アメリカでの出生率が大幅に低下、その理由は
2020年は世界中で本格的なパンデミックが始まった年でした。この象徴的な年にアメリカで新生児の出生数が1979年以来最低を記録したという公式な発表がありました。出生数は前年比で4%減少しており、この数字は2014年以降の平均年間減少の2倍になりました。
ミレニアル世代と呼ばれる1981年から1996年の間に生まれた女性の間では、出生数の減少傾向は顕著に見られていたそうですが、パンデミックはこの流れを決定的にしたと考えられています。
この現象を調査するために、アメリカのHonest Paws というペットのためのサプリメントを販売する会社がミレニアル世代の女性で子どもを持つつもりはないという400人を対象にオンラインアンケートを実施しました。
その結果からは、彼女たちが一緒に暮らしている愛犬や愛猫の存在が大きくクローズアップされました。
犬や猫は子どもと同じ位置付けという女性たち
子どもを持たない予定だという女性の多くは、世界の現状に不安を感じていたり社会環境が子育てを支援するようにできていないと感じ、職業や趣味に自分の時間を使うことに価値を見出しているという傾向が見られました。
中でも注目されたのは、犬や猫などペットと暮らしていると答えた人たちの回答でした。ペットを飼っていると答えた人の70%が、愛犬や愛猫を自分の子どもだと見なしていると答えました。また、66%が将来的に予定を変更して子どもを持つことになったら、ペットの世話は子育ての予行演習になると考えています。
69%の人がペットを飼うことは子育てよりも簡単だと感じており、その理由として「かかる費用が小さい」「預け先を見つけることや留守番が簡単」「ケアにかかる時間が少ない」などが挙げられています。
生活面で犬や猫の存在が影響したことでは、53%の人が住居の購入や賃貸に当たってペットのための屋外スペースが十分あることが決め手になったと答えています。48%の人はペットのために誕生日やクリスマスのプレゼントを買うと答えています。
また、約4割の人が旅行の際に宿泊先や旅の目的をペットの同行を前提にして考えていることが複数の項目からわかっています。
ミレニアル世代は愛犬家世代
このHonest Pawsのアンケート調査は、出生数という社会的な問題が絡んでいるため各方面の注目を集めていますが、ミレニアル世代は彼らよりも上の世代に比べてペットへの思いが強い傾向は以前から言われています。
また、この調査では女性が対象になっていますが、ミレニアル世代では男女を問わずペットを子どもと見なす人が多く、男性の方がペットに甘い傾向もあるのだそうです。
犬の飼い主を対象にした以前の複数のアンケート調査では「愛犬のためにできる範囲で一番良いフードを与えたい」「旅行には犬と一緒に行く」「夜は愛犬と一緒に寝る」と答えた人はミレニアル世代が最も多かったという報告もあります。
また、新しいトレーニング方法を取り入れたり、新しいペットグッズを試してみるという傾向が強いのもこの世代なのだそうです。
もちろん世代だけで決め付けるわけには行きませんが、全体の傾向が今後のペットを取り巻く環境に与える影響は無視できないものです。その点ではペットにとって明るい傾向と言えそうです。
まとめ
ミレニアル世代の子どもを持つ予定のない女性を対象にしたアンケート調査から、一緒に暮らしている犬や猫を子どものように見なしている人が多いという結果をご紹介しました。
国は違えど25〜40歳という世代の方にとっては、共感するところの多いアンケート結果ではないかと思います。幸せの定義は人それぞれで、愛情をベースにして種の違う者同士が家族のメンバーになることも自然なことだと考える人が増えるのは素敵なことですね。
《参考URL》
https://www.honestpaws.com/blog/birth-rates-in-us/