1.ご飯が食べたい
犬が舌なめずりをしているシーンとして、最も多く見られるのが食べ物を目の前にした時や、食べ終わった時だと思います。
これは犬も無意識のうちに行っていることが多いようですが、おいしそうなものを見た時に「食べたいな」「おいしそう!」などと感じて舌で口のまわりをペロッとすることがあります。
食欲からよだれが垂れたり、食後口のまわりに食べ物がついていたりすることで、それを拭き取るように口まわりをなめる仕草をすることもあります。
また、飼い主さんがお菓子やご飯を食べている時などに、ペロッと舌なめずりをしながら見つめたり、首をかしげて可愛くおねだりしていたりするとついついおすそ分けしたくなることもあると思います。
そのような行動をして、おすそ分けをもらうことに成功した経験がある犬は、次ももらうためにわざと同じ行動を取ることはめずらしいことではありません。
そのため、舌なめずりをしたことで食べ物をもらえたと学習した犬は、食べ物を前に舌なめずりをくり返すことがあります。
2.ストレスを感じている
犬の行動や仕草には、さまざまな感情や意思が隠れています。特に、不安やストレスを感じて自分を落ち着かせようと思っている時には、あくびをする・体を掻くなどの「カーミングシグナル」と呼ばれるボディランゲージを行います。
カーミングシグナルは現在発見されているだけでも20種類以上あり、舌なめずりをするのもそのひとつだとされています。
初めて行った場所で不安を感じていたり、知らない人になでられて緊張していたりする時に、こうした仕草を見せる犬は多いので、それが見られた時は安心させるような対応をしてあげましょう。
また、飼い主さんが家の中でイライラしている様子を見せたり、家族間で喧嘩が起きていたりする時に、漠然とした不安を感じて舌なめずりする犬もいます。
愛犬のストレスサインの可能性であることを考えて、状況に応じた接し方をしてあげてください。
3.敵意がないことを示している
上記で説明したカーミングシグナルは、自分を落ち着かせるだけでなく、対峙している相手に対する「敵意はないので落ち着いてください」という意思表示の意味もあります。
そのため、散歩中に見知らぬ犬や人と目が合った時や、他の犬に吠えられた時に目をそらしながら舌なめずりをしていたら、相手に「落ち着いて」とメッセージを出しているのかもしれません。
また、飼い主さんに対しても、しつけトレーニングやお説教の最中などにこのような仕草を見せることがあります。そのような状況で舌なめずりをくり返していたら、犬が緊張していると考えてあげましょう。
4.口内や口まわりに違和感がある
その場の状況に関わらず、しきりに舌なめずりをくり返している時は、口内に何らかのトラブルが起きていて痛みや違和感を感じている可能性があります。
犬は歯周病トラブルを起こすことが多くありますし、木の枝やおもちゃで口内に傷ができることも少なくありません。
舌なめずりを頻繁にしている時は、念のため口内や口まわりのチェックをしてあげるといいでしょう。
また、鼻炎やアレルギーなどで鼻水が出ている時にも同じような様子を見せるので、体調の変化にも注意を払うようにしてください。
まとめ
犬が舌なめずりをする理由は、身体的なものから心理的なものまでさまざまあります。
食事の前後にしていたり一時的にしていたりする場合は、特に心配する必要はありませんので、見守ってあげましょう。
ただし、舌なめずりをくり返しながら食事をうまく食べられないような様子を見せる時や、舌なめずりをする頻度が急激に増えたと感じた時は注意しましょう。
犬の口内にトラブルが起きていたり、強いストレスを感じていたりする可能性があるので、ボディチェックをしたり、環境の変化がなかったか確認してみてください。