、無理やり取ると皮膚内にマダニのくちばしが残ってしまい炎症を起こすことがあります。

無理に引きはがすことはせず、見つけたら動物病院を受診しましょう。

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