①抱っこをすると「キャン!」と鳴く
「椎間板ヘルニア」や「関節炎」などの痛みのある病気を発症している恐れがあります。
まだ他に症状はないけれども、犬を抱っこしようと抱き上げた時に痛みが生じ、短く強い声で「キャン!」と鳴いた可能性が考えられるのです。椎間板ヘルニアの好発犬種としてはミニチュアダックスフンドやコーギー、ペキニーズなどが挙げられます。関節炎を起こす病気はいくつかありますが、老齢になると多く見られるようになる病気もあります。
椎間板ヘルニアや関節炎などによる痛みがあると、頭を下げて歩くようになったり、段差を上り下りしないようになったり、運動や散歩を嫌うようになるなどの行動も見られるようになります。
②お尻を左右に振って歩く
「股関節形成不全」という股関節の異常があるかもしれません。
お尻を左右に振って歩く姿は「モンローウォーク」ともよばれ、後ろから見るととても可愛くも思えますよね。しかしこの歩き方は、股関節を正しく動かせない、股関節を動かす時に痛みを感じているために起こるものです。
股関節形成不全が多くみられるのは、レトリバー種やジャーマン・シェパード・ドッグ、グレート・ピレニーズなどの大型犬です。小型犬でも見られることがあります。
股関節形成不全は股関節がゆるんでいることが原因です。先天性の場合が多く、子犬がお尻を振りながら歩いていても、「この歩き方はこの子のくせだ」と感じる飼い主さんも多いといわれています。
足を痛がる、運動や散歩を嫌うようになる、うさぎ跳びのように後ろ足で同時に地面を蹴る、横座りをするなどの仕草がみられたら、すぐに動物病院で診てもらってください。
③ご飯をこぼす
歯周病をはじめとした口の中の異常がある可能性があります。
今までご飯のお皿からこぼすような仕草がなかったのに急にこぼすようになった場合、口の中の病気を疑いましょう。痛みを感じていたり歯が抜けている、腫瘍があることなどが原因で、片方の歯やアゴだけでご飯を食べるようになったり、うまく食べられない結果としてご飯をこぼすようになります。また痛みを感じたくないので、ご飯を食べなくなることもあると言います。
歯周病は犬種や年齢を問わず起こり得ます。口臭がひどい、歯がぐらぐらしている、血が出ているなどの症状がみられると、すでに歯周病が悪化している状態です。そうなると血の中にも細菌が入りこみ、他臓器の病気を発症させたり悪化させたりする可能性もあるそうです。
歯周病は、予防することがとても大切です。普段からしっかりとハミガキを行い、定期的に動物病院で歯石や歯垢を除去してもらうと良いでしょう。
まとめ
犬は言葉で「助けて」「痛い」と飼い主さんに伝えることができません。そのため、飼い主さんが「あれ?なんかいつもと違う」と感じること、ちょっとした仕草の変化を見極めることが、病気の早期発見につながります。不安を感じたら、すぐに獣医さんに相談してみてください。