犬の血圧の正常値とは?
一般的な犬の正常値は70~150mmHgです。160~179mmHgの値が続いた時に高血圧と診断されます。
ただし犬の年齢や体重などによって、最高血圧が150mmHgを超えると何らかの症状が出る場合もあるので気をつけなければなりません。
逆に、血圧が80mmHg以下を持続した場合は低血圧と診断されます。
低血圧の犬の場合は心臓病が疑われることが多く、重症化すると肺に水がたまるなど重い症状が出るのでこちらも早期治療が望まれます。
犬が高血圧になる原因4選
犬が高血圧を患った際に考えられる原因と、考えられる病気には以下のようなものがあります。
1.腎臓病
犬が高血圧になった際に、まず原因として疑われるのが「腎臓病」です。
急性腎不全なら、おう吐や排尿困難などの症状が出ますが比較的軽度の治療で回復することができます。
ただし慢性腎不全の場合は発見が遅れることが多いため、気づいた時には病気が進行してしまっていることがあります。
2.クッシング症候群
犬の「クッシング症候群」とは、脳下垂体や副腎の腫瘍が原因でホルモン異常が起こる病気です。
高齢犬がかかりやすく免疫力が低下してしまうため、高血圧が見られた場合は注意する必要があります。
3.食べ物
「塩分の高い食事」は高血圧につながります。人間と同じように、犬も塩分の摂りすぎに注意しなければなりません。
与えすぎに注意したい塩分の食べ物には次のようなものがあります。
- 水産加工品(かまぼこなど)
- ハムやソーセージ
- ジャーキーなどのおやつ
人間用の加工食品ばかりでなく、犬用のおやつにも塩分が高めのものがあります。
とくに、味の濃い食べ物を犬に与えすぎてしまうと高血圧の原因となってしまうので注意が必要です。
4.肥満
犬の「肥満」も人間と同じように、高血圧をはじめとする病気の原因となりやすいです。
平均体重より多い状態が続くと、高血圧以外に糖尿病や脂肪肝など病気を発症する可能性が高まってしまいます。
うっ血性心不全などを引き起こさないためにも、高血圧にならない生活を愛犬に提供してください。
犬の高血圧を防ぐための予防法
愛犬の健康を守るのが飼い主さんの役目です。
ここでは犬の健康を守り、高血圧を回避するための予防方法をまとめました。
犬の健康に良い食事を摂る
犬の健康を守り高血圧を防ぐためには食事管理が大きな鍵となります。
高血圧を防ぐには、腎臓をいたわる食事を心がけていきましょう。1日分の食事量をしっかり決めた上で、3回以上に分けて与えていきます。
高血圧や腎臓病の犬に優しい食事のポイントは次の通りです。
- 低たんぱく
- 低リン
- 低ナトリウム
- 低カリウム
- オメガ3脂肪酸の摂取
- 抗酸化物質の摂取
- 十分な水分
「かぼちゃ」は血圧上昇抑制効果があるので犬の食事に取り入れたい食材です。
しっかりと加熱を行い、適切な量やアレルギーがないか確かめてから与えてください。
ちなみに「さつまいも」は腎臓病は心臓病を持つ犬にとってカリウムが負担になるため与えすぎには要注意です。
また、低カロリーで高タンパクとされる「鶏のささみ」も腎臓病がある犬は避けるべきとされています。
ただし調理法や適切な量を守れば与えられる食材も多いので、一概にNGとは言い難いです。
愛犬が高血圧を患った際には、獣医師に食事アドバイスを受けることをおすすめします。
適切な運動をする
高血圧の原因となる犬の肥満を防ぐには、運動習慣を継続させることが一番です。
体重が平均値より多い犬は獣医師に相談の上で、適度な運動を行い体重を減らすようにしましょう。
ただし、心臓病を患っているなど運動制限がある犬の場合は、必ず獣医師に相談の上で行ってください。
ストレスのない生活を送る
ストレスというものは、あらゆる病気の原因となるものです。
愛犬が快適に暮らせる生活環境が整っているか、しつけや散歩は適度に行われているか、コミュニケーションは十分であるかなど、ぜひ今一度見直してみてください。
定期的に血圧を計測する
犬の血圧は、動物専用の血圧計を使用して前腕や後ろ足やシッポで測定を行います。人間用の血圧計とは異なるので、定期的に動物病院で計測することが重要です。
血圧を含めて、愛犬の健康診断は最低でも年に1度行い、年齢を重ねるごとに回数を増やし、高齢犬は月1回などで行うことをおすすめします。
まとめ
犬の高血圧が発見される際には、心臓病や腎臓病などを発症しているケースが多いです。
早期発見であれば投薬治療で改善できることもありますが、気づいた時には重い症状が出てしまっている可能性も少なくはありません。
生活習慣の見直しによって、高血圧を未然に防いだり悪化を避けることは可能です。
ぜひ日々の生活を見直す機会を持ち、気になる場合は早めに獣医師にご相談ください。