オキシトシンでいっぱい!
オキシトシンは人の母と子の間で生じ、絆を強めることで知られるホルモンの一種。近年の研究で、このホルモン分泌は人の母子だけでなく、人と犬にも深く関わりがあることが分かってきました。
愛情と信頼で結ばれた飼い主さんと犬の関係では、犬をなでたり話しかけたりすると、犬は嬉しくなるために体内のオキシトシンが上昇します。オキシトシンは幸せホルモン、愛情ホルモンとも呼ばれますから、これが上昇する機会が多ければ多いほど飼主さんと犬の幸福度がアップするというわけですね。
こうしたことが科学的な研究は愛犬家にとっては嬉しいものです。さて、ここからはそんなオキシトシンが出るような、犬の飼主さんへの愛情行動を見てまいりましょう。
その1
あくびが移る、というのは、実際に人でもよく見られることですね。実はこのあくび伝染は、飼主さんと犬の間でも起こることが近年の研究でわかりました。なぜ、あくびする飼主さんをみると、犬もつられてあくびをしてしまうのでしょうか。
これには理由があり、その間柄が親密であればあるほど、また、シンパシーを感じている人相手であるときに、あくびは移りやすいと言われています。毎回、毎回、あくびをするたびにシンクロするわけではありませんが、たまに愛犬にあくびが移った姿を見られることができれば嬉しいですね。
その2
愛犬を抱くとき、もぞもぞと落ち着かないようにする仕草をすることはありませんが?もちろん、今は抱かれたくない、だとか、自分で歩きたい、だとかいう気持ちがありますが、それとは別の意味を持つ場合があります。
それは、犬が、飼主さんにもっとピッタンコしたいために、ジャストフィットしやすい体勢を探っている行動なのだそうです。もっともっと飼主さんに密着したい、長く抱かれるために体勢を整えるだなんて、なんとも健気でかわいらしい行為だと思いませんか。
その3
飼い主さんの服を引っ張り出しては床に広げ、犬がその上で寝ていることがありますが、これはイタズラではなく飼い主を好きすぎるための愛情表現です。
飼い主さんの服には、大好きな匂いがしっかりついています。人よりも嗅覚の優れた犬は、飼い主さんの匂いがついた服に囲まれたり、ときにはハウスなど、自分のテリトリーに運ぶこともあります。こうすることで安心し、リラックスするのですね。
その4
身体の一部を常に飼主さんに密着させている子はいませんか。それが犬のおしりだったりすると「え~!なに?おしりなんか向けちゃって、私ってバカにされているのかなあ」。というように捉えてしまうかたも多いですね。しかし、そうではありません。
これは、犬の野生時代の名残りとも言える信頼の行為なのです。この時の犬からのメッセージはこうです。「信頼している飼主さんは、そっちを見張っていてね。私は反対側を守るから」。というもの。
つまり、太古の犬たちは敵から身を守るため、群れで協力しあってを守るという行為が当たり前でした。外敵から襲われるのは背後からが多いですから、おしりや背中を預けられる相手というのは絶対の信頼をおける人物だというわけです。飼主さんを信頼しきっているからこその行為と言えますね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。この他に、飼主さんの顔をなめる、や、お腹をみせるなどがあります。犬からの愛情サインを読み取り、愛情ホルモン・オキシトシンがいっぱいの関係を目指しましょう。意
思疎通ができるように気持ちと気持ちを寄り添わせて、もっと仲良しになれるように、私たち飼主は、犬の表情や行動の意味について勉強していきたいですね。