犬は甘みが好き
犬の舌には、人同様、味蕾と呼ばれる味をキャッチするためのセンサーがあります。その中でも、犬は特に甘みに対する味蕾の数が多いため、甘みを好む傾向にあります。
はちみつは甘みが強い食材ですから、犬が好むのも当然かもしれませんね。はちみつには、カルシウム、ビタミンB1 、B2 、葉酸などのビタミンに、アミノ酸、ミネラル、酵素などが豊富に含まれますが、有名なのがポリフェノール。
強い抗酸化作用を持っており、犬の体を健康に保つのに役立ってくれます。他には、どんな効果があるのでしょうか。
はちみつが犬にもたらす効果
1. 皮ふや粘膜を強く
はちみつは成分100gあたり、ビタミンB群の仲間であるナイアシンを0.3mg含んでいます。
ナイアシンは糖質や脂質やたんぱく質からエネルギーを作り出す役割をし、犬の皮ふや粘膜の健康を維持してくれるので、毛艶にも効果があるとされています。
また、保湿効果もあることから、犬の肉球クリームなどによく使用され、ダメージから角質を守っています。
2. すばやいエネルギー補給
はちみつは成分100gあたり、39.7gの加糖を含んでいます。果糖は炭水化物のひとつでフルクトースと呼ばれます。
フルクトースの一番大きな役割は体や脳を動かすためのエネルギー源になること。早いスピードで消化吸収される糖類なので、犬の疲労をすばやく回復させる効果が期待できるというわけです。
そうしたことから、シニア期の栄養補給として活用されることも多いようです。
3. 便秘予防
はちみつに含まれている2つの栄養成分、オリゴ糖と有機酸の一種であるグルコン酸が、腸内環境に良い影響を与えていると言われています。
腸内環境を良くするためには、ビフィズス菌や乳酸菌といった善玉菌を増やし、ウェルシュ菌や病原性大腸菌などの悪玉菌を抑制することが大事ですが、はちみつに多く含まれるオリゴ糖とグルコン酸は、善玉菌を増やし、悪玉菌の増殖を抑制してくれます。
こうして善玉菌が腸の中で優位になると、腸の蠕動(ぜんどう)運動が適度に促進され、犬のお通じを良くしてくれます。
はちみつのNGな与え方
このように、犬の健康への効果が期待される一方で、与え方についての注意点もあります。
まず、ボツリヌス菌の問題です。この菌は自然界に広く存在している細菌の一種で、体内に入ると食中毒を引き起こす可能性があることから、人では幼少期に与えるのは要注意とされています。
同じように考えると、犬の場合でも、内臓が未発達である子犬期や体調があまり良くない時、糖尿病と診断されている場合などにも、与えるのは控えたほうが良さそうです。また、肥満につながる恐れのあることも知っておいたほうが良いでしょう。
犬が好んでなめることから、ついつい量を与えてしまいがちですが、愛犬の健康を維持するのは飼い主さんの役目。欲しがるからと言って過剰に与えないよう気を付けてくださいね。
まとめ
たくさんの秘めたパワーを持ったはちみつの効果、それはまさに自然の恵みと言えます。尚、一日に犬に与えても良い量は、体重1㎏に対して1g程度とされています。
また、犬が花粉アレルギーを持っている場合には、はちみつの持つ成分に反応してしまうこともあるようです。犬の体質や体調に合わせ上手に取り入れ、人も犬もいつまでも健康でいたいですね。