犬の欲求不満とはどうゆうもの?
それについて考えるには、犬の三大欲求とはなにか、ということに着目する必要があります。多くの犬のプロフェッショナルが考える犬の三大欲求とは「食べる」「運動する」「飼主さんと一緒にいる」というこの3つ。これにプラスして、寝るとか、においを嗅ぐ、などがありますね。
欲求が何らかの原因により満たされないとき、犬はフラストレーション状態に陥ります。これらが積み重なると、心理的反応が問題行動として現れることが多いのです。一例として、攻撃,退行,固執の3つに分けられるとのデータがあります。これらの反応はすべて一度に起るものではなく、個体により大小があります。
さて、ここからは、そうした欲求不満を感じている際のワンちゃんの仕草について見てまいりましょう。
その1、尻尾を追い回す
テレビのおもしろ動画などで、このようなシーンを見たことのある方もいらっしゃるでしょう。ちょっと変わった楽しい映像としてアレンジされ放映されていますが、実は犬のこの行動。動物心理学的には、何らかのストレスが大きくのしかかっていることが多いと考えられています。
例えば、遊びの対象が無いために自分の尻尾をおもちゃ代わりに追いかけまわるとは考えられないでしょうか。もし、少しでも思い当たる節があればすぐにできる対策を取りましょう。お散歩の時間を増やしたり、ひっぱりっこ遊びやボール投げなどで発散させるのも、欲求不満解消の糸口につながります。
その2、吠えやすくなる
最近、ほんの少しのことでも吠えやすくなった。そんなことはありませんか。人は思いっきり大声を出すとスッキリする方がいますが、犬でもそれは同じです。しゃべれないからこそ、頻繁に吠えてフラストレーションを発散させようとしていることがあります。
例えば「おやつが欲しい」というような、いわゆる要求吠えが前よりもひどくなるのもそのひとつ。また、外を通る人、バイクの音、玄関チャイム、などに過剰に反応して吠えたてるのも、欲求不満が蓄積している心理が影響していることも。
そんな兆候が見られたら、飼主さんは犬とは対照的に、ゆったりとした心構えで犬をよく観察してください。各シチュエーションに対して以前はどうであったか。また、以前に比べて生活の中で変化したできごとはないか。そうしたことを冷静に整理し、犬の持つ欲求を満たすようになるべく寄り添って対処することが大事です。
その3、破壊行動
「わ~!こんなに散らかして!!!どうするの!」と、帰宅後に愛犬の散らかしたリビングに驚き、こんな大声を出してしまうことはないでしょうか。そう。普段しないような悪さをしたときは要注意。人も欲求不満を常に抱えていると、ときにうっぷんを晴らしたくなりますね。
犬にとってもそれは同じ。やり場のない欲求が内に積り積もって破壊行動に結びつくことは、なにも珍しいことではありません。そうしたとき、飼主さんがとってはいけない対処があります。それは、けして叱らないこと、また、高い声で話しかけないこと、犬と視線を合わせないこと、です。
なぜなら、犬はいたずらが良くないことだとわかっています。しかしそれは、抑えきれなかった欲求不満の表れかもしれません。ここで飼主さんは複雑な感情をグッと抑え、冷静に対処するのがとても大事。その上で、最近変わったことはなかった、運動量は足りているかなど、欲求不満の原因について考える必要があります。
まとめ
いかがでしたか。犬に欲求不満が募らないようにわたしたち飼主ができることはいくつかあるはずです。早期発見は早期改善につながりますから、どんなに気心のわかるパートナーになったとしても、ときどきは、犬の三大欲求「食べる」「運動する」「飼主さんと一緒にいる」について見直しをし、さらにお互いが健康で暮らせるよう、心の結びつきをアップデートしたいですね。