犬の毛色が変わる理由
1.季節が変わると毛色も変わる
ポメラニアンなどの「ダブルコート」を持つ犬は季節ごとに毛色が変わることがあります。
春と秋には換毛期があり、春夏の毛と秋冬の毛では質や色が変わります。春夏の毛は少しゴワゴワと荒く硬い印象です。秋冬の毛はやわらかくふんわりとした印象です。
色が変わる理由は、毛に含まれる「メラニン色素」によるものです。春夏には濃くなったような、秋冬には薄くなったような気がするかもしれません。逆のパターンもあります。写真で見比べてみると分かりやすいです。
2.成長する過程で変わる
犬の毛色が最も変わるのは子犬の時です。成長すると共にメラニン色素が増え、少しずつ毛色が濃くなるのが特徴です。
マズル周りの真っ黒だった被毛がなくなる犬もいます。薄かった模様がはっきりと出る犬もいます。
ブリーダーやペットショップに対して「うちに来たばかりの頃は真っ白だったのに大きくなって色が付いた!」とクレームの電話をする飼い主もいるようです。
初めて犬を迎える方は成犬になった時の毛色、成長過程でどのように変わるのかなど、事前に確認しておくとよいのではないでしょうか。
3.加齢と共に変わる
7歳を過ぎた「シニア犬」と呼ばれる頃から退色することがあります。
少しずつ薄くなっていくのが基本ですが、薄くなった毛色がまた濃くなり始めることもあります。加齢によって毛色のメラニン色素が不安定になるためです。
老犬ともなるとメラニン色素は減少し、毛色が薄くなったり白髪になったりすることがあります。
4.被毛を短くカットした
トリミングで被毛を短くカットした時、毛色が変わったと感じることがあります。被毛の根本から毛先まで全て同じ色ではないことが理由です。
例えば、根元は黒・真ん中はクリーム色・毛先は白ということがあります。根本近くまで短くカットしたことで被毛の色が全体的に黒っぽく見えるようになります。
根本よりも毛先の方が濃い毛色をしていると、短くカットしたことで全体的に薄くなったように感じられることもあります。
極端に短くカットしてしまったことで被毛が伸びにくくなってしまったり、伸びなくなったりするという話もよく耳にします。毛色にも関係してくるようですので注意したいです。
5.お手入れが不足している
被毛の美しさを保つために欠かせない毎日のブラッシングですが、サボっていると毛色が変わることがあります。
瑞々しくツヤのある被毛の色は濃く見えます。乾燥してパサパサした被毛の色は薄く見えます。
ブラッシングには皮膚の血行をよくする効果がありますが、被毛に必要な栄養素を届ける役割もあります。
お手入れが不足すると皮膚の血行が悪くなり、被毛に必要な栄養素も不足し、もつれたり毛玉になったりします。フケや汚れもたまっているはずです。
毛色の変化だけではなく、被毛や皮膚の健康状態も日頃からチェックするようにしましょう。
6.過剰なストレスまたは病気
過剰なストレスまたは病気によって毛色が変わることがあります。ストレスによって健康状態に悪影響を及ぼしている可能性があります。
病気では、毛色に関係するメラニン細胞の遺伝子が異常を起こしている可能性があります。生まれつき異常な状態である可能性もあります。
ストレスや病気によって毛色が変わることに関して、飼い主では判断することが難しいです。
なぜ突然に毛色が変わってしまったのかと納得できる理由が見つからない時は、ぜひ獣医師にご相談ください。
まとめ
犬の毛色が変わる理由を6つ解説しました。
- 季節が変わると毛色も変わる
- 成長する過程で変わる
- 加齢と共に変わる
- 被毛を短くカットした
- お手入れが不足している
- 過剰なストレスまたは病気
季節・成長・加齢によって毛色が変わることには、あまり敏感になる必要はありません。愛犬の健康に悪影響を与えるものではありません。
被毛を短くカットすること、お手入れが不足することによって毛色が変わることには少し注意が必要です。
ストレスや病気によって毛色が変わることは判断が難しいです。健康状態に問題がなく、皮膚や被毛も美しく保てているのであれば可能性は低いと思います。
総合的に判断し、解決できない場合には獣医師の診察を受けましょう。